新世紀ユニオン発行のニュース

トランプの中国依存の北朝鮮経済制裁は限界!

 アメリカと中国の閣僚級による「外交・安全保障対話」の初会合が、6月21日ワシントンで行われた。トランプ大統領はそれに先立ち、中国が北朝鮮の石炭の輸入停止等の対応策を取っているにもかかわらず、「成果が出ていない」と指摘し、対応が不十分だとの認識を示した。

 会談ではアメリカ側が、中国に北朝鮮との不正な取引の取り締まりを強めるよう求めるとともに、さらなる圧力の強化を迫ったのに対し、中国側は、アメリカが北朝鮮と早期に対話を始めるべきだと主張し、さらなる圧力強化には消極的な姿勢を崩していない。つまり双方の方針の違いが明らかとなった。

 中国は韓国に、北朝鮮と中国に近い文在寅政権が生まれたため、米日韓軍事同盟が機能しない可能性が高まっている中で、今以上の北朝鮮を怒らせる対応策はとらない。逆にトランプ政権はアメリカの学生が北朝鮮に拷問され死亡したことで、北朝鮮に強硬な世論が強まり、米・中が合意した100日の期限となる7月中旬を控え、中国側が取り組むべき制裁の具体的目標を詰める考えを示した。だが中国側は国連安保理で定められた制裁を既に実行していること、さらなる圧力には消極的な姿勢を崩していない。

 このまま北朝鮮経済制裁が尻抜けとなり、北朝鮮が核実験、もしくは大陸間弾道弾の実験に踏み込めば、アメリカは武力攻撃に踏み込む可能性が出てきた。

 中国の習近平は夏の北載河の幹部会議で長老たちを丸めこみ、秋の人事の党大会を乗り切れば、習近平の「党の核心」としての独裁支配が固まるので、それまでは平穏に対米関係を保ちたいところである。つまり習近平は北載河の幹部会議に向けて江沢民派を怒らせる対北朝鮮の密貿易を摘発しにくい状況がある。

 トランプ政権がロシアゲートで危機にある中で、北朝鮮から帰国した学生が死亡し、アメリカ国内に強硬な意見が台頭しており、武力行使の可能性が高まっている事を指摘しなければならない。戦争になればアメリカ国内は大統領支持で団結し、トランプは危機を脱することができる。

 アメリカの精密誘導兵器や、地中深くに貫徹し炸裂する核爆弾等で、半世紀前の中古兵器の北朝鮮軍等は、最初に通信施設やレーダー設備を破壊され、数日で壊滅する可能性がある。また、韓国への北からの地下通路やミサイル基地は地中深くへ貫徹する爆弾で潰される可能性がある。中国や北朝鮮はアメリカの国内情勢を読み誤ると後悔することになるであろう。
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北朝鮮の核容認か先制攻撃か? どちらも悪夢!

 トランプ政権が中国に与えた、北朝鮮への圧力の猶予期間が7月に切れる。しかしそれまでに中国の北朝鮮への圧力が核放棄につながると認める向きは皆無だ。事実今年初めから4月までの北朝鮮の対中貿易は急速に増大している。なぜこのようなことになるかと言うと、北朝鮮と貿易しているのが中国の習近平と対立している江沢民派であるからだ。

 つまりトランプの対中依存の対北朝鮮政策は成功しないのである。北朝鮮の金正恩が自信満々でミサイル実験を繰り返しているのは、アメリカが全面戦争につながる先制攻撃をする腹がないと見切っているからである。

 しかしアメリカの国防長官や国務長官が先制攻撃は無理と発言する中で、極東への空母3隻体制が進んでいるのは不気味だ。中国の北朝鮮圧力の猶予期間が7月に切れる中で、トランプ政権はロシアゲートで弾劾さえあり得る局面を迎えており、支持率も低下している。トランプが危機を切り抜けるため北朝鮮への先制攻撃に踏み切る可能性があり得る。

 アメリカは戦争になれば挙国一致となり、支持率も急上昇する国である。中国の北朝鮮への圧力が形だけで終われば中米関係は悪化する可能性がある。アメリカは北朝鮮との戦争が泥沼になることを考えれば北朝鮮への先制攻撃に踏み出しにくいが、トランプは誰も予想できない行動をとる。韓国と日本の被害が大きくとも北朝鮮の核放棄ができれば米中は半島の非核化と北の緩衝地帯化が維持できるので合意できる。しかし米中が北朝鮮の核保有を容認する道もあり得るのだ。

 この場合、日本は北朝鮮と中国の核恐喝を受け続ける事態になるし、トランプが大統領選中に言っていたようにアジアから撤退するなら、日本は安全保障上の危機に直面する。さりとてトランプが北朝鮮を先制攻撃すれば、日本に核ミサイルが飛んでくることになる。韓国は北朝鮮にとって同胞であり、大統領が太陽政策の人物だ。アメリカには北朝鮮のミサイルは届かない。北朝鮮が先制攻撃に反撃するのは日本以外にはないのである。

 そうした意味で日本は自立した強力な軍事力を早急に保持しなければならず。同時に「憲法9条は日本の宝」という野党の法的観念論を克服して、対米自立の防衛政策への戦略を実行しなければならない局面なのである。つまり日本は北朝鮮へのアメリカの政策がどう転ぼうと難しい事態(=悪夢)となることを覚悟しなければならない。
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トランプ政権の北朝鮮攻撃はまやかし?

 ロイターの4月27日の報道によれば、トランプ政権による米議会の議員全員への北朝鮮政策の説明は予想された攻撃の承認ではなく、確固たる戦略も示されなかったようだ。

 上院議員100名はホワイトハウスで、下院議員には議会で説明が行われた。説明はティラ―ソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官、米軍のダンフォード統合参謀本部議長の4人がおこなったという。

 参加した共和党議員は肯定的な評価だが、高い評価をする声は出ていないという。ボブ・コーカ―上院外交委員会委員長は「まあまあの説明だった」と評したうえで「説明を今日行った意味がよくわからない」と語り。上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長はトランプ政権の確固たる戦略について聞かれ「現在策定しているところだ」と答えたという。

 下院外交委員会のブラッド・シャーマン委員は、トランプ政権が北朝鮮の行動を抑制するために十分な措置を講じるという確信はない。「決意の度合いは非常に控えめで弱く、まやかしと言ってもいいぐらいだ。北朝鮮に十分な圧力をかける唯一の方法は、中国が圧力をかけるよう仕向けることだ」と語ったという。

 下院軍事委員会のマック・ソーンベリー委員長は、トランプ政権は北朝鮮が核開発を放棄するよう「さまざまな」手段を活用する積りだ、と述べ、全ての選択肢を検討するという方針に賛成する。「我々はこの地域で、ミサイル防衛を含め驚異的な軍事的存在感を示す必要がある」と語った。

 つまり、トランプ大統領の北朝鮮政策は「まやかしと言ってもいい」ぐらい北朝鮮攻撃の意思は弱いということで、未だ確固とした戦略さえ持っていないことが分かった。これでは中国も本気で北朝鮮に経済制裁を加えることはなく、したがって中国頼みのトランプ大統領の外交も成功はおぼつかないとみてよい。

 現在の朝鮮半島周辺の米海軍はとても「驚異的な軍事的存在感を示す」ものとはお世辞にも言えない。つまりトランプ政権は、今作成中の「確固とした戦略」ができない間はポーズだけと見ていい。アメリカは予想以上に衰退しているということかもしれません。
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トランプ米政権が米金融資本の戦略を破壊する?!

 トランプ政権はある意味、アメリカの中小の産業ブルジョア階級の願望と、失業したブルーカラー労働者の要望によって成立したと言える。TPPに反対し、北米自由貿易圏に反対する「アメリカ第一主義」は各国の大企業にアメリカに工場を建設することを要求している。トランプにとって仕事をどれだけ増やすかが公約を果たす目標なのだ。

 ところが、このトランプ政権の「アメリカ第一主義」の経済戦略が、アメリカ金融資本のドル支配の仕組みを破壊することになるのである。アメリカはドル発行益を独占し、世界中にドルを垂れ流し、世界一の債務国になったことで、ドイツや日本、中国などの貿易黒字国に米国債(財務省証券)を売り付けて、ドルを還流することで代価もなしに外国の資産を利用できるようになった。その為にはアメリカは自由貿易ルールを堅持しなければならない。

 ところがトランプは、この貿易赤字による債務国がいけない、貿易黒字を減らせと同盟国に要求している。つまりトランプは「アメリカ第一主義」でTPPに反対することで米金融資本の世界の貿易黒字国を搾取する仕組みに攻撃を加えているのである。

 だからトランプは、自由貿易に戻そうという米金融資本のグローバリストの巻き返しに直面している。ピーター・ナバロ国家通商会議議長等のナショナリストは最近は劣勢だと言われている。自由貿易は世界通貨としてのドルを持つアメリカの利益を推進するものなのである。

 つまり債務国としての地位はアメリカにとって弱点ではない。米経済学者マイケル・ハドソンは「超帝国主義国家アメリカの内幕」の著書の中で「アメリカの弱みと見えるものが、こうして世界の通貨・金融システムの基礎となった。このシステムをアメリカに不都合な具合に変えれば、アメリカへの融資国の破滅がもたらされるであろう。」と述べている。つまりトランプ政権はTPPに反対することで、このシステムを不都合に変えているのだ。米金融資本がそれを認めるわけがない。

 トランプ政権内で金融資本のグローバリストの巻き返しが起きて、トランプは経済戦略を変更することになるであろう、そうでないならトランプはスキャンダルを暴露されて追い落としにかけられる可能性がある。

 ヨーロッパや中国や日本が経済的破滅を恐れてトランプ政権内の経済戦略が変わることを願望している。米金融資本がトランプ政権の経済戦略の転換に成功しないなら、世界は大経済恐慌になる可能性がある。
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国家の形態が経済発展に影響すること!

 一般的に資本主義経済は民主的でなければ発展しない。日本は戦後のGHQの戦後改革で、経済改革で財閥を解体し、農地改革で地主階級をなくし、労働改革で労働三権を認め、司法改革で民主的な法制度を整えた。これが日本の戦後の急速な経済復興を可能にしたのである。

 小泉改革以後の規制緩和でこの戦後の国民経済を発展させるシステムを破壊したことが日本経済の縮小再生産(=デフレ)のサイクルに巻き込んだ原因である。

 いかに民主化が資本主義を発展させると言っても、戦後労働改革の経済に与える効果を台なしにすればデフレのサイクルは避けられず「失われた20年」にはまりこむことになった。

 北朝鮮は冷戦の産物である。戦後旧ソ連が社会主義改革をしようとしたが金日成が受け入れなかった。国名が民主主義人民共和国であっても本質は個人独裁の王朝であり、発達した奴隷制社会に他ならない。

 だから王朝の後継をめぐり、兄弟を暗殺し、中国の古代王朝のように暴君が部下をつぎ次に処刑する国家となる。個人独裁の王朝=軍事支配の下では資本主義は発展しないのである。

 また中国のような「改革開放」政策も取れない。新興ブルジョア階級の拡大は、奴隷制の大王としての個人独裁王朝を突き崩すからである。

 韓国は朝鮮戦争が中途半端に終わり38度線で休戦したために、日本の「戦後改革」のような革命的民主化がやられなかった。李王朝500年の奴隷制社会のしっぽが、ヤンバンの支配から財閥の支配に代わっただけで、財閥解体などの社会改革が行われなかった。

 この為経済危機になると大統領の首をすげ替え、さらには「反日」で国民の不満を日本に向けるだけの国家となった。

 このため韓国は経済危機の対策が必要な時に大統領不在となり、適切な経済対策が取れない社会となっている。韓国に必要なのは財閥を解体し、国民経済の成長が国民を潤す民主的な社会に作りかえることである。

 中国は、元社会主義の官僚独裁の資本主義国家であるが、社会主義の集団化の影響が残っているため所有制の制限で、内陸部では資本主義の発展は限界がある。習近平は民主派を弾圧し、権力的官僚支配へと移行している。資本主義は民主的な社会でないと発展しない。

 しかし官僚支配を守ろうとすると民主化はできず、経済危機を国家統制で一時しのぎしようとすると、なおさら資本主義は発展しない。

 安い労働力で世界の輸出基地としての経済は巨大な生産能力を持つようになるが、国家統制では資本主義のような企業倒産という形で需給関係の調整が自然にできない。

 巨大な生産能力を満たすため現在国家の金で大兵器生産を行っている。日本での公共事業が中国では軍需産業の肥大化を招き、外へ軍国主義の拡張的暴走が始まっている。

 以上が北東アジアの社会政治情勢で、これは国家の社会改革の程度で経済が制限を受けている事を示している。多くの人が「北朝鮮に生まれなくて良かった」「日本に生まれてよかった」と言うのは当然で、日本は戦争(第2次世界大戦)を徹底的に闘ったことで米占領軍が日本軍国主義の社会基盤を解体するために「戦後改革」を徹底的に行ったからである。これも一種の戦争の「歴史打開力」と言えるであろう。
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