新世紀ユニオン発行のニュース

労政審に労働者代表抜き「基本部会」設置!

 「雇用の流動化」の名で労働法制の規制緩和が進められてきました。いま画策しているのは「残業代ゼロ法案」(高度プロフェショナル制度)や裁量労働制の拡大、解雇の金銭解決制度、さらには解雇の自由化などが画策されています。「残業代ゼロ法案」では連合の会長が導入を認める発言をしたら全国の労働者が反対の声を上げたため、連合は「残業代ゼロ法案」容認を撤回しなければならなくなりました。

 そこで労働分野の規制緩和をスムーズに進めるため考え出されたのが、労働政策を審議し法案等に付いて厚生労働相に報告する権限を持つ労働政策審議会(労政審)に新たに基本部会を設置し、この基本部会には労働者代表を入れず規制緩和を進めようと画策しています。

 普通政策審議会には公益委員、労働者側委員、経営者側委員の3者構成が取られています。ところが今回の「基本部会」には公益委員と、経営者側委員だけで審議が進められ財界の主張に基づいた法改正が策動されています。これは異常という他ありません。

 労働者側代表が一人もいないのに「基本部会」の審議が開始され、運営規定が確認される等、異常なやり方が行われています。しんぶん赤旗8月3日号によれば、厚労省が提案したテーマは、「技術革新の動向と労働への影響」「生産性向上、円滑な労働移動、職業能力開発」「時間・空間・企業に縛られない働き方」の3点で、いずれも財界が主張してきた規制緩和を進める事を狙いとしています。

 この「基本部会」に出席の委員からは、厚労相の私的懇談会が打ち出した労働法制骨抜きの提言「働き方の未来2035」をもとに、その実現に向けた法整備を求める発言が相次いでいる、という。こうした動きは今後の安倍政権が進める労働法制の規制緩和が、労働者への犠牲の上に制度を変更し野蛮な搾取を拡大する方向であることを示しています。

 「残業代ゼロ法案」や裁量労働制の拡大や解雇の金銭解決制度や解雇の自由化の法制化は戦後の労働改革の根本的改悪と言えるものであり、国民経済を一層の縮小再生産へと追い込むものとなるであろう。とりわけ解雇の金銭解決制度は裁判で違法解雇が明らかになっても、一定のお金を払えば解雇できる制度であり、これができると違法解雇が続出する可能性があり、事実上の解雇の自由化につながる制度である。

 財界は解雇事案をユニオンが個別労働事案として裁判を闘い、高額の解決金を取られ、敗訴すれば原職に復帰を認めるのが困るのである。労働力の移動は賃金が上がれば自由に、自然に進むものでありなにも制度の変更は必要ないことだ。重要な事は労働条件の改善が個人消費の拡大となり、国民経済の継続的拡大を保障する、戦後労働改革の経済的意義の根幹を廃止しょうとしていることである。たしかに解雇の自由化が進めばユニオンの経済基盤は崩壊します。その為にせよ、国民経済への打撃の大きさを指摘しなければなりません。

 強欲の資本主義が、強欲が過ぎて国民経済が縮小再生産のサイクルにはまりこんでいる現在の状況の下では、たとえユニオン対策であれ、これ以上の規制緩和は資本家階級全体の利益にも反する制度改悪というべきで、愚か極まりない規制緩和というべきです。ところがそれを労働側の意見も聞かずに強行しようとしているところに日本の悲劇があのです。資本主義を理解しない愚か者が、日本経済をますます縮小に追いこむ愚劣は自滅、あるいは自業自得と表現する他ない。

 我々は、今後「野蛮な搾取」に合う労働者の味方であるが、同時にこの規制緩和で国民経済が致命的打撃を受けることになる資本家階級への同情を表明せざるを得ないのです。日本の労働政策審議会に携わる人達は、「戦後労働改革」の経済成長への貢献の経済的意義を学び直した方がいい。間違いは早めに正すべきです。
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政府の「働き方改革」の狙いは賃下げ?

 大和総研の試算によると、政府の進める「働き方改革」で労働者の所定外給与が最大8.5兆円減少する可能性があるという。(大和総研の「日本経済見通し*2017年8月」)
つまり政府の進める「残業代ゼロ法案」や裁量労働制の拡大の狙いが「働き方改革」等ではなく、時間外労働をただ働きに切り替え、目先の利潤を拡大しょうとしているだけなのである。

 日本経済がデフレに陥っているのは非正規化などの「雇用の流動化」で労働者の賃金総額が縮小し、結果個人消費が縮小し、国民経済が縮小のサイクルにはまっているのであるのに、さらに時間外労働の賃金が払われないようにすれば、ますます個人消費が縮小し、デフレがひどい状態になる。

 つまり政府の進める「働き方改革」が生産性を高めるため設備投資を促すのではなく、労働者の賃金部分を削減することに目的がおかれていることを指摘しなければならない。日本の労働生産性が欧米に比べて格段に低い理由である。経済学的に説明すると日本政府は絶対的剰余価値の獲得ばかりやり、生産性を高めることで相対的剰余価値を獲得する政策を放棄もしくは忘却しているということだ。

 厚生労働省の2016年判の白書は日本の労働政策性が欧米と比べて極めて低いことを示している。日本の実質労働生産性は38.2ドル、これに対して、フランスは60.8ドル、ドイツは60.2ドル、アメリカは59.1ドルであった。日本の労働生産性は主要先進国中最低だった。

 これは日本の財界が労働賃金を切り下げる政策ばかり追求した誤った認識の結果なのである。労働者の賃金部分は個人消費部分であり、これが縮小すると生産財生産部分も縮小する。「戦後労働改革」を作成したアメリカの学者達は、個人消費の継続的拡大を保障するため労組の権限を強める労働法制を作り、その結果日本経済は急速に復興した。

 ところが日本の財界は強欲さを強め、労組の家畜化を進め、賃上げを抑制した。その結果日本経済は低成長時代から縮小の時代を迎えることとなった。労働運動が持つ国民経済の拡大のテコとしての役割を理解しない愚かさが、日本のデフレ経済を生みだしたのである。哲学的に言うと労働者と資本家の関係が「対立面の統一の関係」にあるということを日本の政策関係者が理解していないということだ。経済学的に見ると企業の利潤は生産性を高めて相対的剰余価値の拡大を目指す方がより儲かるということが分かっていないのである。

 日本の企業は膨大な内部留保を蓄えており、この一部を設備投資に使うような「内部留保増税」で省力化投資を促せば日本の生産性は高まり、賃上げの源資も確保できる。強欲さゆえに労働者の賃下げしか選択肢が見えなくなった日本の財界の強欲を指摘しなければならない。
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先進的労働者の「連合」への抗議行動をたたえる!

 「高度プロフェッショナル制度」とは労働者の間で「残業代ゼロ法案」のことである。家畜化した企業内労組の上層連合である「連合」が労働者を裏切り、「年104日以上の休日確保」を義務付けるなどの条件で賛成に転じたことから、連合内の地方組織や産別などの反対が相次ぎ、「連合」は賛成を取り付けることができない、異例の事態となっている。

 さらに重要な変化は、労働者の代表として政労使合意で労働者を裏切り続けた「連合」が労働者の抗議デモに見舞われる事態となったことだ。この反「連合」デモは連合傘下でない労組の関係者や市民がツイッタ―等で呼びかけたもので、メッセージは「連合はかってに労働者を代表するな。」等のキーワードと共に拡散。デモ参加者はツイッタ―等でデモの開催を知り自主的に仕事帰りに参加した。

 参加した労働者は「労働者に囲まれデモまでされる労働組合とは一体何なのか? 恥だと思って欲しい。」「連合の一部の幹部だけが勝手に政府と交渉し、話を進めているように見える。一般の組合員は納得していないのではないか?」と語っている。(毎日新聞)

 こうしたデモ参加者は「残業代ゼロ法案」の「年収1,075万円以上」の条件がすぐ緩和されて対象が広がることを指摘している。こうした反連合の抗議デモが自然発生的に起き100名以上のデモとなったことは日本の先進的労働者が行動し始めた事を示しており、今までになかった注目すべき事態である。

 家畜労組の代表たる「連合」への抗議のデモが起きるところまで労働分野の規制緩和が進み、危機感を持った労働者が自然に抗議行動に立ちあがり始めたことを高く評価しなければならない。我々は労働者大衆の自主的な「連合」労働貴族への抗議デモを断固支持するものである。
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政府の「働き方改革」は長時間労働の固定化だ!

 安倍政権が「働き方改革」として月100時間以内を決定したが朝日新聞によればこの政府が目指す「残業時間の上限規制」で「720時間(月平均60時間)と決めた年間の上限に「抜け穴」があることが分かった、という。

 報道によると、休日出勤の労働時間が上限の範囲外とされていて、この休日労働分を入れると年960時間、月で過労死ラインの「80時間」の時間外労働を12カ月続けることができる制度設計になっていたという。これでは長時間労働の上限規制ではなく、長時間労働の固定化になりかねない。

 上限規制という以上は、残業をさせるより、省力化の設備投資を促すだけの長時間労働の規制でなければ生産性の向上や、労働時間の短縮に結びつかないことは明らかだ。政府の言う「上限規制」は、実は抜け穴のある長時間労働の固定化に他ならず、こんな規制緩和ならやらない方がましというべきだ。つまり安倍政権は愚劣にも未だに規制緩和路線を行っているのである。

 日本企業が、欧米と比べ労働生産性が低いのは長時間労働が上限なしに認められていることによる。日本企業は内部留保の金はたくさんあるのに、省力化投資を全く行わわないのは政府が長時間労働を思い切って規制しないからである。安倍政権は「「働き方改革」と言いながら逆に長時間労働を合法化しようとしており、これは「働き方改悪」であり、「上限規制」というよりも労働時間の「規制緩和」と呼ぶべき欺瞞的なやり口である。

 こんな法律ができると企業はいつまでも省力化投資をしないし、これまで労働時間が短かった企業まで長時間労働をさせないと競争に勝てないと考えることになりかねないであろう。つまり安倍政権の「働き方改革」とは電通の女性労働者の痛ましい「過労自殺」への世論の批判をかわしながら、実は長時間労働の拡大を欺瞞的に策する反動的なものなのである。

 我々新世紀ユニオンは、日本経済を拡大再生産のサイクルの乗せるためには(1)最低賃金を1,200円にすること(2)残業代割増賃金を100%にすること(3)残業代を月20時間に上限を決めること(4)残業なしで食える賃金へと賃上げすること、が重要と考える。個別企業の目先の利益が当面減少してでもそのようにしないと、日本企業の設備投資に火が付かず、拡大再生産へ・高付加価値生産へ・国際競争力の強化へと、日本経済が舵を切ることができないことを指摘しなければならない。

 つまり労働者の待遇の改善が経営者にとっても生産性の向上になり、相対的剰余価値の拡大につながることを理解することが重要なのである。つまり労働条件の継続的向上は消費の恒常的拡大となり、国民経済の拡大再生産につながることを経済団体や「連合」労働貴族が理解することが重要なのである。つまり国民経済を「対立面の統一の法則」の運動体として認識することが重要なことなのである。
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解雇の金銭解決の導入を断固阻止せよ!

 忙しいため、新聞の切り抜きが半月以上遅れていたので切り抜いていると、「しんぶん赤旗」の2月2日の記事に、「解雇の金銭解決有識者会議論」と言う小さな記事が目にとまった。この記事で安倍政権が未だに解雇の自由化を諦めていないことを知り驚いた。

 記事によると、厚労省の「有識者検討会」は今年1月30日、金さえ払えば不当解雇で裁判で解雇無効とされても容易に解雇できる「解雇の金銭解決制度」について議論を始めたという。これは安倍政権が2016年日本再興戦略に「予見可能性の高い紛争解決システムの構築」として明記したことから、労働者の反対で一度は諦められていた解雇の自由化が再び導入策動が始まっているというのです。

 この日の会合で厚労省は論点として以下の3点を挙げている。

(1)労働者が求めただけでなく、企業側にも認めるのかどうか
(2)通常の解雇のほか、国籍や信条等を理由とする解雇も対象に含めるのかどうか
(3)解決金の水準をどう設定するか、解決金の上限と下限を設けるべきかどうか
などの考えを示したという。

 厚労省は「現行の紛争解決の仕組みは維持しつつ、選択肢を増やす」考えを強調したと報道はいう。しかし解雇の金銭解決のルールができれば現行の紛争解決の仕組みは空洞化するのは確実である。

 企業側が求めれば金銭解決を認めるのであれば、労働運動活動家が真っ先に標的になるのは確実で、現行労働組合法そのものが崩れることになる。

 ただでさえ労組の家畜化と非正規化でデフレ経済が深刻化しているのに、「戦後労働改革」の経済的意義はさらに空洞化することになるであろう。これは日本の国民経済への致命的打撃となるであろう。

 安倍政権と経済界が狙いとするのは、現行の大企業のリストラが退職金プラス30カ月分の退職上積み金が高額なので、約150万円ぐらいで解雇を自由化し、リストラ費用を軽減しようとの狙いがある。

 しかし、この解雇の金銭解決の制度が導入されると、新世紀ユニオンのような個人加入ユニオンは致命的な打撃を受けることになる。おそらく経済的に存続は不可能となるであろう。

 それだけでなく国籍や信条で差別しないという憲法や労組法は空洞化する。すなわち戦後労働改革の示した労組の経済的役割の否定であるばかりか、戦後の民主主義に対する攻撃でもある。断じて認めることは出来ないのである。

 たとえ裁判で労働者が違法解雇を証明して勝っても、わずかな金で解雇が合法化されるなら、誰が時間のかかる裁判等闘うであろうか?裁判で勝てば原職復帰は原則である。

 これでは新世紀ユニオンのような雇用を守る労働組合の存在意義がなくなる。私の見るところ解雇の金銭解決制度の導入は、最終的にはアメリカ型の即時解雇の合法化を狙うものと言える。

 厚労省が「現行の紛争解決の仕組みは維持しつつ、選択肢を増やす」と言うのはまやかしであり、最後の狙いはアメリカ式の全面的即時解雇の自由化と見た方がいい。

 したがって全国の各労組・労働運動活動家は、この厚労省の解雇の「金銭解決制度の導入」策動に断固反対しなければならない。
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