新世紀ユニオン発行のニュース

解雇の金銭解決の導入企む安倍政権の陰謀!

 解雇の金銭解決制度をめぐり議論してきた厚生労働省の「検討会」は今後導入に向け労働政策審議会で議論を進めるとの報告書を強引にまとめた。

 検討会はこれまで(1)裁判で解雇無効の判決が出た場合の金銭解決の仕組みについては、「依然として課題が多い」(2)の解雇を不法行為として損害賠償を請求する仕組みについては、「創設は困難」(3)の一定の要件を満たす場合に金銭の支払いを請求できる権利を新たに設ける事については、「検討していくべき課題が多い」として具体的検討を進める方向である。

 裁判などでの解決金の算定について「予見可能性を高めることが重要」として「具体的な金銭水準の基準(上限と下限等)を設定することが適当」としている。今後労働政策審議会でこうした点を議論していけば、戦後の「労働改革」で引かれ、その後発展した「日本の解雇法制」が大きく舵を切ることになる。

 この解雇の金銭解決制度は企業ごとに支払い能力に限界があるので、解決金の上限と下限を決めることには無理がある。しかし経営者や政府自民党の狙いは解雇裁判で解決金が年々高額になるのでユニオン対策から解決金を低く抑えたいとの願望・狙いがあることは明らかだ。

 また解雇裁判に負けても一定の金額を払えば解雇できる制度は、戦後の労働法制の根幹をなす不当労働行為のザル法化が狙いであり、労組の弱体化につながることは明らかだ。金銭解決に賛成する御用学者が「日本再興戦略で既に閣議決定がされている」として労働政策審議会の議論を進めていく事を語っているように、安倍政権の「始めに導入ありき」で解雇の金銭解決制度が導入されようとしている事が明らかとなっている。

 重要な事は、現状の戦後労働法制が、強い労組を保障することで日本経済の拡大再生産を、個人消費を継続的に増大させることで保障する、まさに経済成長を支える制度として決められている事を、安倍政権の政策担当者が全く理解していないことである。規制緩和が日本経済に与える打撃が、彼らは無理解で、労働法制の変更が国民経済に打撃を与えることの重大性が理解できていない事を指摘しなければならない。

 安倍右翼政権は、現行の労働裁判でユニオンが財政基盤を強化し、組織を拡大しつつあることが気にくわないので、金銭解決の上限を低く抑えたいのである。また一定の金額を支払えば解雇できるようになれば、解雇は合法となり、そもそもユニオンに加入する労働者はなくなる。つまり解雇の金銭解決制度はユニオン対策である事は明らかだ。

 新世紀ユニオンが規約の定めがあれば裁判での解決金の10%の支払いを組合員に義務付けた判決(判例=新世紀ユニオン事件)が新しい労組=個人加入ユニオンの財政基盤を確立し、その結果全国にユニオンが激増した事は右翼政治家には気にくわない事なのだ。

 反ユニオン(=反労働者)のために戦後確立された解雇法制を根本的に変え、そのため日本経済が打撃を受け、一層縮小することは避けられない。愚かな安倍政権の政策担当者はGHQの「戦後労働改革」の経済的意義について学び直した方がいい。愚か者でも、その愚かさを理解する権利があると考えるゆえに指摘するものである。
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解雇の金銭解決制度導入の狙いはユニオン対策だ!

 厚生労働省の有識者検討会は5月22日「解雇の金銭解決制度」について解雇された労働者が職場復帰を求めなくとも、解決金の支払いを要求できる権利を与える新たな制度案を本格的に議論する方針を労使双方の委員から異論が噴出する中で押し切った。

 報道によると、厚労省が設置した「金銭解決制度」の有識者検討会に提出した報告書案で、労働政策審議会で検討するよう提言したという。解決金額に上限と下限を設定することも検討事項にすると明記したという。労働側は「会社が解決金に近い金額を示して労働者に迫るリストラの手段に使われる」と制度に反対し、経営側は「企業により支払い能力に違いがあり、一律に定めるのは難しい」などとして解決金に限度額を設定することに慎重な意見がある。こうした異論の中での厚労省のこの強引な本格審議への方針は背景に安倍政権の方針があるものとみられる。

 政府の労働力の流動化の方針で、雇用調整助成金欲しさの違法解雇が続出し、それを背景に全国にユニオンが次々でき、新しい労働運動の波が起き始めた中で、「解雇の金銭解決制度」で解決金を低額に定めることでユニオンの財政基盤に打撃を与えることを狙いにしていることは間違いない。解決金に上限と下限を設定しようとしていることがそれを示している。ましてや会社が解決金を始めから支払えばユニオンに加入などしないであろう。

 現在の解雇の自由化を求める経済界の意向を受けた一連の厚労省の検討は、違法な解雇が続出している現状から、解雇裁判に負けても、お金を支払えば原職復帰を妨げることができる制度であり、我々労働組合は絶対に認めることは出来ない。

 この「労働契約解消金」と称する金銭解決金制度は、事実上の不当労働行為制度の骨抜きであり、資本主義経済の拡大再生産を保障した不当労働行為制度を含む現行労働法制(=戦後労働改革)を形骸化して、デフレ経済を一層深刻化することになる。

 現在の日本で必要なのは、解雇のやり得を阻止するため、違法解雇に対し懲罰的慰謝料を制度化することである。日本の労働法制はいつも経営側の要求から規制を緩和してきたのであるが、今回の「労働契約解消金」の支払いと解雇無効を一括して裁判所が命じる仕組みは、結果として経済成長を促すための「戦後労働改革」の経済的役割を骨抜きにすることであり、その愚かさを指摘しなければならない。

 日本の財界は、戦後の労働改革が日本経済の早い復興を支えただけでなく、国民経済の拡大再生産を保障してきた利点を理解すべきである。目先の利潤拡大策ばかり見て、国民経済を縮小再生産に追い込んだ愚かさを指摘しなければならないのである。労働法制は国民経済の成長の観点から見直さねばならないのであり、個別企業の目先の利益から決めてはいけない。

 厚労省と政府はまず、国民経済の拡大再生産を目指すのか?それとも縮小経済にますますしていくのかを、まず鮮明にすべきである。「労働契約解消金」導入による解雇の金銭解決はデフレ経済を一層促すであろうことは明らかで、必要なのは違法解雇に対する懲罰的慰謝料の制度を導入・確立することである。

 現状では経営者が違法解雇をしても何の咎めもなく、未払い賃金を支払えばいいのでは違法解雇のやり得を奨励しているものでしかない。

 検討すべきは国民経済を縮小に追い込んでいる、現行法整備の欠点を正すことであり、ましてや国民経済の成長を保証する不当労働行為制度を含む戦後労働改革を骨抜きにする愚か極まりない行為を直ちにやめるべきである。
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解雇の自由化と金銭解決制度に反対する!

 解雇規制の緩和・解雇の自由化論者は解雇の自由化にメリットがある、と力説する。
(その1)解雇が容易になると、いつでも転職できるようになる。
(その2)解雇が容易になると非正規社員が減って正社員が増える。
(その3)転職がしやすくなると、引きとめるために待遇がよくなる。
(その4)解雇が自由化されると全体として待遇が良くなる。
(その5)育児休業を取るよりも辞めて再就職した方がいいとなる。
(その5)解雇の金銭解決で規制強化の恩恵を受けることができる。
(その6)金銭保証の解雇で攻めのリストラが可能になる。
(その7)解雇の自由化で正規・非正規の格差が解消できる。
(その8)解雇を自由化すれば企業は気楽に人を雇うから雇用が拡大する。

 御用学者や自民政治家は「解雇が自由化すれば何とメリットが多いことか!」と言うのだが、そのあまりのインチキ理論に呆れる。小泉進次郎は解雇の自由化で「成長産業への労働移動を後押しする」ともっともらしく主張する。今のままでも賃金を上げれば、労働力はいくらでも移動するのである。彼らは要するに賃金が下がるようにしたいだけなのだ。

 竹中平蔵は「正社員は解雇が困難だから企業に負担がかかる。だから首切りを自由化する。」正社員は負担がかかる、だから非正規を増やしてしまった。竹中は「正規・非正規関係なく全員が雇用保険、そして年金に入れるという制度に収れんしていかなければならない。」と言う。ようするに解雇を自由にすれば全労働者が社会保険や年金に入れる低賃金の「正社員」(=社会全体のブラック化)になれる、ということなのだ。

 解雇の自由化・金銭解決制度が入ると確かにメリットは多い、それは全て個別経営者のメリットである。解雇が自由になると労働者の社会的立場は一層弱くなり、賃金は傾向的に低下を続けることになるであろう。事実1992年の非正規社員数は958万人であった、正規雇用の社員は3705万人であった。

 これが2015年には非正規は1953万人に増えた。非正規社員は1000万人増え、正規社員は500万人減少した。非正規が労働者の4割近くを占め、日本の労働賃金は傾向的に下がり続け、国民経済は縮小(=デフレ)を続けた、結果家族総働きになりつつある。

 解雇の自由化で、賃金が上がったり、正社員が増えるとか、転職しやすくなるというのは全てうそである。よくも出鱈目をさもメリットがあるかのようにだまして、解雇の金銭解決や解雇の自由化をすすめる狙いは、全労働者の待遇面での「非正規化」すなわち社会全体のブラック化を進めることでしかないのである。

 現在、厚労省検討会で解雇の金銭解決制度が検討されているが、大企業はリストラの時に現在30~40カ月分の退職上積み金を出しているので安くしたい。しかし中小企業は嫌がらせで自己退職に追い込むので、例え100万円でも金銭解決には反対なのである。日本の経営者はアメリカの解雇の自由化で搾取率を高めたいのであるが、それをやれば、やるほど国民経済は縮小再生産のサイクルを早めることになる。

 日本の経営者・財界は労働者の賃金を自分たちの利潤を減らすものと、一面的にしか認識できていない。重要なのは、賃金部分は最終消費としての個人消費という側面があり、国民経済の拡大再生産には、個人消費部分の継続的拡大が不可欠だと理解する事なのである。つまり国民経済レベルでの政策は、個別資本家の目先の利益から決別する思考が必要なのである。間違った思考方法が日本経済の低迷の原因なのだ。

 GHQの戦後労働改革は、強い労組を誘導することで日本経済の急速な復興を可能にした。しかし、それも労組の家畜化で資本主義の拡大再生産のための継続的賃上げは阻害された。経済成長には強い労組が不可欠だという、戦後労働改革の経済成長に果たす意義を、日本の経済学者と政治家は学ぶべきである。労働者と資本家は「対立面の統一の関係にある」したがって、解雇の規制緩和による労働条件の劣悪化は、資本主義の経済成長を阻害することを理解すべきである。

 マルクス経済学を日本の大学から一掃したことの付けが、日本経済に回ってきていることを指摘しなければならない。
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試用期間の悪用と違法な本採用拒否が増加!

 最近労働相談で目につくのが6カ月の期間雇用であるのに試用期間が2カ月とか3カ月ある契約、また1年の期間雇用であるのに試用期間が6カ月から最大1年まで延長できる契約を結ぶ企業が少なくないことです。また3ケ月の期間雇用で試用期間が3カ月もある違法な契約もあります。

 試用期間とは、期限の定めのない雇用契約で、労働者の不適格性を見るため普通3ケ月間の試用期間を定めている。つまり試用期間とは解雇権留保つきの雇用契約の事であり、期限の定めのない雇用契約は成立しているが、この期間内は「本採用拒否」という形で解約権が行使される場合があります。

 したがって期間契約での試用期間の設定は、契約期間内は解雇できない期間契約を、いつでも解雇できるように悪用するため試用期間を設定する例が多いのですが、これらは違法に近いものと判断できます。

 この期限の定めのない雇用契約における「本採用拒否」はどんな理由でも行使できるか、というとそうではなく、客観的に合理的理由があり、社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許されるのであり、したがって試用期間内の解約権の行使には厳しい制限があるということを覚えておくべきです。

 尼崎市の田能老人福祉会という名の雇用主は「試用期間の満了」と宣言して「明日から来なくて良い、来ても給料は払わない、これは解雇ではない」と「試用期間の満了」で解雇権を行使しました。「試用期間の満了」とは解雇権留保つきの雇用から解雇権留保つきがなくなり、完全な本採用になることを意味しています。

 さすがに後でこの間違いに気付いて、1カ月半後に無断欠勤での解雇通知をしてきました。田能老人福祉会の間違いはそれだけでなく、就業規則に1年の期間契約なのに試用期間を6カ月から1年まで延長できるようになっていたことです。

 事実田能老人福祉会は6カ月の試用期間を過ぎて、試用期間の延長もしないまま解雇権を行使してきました。つまり完全な違法解雇なのです。

 試用期間の長さは採用者の能力や勤務態度の評価を行うのに必要な合理的範囲のものでなければなりません。本採用を拒否されないまま試用期間が経過すれば「留保解約権」は消滅し、通常の労働契約に移行します。

 つまり尼崎の田能老人福祉会のように好き勝手に試用期間を延長したり、「試用期間の満了」で留保解約権が行使できるわけではないのです。試用期間はあくまでも期限の定めのない雇用でのみ設定できるのであり、期間3カ月の期間契約で3カ月間の試用期間等はあり得ないことで違法に他なりません。

 労働者は雇用契約を結ぶ時はこうした違法な試用期間がないかキチンと確認するようにして下さい。
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労働者かそれとも請負・委託の経営者か?

 実質は労働者なのに、形式上「非労働者」として扱われる人がたくさんいます。例えば「一人親方」や「業務委託」「請負」の形で働く人が増えています。経営者が社会保険料の負担を免れたい、労働時間規制を免れたい、という理由で実質的に労働者なのに「自営業者」のように扱われ、労災保険が受けられなかったり、厚生年金に入れなかったり、失業給付が受けられなかったりします。また消費税を免れるためにそのような偽装契約が増えています。

 安倍首相が「多様な働き方」と言って規制緩和を進めてきた結果でもあります。こうした「偽装請負」「偽装委託」を見破れずに、労基法や労働契約法が定める保護を受けられずにいる人が少なくありません。厚生年金逃れの雇用は朝日新聞によれば約200万人と言われています。

 形式上「非労働者」として扱われると労働基準法とその関連法、及び労働契約法が定める解雇権濫用法理(16条)労働条件の不利益変更法理(8~12条)等の保護が受けられず、しかも厚生年金も健康保険も雇用保険も受けられないのです。

 それでは労働者か、「非労働者か」を見分けるにはどうすればいいでしょうか。以下に簡単に書きます。
(1) 仕事の依頼の諾否の自由が無かったこと。
(2) 会社のパソコンや電話での指示、管理者の指揮命令の下で働いていたこと。
(3) 勤務表を定め、勤務時間が決められていたこと。
(4) 当該業務への専属性があり、他社では働いていなかったこと。
(5) 経費や材料費は会社が払っていたこと。
(6) 仕事で使う道具類・携帯などは会社から貸与されていた。
(7) 事業所得ではなく、給与として支給を受けていた。
(8) 収入が高額ではなく、労働者並みであったこと。

 上のような場合「偽装請負」「偽装委託」と判断でき、労働者としての保護を受けられます。実際には個々の「請負契約書」「委託契約書」と、実際の労働状態を分析し判断することになります。

 「偽装請負」「偽装委託」の場合「契約解除」はすなわち解雇となり、解雇権濫用法理(16条)で違法解雇かを判断することになります。しかし実際には「契約解除」で本人があきらめ、泣き寝入りしている例が非常に多いのです。

 したがって、契約書の形式だけを見て請負・委託と判断するのではなく、労働の実態から判断しなければなりません。ブラック企業のこうした偽装契約に労働者は騙されないようにしなければなりません。今の日本では、求人は7割以上が非正規であり、その何割かが偽装契約=「偽装請負」「偽装委託」です。芸能人や歌手は「個人事業主」です。しかし「非労働者」の大半がとても「個人事業主」とはいえない実態があります。

 政府が進める規制緩和のため、こうした詐欺的な雇用契約が、偽装の形で広がっているので、分からない点は新世紀ユニオンに相談して下さい。
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