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新世紀ユニオン発行のニュース

大学の有期雇用契約の弊害について

 有期雇用契約の多くは期間1年で、更新されるかされないかが、直前まで分からないために一般的に「不安定雇用」と呼ばれている。これは資本主義が産業循環の影響で活況・停滞・不況・中位の活況を繰り返すために、いつでも人員削除できる都合のいい雇用形態として作られた。
 この有期雇用が大学の研究者に適用された弊害は大きく、日本の研究論文数の激減、さらには人材の大量海外流出を招くことになった。雇用期間が短い不安定な雇用で研究成果が挙げられるわけもなく、しかも更新による有期雇用が5年を超えると無期労働契約への転換が申し込めることができ、雇い主はこれを拒むことができないため、5年の期間前の大量の雇止めを招くことになった。
 これによる日本の大学の研究力低下の弊害は非常に大きいものがある。雇用期間が1年~5年で研究成果が挙がるわけがなく、むしろ雇用を不安定にして研究に打ち込めなくしている弊害の方が大きい。
 2014年、青色発光ダイオード(LED)の発明と実用化に貢献したとして、中村修二氏など日本人3名がノーベル物理学賞を受賞しました。中村氏は徳島大学卒の研究者である。日本の大学には有能な研究者が地方大学でも多くいる。問題はその人材を生かせていないことである。特に大学の研究者の有期雇用はその最たる制度である。 これまで、有期雇用を対象とする独自の法律がなかったが2018年に「パート法」が法改正により「パート有期法」となり、有期雇用労働者にも雇用の際の労働条件明示義務(同法6条)が課せられるようになった。また事業主が講ずる措置の内容等に対する説明義務(同法14条1項・2項)が適用されるようになった。この説明時の記録を残すことは重要である。
 有期雇用は当初は、一時的・季節的な期間限定の事業や高度専門的事業や定年後の雇用延長時の雇用形態として導入されたが、いまやその制限がないに等しく、特に大学の教員の多くが期間雇用となっていることの弊害は大きい。
 有期雇用契約者の雇止めを阻止するのは非常に難しいが、方法が以下に記すように無いわけではない。
(1)期間雇用の期限が近づいた場合遅滞なく更新の申し込みをしておくこと。
(2)業務の内容が恒常的であることの証拠を残すこと。
(3)更新の回数、雇用の通算期間を記録しておくこと。
(4)面接時に継続雇用の期待を抱かせた証拠(録音)を残しておくこと。
(5)大学や会社に定年が定められている場合は期待を抱かせたことになること。
(6)他の有期雇用者が長年更新を繰り返されている等更新期待相当性があること。
(7)契約上の地位が基幹的で正社員と変わらない仕事の内容であること。
(8)期間の定めのない契約と異ならない仕事の内容であること。
 以上の8点についての証拠をそろえておくことは重要である。また雇用主との面談の折に、期限の定めの無い雇用契約への変更についての可能性や条件について質問して、録音しておくことは重要な証拠となる。
 雇止めの可能性がある大学の先生は早めに信頼できるユニオンに加入して、期限の定めのない雇用を勝ち取るための証拠作りを進めておくべきである。
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労働契約と請負契約の区別について

 近年、労働争議で審判や裁判で経営者側が「労働契約ではない」と主張する例が増えています。実際に請負契約になっていますが、それが偽装請負であり実際には労働契約である場合が少なくありません。

 当事者間で締結された契約が請負契約か労働契約か争われる例が増えています。労働契約である場合は、労働者は労働契約法や労働基準法の保護を受けられます。しかし請負契約(民法632条)や、有償の委任契約(民法643・648条)である場合には労務の提供を受ける側が、その都合により契約を一方的に解除できます。

 しかし労働契約の場合には労働契約法16条により、客観的に合理的理由を欠き社会的通念上相当であると認められない場合には解雇は無効となります。また労働契約の報酬には相殺をすることは労基法24条で禁止されています。請負契約や委任契約の場合は報酬の相殺が可能です。また労働契約の場合契約の違約金を定めることはできません。

 労働契約か否かを判断する基準は以下の点です。

(1)具体的仕事の依頼・業務従事の指示に対する諾否の自由の有無
(2)業務遂行上の指揮監督の有無
(3)勤務場所・勤務時間の拘束性の有無
(4)労務提供の代替性の有無
(5)報酬の労務対償性(報酬の計算が時間による場合指揮監督関係の補強要素となる)

 このほか事業者性の有無、専属性の程度、社会保険料負担の有無などが補強要素として存在しています。この中で一番重視されるのは(2)の指揮監督の有無です。

 労働審判でメールで指揮命令していたので労働契約と認められた例もあり、また委任契約と主張していたが報酬が給与とされていた点から労働契約と判断された例があります。

 つまり委任契約や請負契約書になっていても実際には多くが労働契約です。したがって委任契約書や請負契約書であってもそれに騙されてはいけません。偽装請負や偽装委任契約で違法解雇を正当化しようとする詐欺的な手法が多いのです。

 形の上では契約の解除が、実際には違法解雇である場合が多くあります。組合員の皆さんはこうした詐欺的手法を知ったときは、友人に新世紀ユニオンに加入して闘うように助言してほしいと思います。
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仕事上のミスを理由とする損害賠償

 最近仕事上のミスを理由に会社が第3者に賠償金を支払ったとして、損害賠償を請求されたり、損害賠償を分割で払い終わらないことを理由に辞めさせない、と言う損害賠償を足止め策に利用する運送会社も増えていますので書くことにします。

<仕事上のミスで損害賠償は生じない>

 会社は労働者がミスをしないような管理体制をしなければなりません。また保険に入るなどのリスクを減らす措置もできます。したがって基本的に労働者が意図的でない仕事上のミスで会社に損害を与えても、当然賠償義務は生じません。

 最近悪質な運送会社が慣れていない新入社員に細い道路を通らないと配達できない地域に配達させ、交通事故を口実に、分割払いを払わないうちは辞めさせないという手法が増えています。

 労働者は通常求められる注意義務を尽くしていれば、日常的に発生する損害については賠償義務は発生しません。

<損害賠償義務が生ずる場合でも損害額の一部を払えばよい>

 労働者側の過失の度合いでは、損害賠償が認められる判例もありますが、その場合でも労働条件・勤務態度・会社の管理体制・労働者の資力・労働条件の劣悪さ・労働者への教育などが総合的に考慮されるので、労働者の生活が成り立たないような高額な賠償額となることは無い。

 <損害賠償金を一方的に賃金と相殺することはできない>

 強制ではなく労働者の自由な意思に基づいて賃金と相殺することを同意した場合は賃金から天引きできる。使用者から半ば強要されるような場合は「自由な意思」とはならないので同意しないようにすること。

<交通事故を口実に解雇してくる場合がある>

 新世紀ユニオンが扱った事案では、会社構内でテールランプが壊れる事故を口実に解雇してきた事案では、解決金300万円を会社が支払うことで和解した例がある。しかしひき逃げなどの運転手としての被害者救済の義務違反をした場合は懲戒解雇も有り得る。

 この場合も労働者側の注意義務違反の度合い・あるいは過失の度合いが重要な判断要素となります。

<賠償金の支払いを口実に退職させないのは不当>

 一部の悪質な運送会社は、わざと接触事故が起きやすい場所になれない労働者を配置し、接触事故を口実に、賠償金の支払いが終わるまで退職させない、という会社もある。そもそも教育もせず狭い道路の配達先に配属する方が悪いのであり、保険もあるのだから、労働者には損害賠償義務もない。

 したがって会社が、賠償金支払いを口実に退職させないのは違法である。仮に損害賠償義務がある場合でも、退職の自由は侵害されない。

 定年まじかの労働者を営業に配置換えし、顧客側と結託し、「ミスをして損害を与えた」として退職勧奨し、退職金を半額にする例もある。また労働者側の退職金請求訴訟に対し、会社側が損害賠償請求の反訟を起こす場合もある。この会社側の反訴が根拠のないものである場合、反訴の提起は不法行為となる。

 現代は詐欺師が横行する時代であり、ブラック経営者が少なくないので、労働者が日頃からユニオンに加入して、証拠を残し、雇用を守るようにしないといけない時代です。
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職種限定の労働契約について

<職種限定の労働契約>

 労働者と使用者との間での労働契約で、一定の職種を限定する合意をすることを職種限定の労働契約と言います。この職種限定の労働契約であると、使用者は職種を変更する場合、労働者の合意がないと他職種への配置転換をすることができなくなります。

 使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対し労働条件を明示しなければなりません。(労基法15条)しかし同契約書に書かれている業務内容が「職種限定」になるわけではありません。

 「職種限定」になるには特殊技能を要する職種に限られます。例えば医師・看護師・自動車運転手・クレーン操縦士・船長・パイロット・調理師・外国語通訳、等特殊の技術、技能、資格を持つ場合、労働者と使用者との間で明示又は黙示の職種限定の合意が成立していると見なされます。

 アナウンサーなどを長期間従事していても職種限定が認められるわけではありません。しかし職種・部門限定の社員や契約社員、期間契約社員は職種限定が認められやすいと言われています。

 就業規則に配置転換が定められていても、個別の職種限定の労働契約がある場合は職種限定の合意が否定されることはありません。しかしその職種の業務が廃止されるようなときは、解雇回避措置として、他の職種への配置転換が可能になる場合があります。

 部門限定社員や契約社員や外資系社員における高度専門職(トレーダーなど)の場合、解雇回避措置など、他部門への配置転換を行わなくとも解雇できる場合があるので注意してください。
<勤務場所限定の労働契約>

 雇用契約において労働者を一定の勤務場所に限定して配置する旨の合意がある場合、使用者が勤務場所を変更することは労働条件の内容を変更することになるために、使用者は労働者の合意を得ない限り他の勤務場所への配置転換を命ずることはできません。

 したがって労働契約締結時に勤務場所限定を労働契約書に明記しておくことは配置転換を拒否する根拠になります。

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男女賃金格差で日本はG7の中で最下位

 世界各国は、今も女性の賃金が男性に比べて低いという共通する課題に直面しています。OECD=経済協力開発機構は去年までの入手可能なデータをもとに男女間の賃金格差を比較しています。それによりますと、OECD加盟38か国の平均では男性の所得と女性の所得の差は11.9%だとしています。

 最も賃金格差が少ないのはベルギーで1.2%、次いでコスタリカが1.4%、コロンビアが1.9%、そしてノルウェーが4.5%となっています。一方、G7=主要7か国でもドイツが13.7%、イギリスが14.5%、アメリカが17.0%とOECD平均よりも格差が大きくなっています。

 日本は男女間の賃金格差が大きく、21.3%と主要先進国G7の中で最下位となっています。

 2023年のノーベル経済学賞の受賞が決まった米ハーバード大のクラウディア・ゴールディン教授(=女性)は労働市場における男女格差の原因についての研究が評価され今年のノーベル経済学賞を受賞しました。

 彼女は、受賞の会見で日本の女性の労働参加率について「10~15年前は本当に低かったが、今やアメリカより高い」と指摘。「驚くべきことをやってのけた」と評価した。そのうえで、労働時間や賃金などの面で男女格差が残るとしてさらなる改革の余地があるとの認識を示しました。

 ゴールディン氏はさらに日本の女性の労働時間が短いと指摘し、「男性のように終身雇用されるような仕事に就いていない。女性を労働市場に参加させるだけでは十分ではない」と述べました。つまり女性がパート労働などの低い賃金の短時間のパート労働しかやらせてもらえない点を改善点として指摘しました。

 日本の女性労働者であるなら少し勤続が長くなると、上司が「いつ結婚して辞めるのか?」「長く働きすぎ」と退職を促された経験を持っています。また女性は仕事でも差別され、お茶くみや、単純な仕事しかやらせてもらえません。

 賃金は男性よりも3割から4割も低く、男であるというだけで無能な男性が昇給昇格しても、女性は差別され続けます。

 日本は憲法や法律面では男女平等でも、実際には非正規雇用や、一般職と専門職で事実上差別される仕組みになっています。今年のノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディン教授がこうした日本の法制度は見せかけだけ平等であっても実際面で男女差別が温存されている点を改善点として指摘したことは大変重要な事であり、高く評価したいと考えています。

 新世紀ユニオンはこれまで「男女の賃金差別反対」「同一労働同一賃金の厳守」を求めて活動してきました。また非正規労働や一般職という職場の制度で、差別が今も温存され、女性労働者が安上がりの使い捨ての労働力として位置づけられていることに反対してきました。

 この運動は女性自身が声を上げなければなりません。ユニオン・ニュースへの投稿などで世論を高めていく必要があります。

 女性労働者が職場から声を上げる必要性があります。いつまでも男女差別賃金を温存させてはいけないのです。女性組合員を拡大し男女差別賃金、差別雇用制度を無くさねばなりません。

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