新世紀ユニオン発行のニュース

労働者性を曖昧にする偽装請負・委託

 最近月6万5千円で労働時間の定めもなく際限もなく働かされている、という労働相談がありました。この女性は雇用契約書もなく、したがって労働時間の定めもありません。弁護士に依頼して労働審判を闘うと、相手企業は「雇用契約ではない、業務委託だ」と主張してきました。
 このように雇用契約を「請負」や「業務委託」と言いくるめくことで、最低賃金法違反や労基法違反を潜り抜けようとする会社が増えています。そのうえ、これらの悪徳企業は「請負契約書」や「業務委託契約書」をも本人に交付していません。つまり就職にあたってキチンと交渉せずに、あいまいな口約束で働くと、酷い目に合ってしまうという事例が増えています。
 つまり、最近はフリーランス(自由業)という働き方が増えており、「請負」や「委託」は契約書がある場合はその労働者性が否定される場合があります。この労働者性の基準は「使用されていること」(=使用従属性)と「給与の支払いを受けていること」(=労務対償性)が立証されれば、それは偽装請負もしくは偽装業務委託と判断できます。
 さらに詳しく述べるとこの判断には契約書の文言・募集の内容なども関わってきます。まとめると以下の諸点に注目して下さい。
(1)仕事の依頼などの諾否の自由があるか
(2)指揮命令があるか、勤務時間勤務場所が決められているか
(3)その業務への専属性があるか
(4)経費等の負担を会社がしているか
(5)事業所得としての申告をしているか、給与所得か、雇用保険、厚生年金、健康保険の徴収をしているか
 一般的に請負・業務委託は、労働者の賃金より料金が多いのが普通で、最低賃金以下の請負や業務委託は最低賃金法を潜り抜けるための偽装と判断してよいでしょう。
 新世紀ユニオンの経験でも、労働審判で会社側が「業務委託」を主張していた事案で、書面に「賃金」と記載されていたので審判委員が雇用契約だと判断した事例があります。
 労働者は就職する時に偽装請負ではないか?偽装業務委託でないかをキチンと確認する必要があります。そうでないと「請負」や「委託」の場合、雇用保険、厚生年金、健康保険等がないから、働くのは不利になります。この点について分からない点はユニオンに聞くようにしてください。

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安倍政権の「働き方改革」の狙いとすること!

 通常国会に政府が提出し、成立を狙っている「働き方改革」関連一括法案(8本)は本当に労働者のために働き方を変える法律なのでしょうか?

 安倍政権の「働き方改革」は聞こえはいいものの中身はとても「改革」といえたものではありません。以下具体的に見ていきます。
<高度プロフェショナル制度>

 年収1075万円以上の「高度専門職」について、労基法の規制を適用除外し時間管理もせず残業代も払いません。政府の狙いはこの「残業代ゼロ法案」を徐々に拡大し、やがては労働者の残業代を払わない制度を狙っています。事実財界は法案成立後に年収要件や指定業務を緩和するよう政府に要求しています。つまり残業代を払わなくて良いように規制を段階的に緩和するものです。
<残業時間の上限設定>

 36協定で残業の時間が青天井なのを、「上限を決める」として休日労働を含め2~6カ月平均で月80時間以内、単月で100時間以内まで残業の上限を認める法案です。

 この法案が通ると事実上残業時間が月100時間まで増えることを多くの労働者が心配しています。「上限設定」といえば聞こえがいいのですが、実際は長時間労働を合法化し拡大する規制緩和です。
<解雇の金銭解決制度>

 解雇の金銭解決制度とは違法解雇で会社側が負けても会社がお金を支払えば合法的に解雇できる制度です。現状では違法解雇が裁判で明らかになれば未払い賃金を払い、原職に復帰させねばなりません。

 この制度ができるとユニオン等の活動家を狙いうち解雇し、裁判で負けても金を支払えば職場から追放できる制度であり、事実上労働組合法の不当労働行為の制度が空洞化します。すなわちこれは戦後「労働改革」の骨格の不当労働行為制度を廃止するものであり、成立すると日本資本主義は市場規模の縮小の度を増すことになり、国民経済にとって重大な打撃になります。

 このほか安倍政権は「同一労働、同一賃金」と言いながら「仕事・役割・貢献度に応じて処遇すべきだ」という財界の主張をいれ労働者の賃金格差を温存する欺瞞的「同一労働、同一賃金」を入れようとしています。

 安倍政権がいまだに「強欲の資本主義」の政策である規制緩和を進めているのは、搾取率を高め、分配率を下げれば下げるほど、資本主義経済に打撃となることを理解できていない為、ただひたすら個別企業の利益を追求しているのです。

 企業の個別資本家の利益と、資本家階級全体の利益とが対立するということが経斉理論的に理解出来ないゆえに起きるブルジョア政治家の誤りなのです。したがって安倍政権のこの「働き方改革」関連一括法案が通ると、日本経済は今以上にデフレがひどくなり、労働者の待遇は一層悪化することになります。

 したがって新世紀ユニオンは「働き方改革関連一括法案」に断固反対します。
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闘いはまず証拠を固めることから始めよ!

 新世紀ユニオンでの17年間の無料労働相談の経験から言えることは、労働者の闘いはまず証拠を固めることから始めることもっとも重要だということです。

 パワハラであれ、セクハラ、マタハラ、退職強要、全ての闘いに段階性があります。第一段階は録音等の証拠を(穏密に)集めること。第二段階は質問書面等で証拠書面を残すこと。会社が攻撃をエスカレートさせたら裁判で追いつめること。解決を急ぐ場合には団体交渉で和解を目指すこともできます。

 こうした決定的証拠を残さず、無駄な感性的抵抗で仕事を放棄して退社したりすると、闘いは圧倒的に不利になります。抵抗するということは重要な事ですが、闘いの戦略戦術に基づいて段階性を踏まえないと、出勤率の悪さが解雇裁判では不利になる場合もあるのです。

 また就職時の契約書の交付や雇用形態の確認、就業規則の確認をせず、あいまいな形のままで入職することは後から偽造書面を作成され、裁判で不利になる場合もあります。契約書を交付しないようなブラック企業には初めから就職しないという判断をすることも必要です。

  本来雇用契約は対等の法律関係なのですが、労働力を売るという行為は一定時間、相手の会社で支配従属関係の下で働くことになります。

 知らない間に奴隷根性が身に付き、対等の法律関係であることを忘れ去り、会社幹部が懲戒解雇をちらつかせて「いまなら退職届を書けば自己退職にしてやる」と言われれば、退職届を書いてしまうような例も数多くあります。たとえ働いている時でも労働者としての誇り、対等の法律関係の下で働いていることを忘れないことが重要です。

 労働者は解雇になると食べていけません。立場が弱いので日頃からユニオンに加入して労働者としての必要な知識を身に付けていかねばなりません。

 一度闘いが始まるとユニオンと認識を統一して指導に基づいて行動するようにして下さい。指示されたことを放置するようでは闘いに勝てません。

 ブラック企業との闘いは第一段階でのパワハラや退職強要の「録音」などの証拠が決定的に重要なのです。

 最近の解雇はアメリカ式の即日解雇が多いので、解雇されてから「録音」は不可能です。常日頃から上司の発言や暴言を「録音」に残すように心掛けてください。録音はキチンとメモに日時・誰との対話かをメモしておくようにして下さい。
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解雇裁判で必要な証拠について!

 最近は日本でもアメリカ並みに突然解雇して、その場で退社させる「即時解雇」が増えています。ですから解雇を言われてから証拠を集めることができません。常日頃から不当な解雇に備え証拠を準備しておくことが重要となります。

 解雇には「普通解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」がありますが、最近はパワハラやセクハラで自己退職に追い込む、という手法や脅迫して退職届を書かせる手法も増えています。ですから証拠はそれらを考慮して幅広く集めていかねばなりません。

(1)労働契約に関する証拠
会社案内・求人票・会社の求人広告・雇用契約書・就業規則(懲戒規定や賃金規定や退職金規定も含む諸規程)社内労組の協約、入職時の面接の録音

(2)解雇の種類が分かる証拠
「解雇通告書」・「懲戒処分書」・「解雇理由証明書」(労働基準法22条)解雇理由に関する上司との対話の録音・解雇に関する社内メール・会社のリストラ計画書・仕事のミスに関する文書(始末書や顛末書など)

(3)平均賃金や賞与を算出する証拠
「給与明細」「給与辞令」「賞与明細書」「前年度の源泉徴収票」「離職票」

(4)会社のでっち上げの解雇理由を崩す証拠
勤務成績・営業成績のランク表・「人事評価書」・表彰を示す書類・「昇給を示す書面」・「昇進を示す書類」・業務をめぐる上司とのメール・欠勤時の診断書のコピー・解雇通告時の録音・勤務成績や労働能力について問題がないことを示す書類。(職場の仕事の勤務表・交代勤務リスト等)仕事の上での顧客や上司とのトラブルについては、日ごろからやり取りのメールや書面を残しておくこと、後から何年もさかのぼって解雇理由にして来ることがある。

(5)整理解雇の場合の証拠
人員削減に関する掲示の写真や通知書面・回らんのコピー・人員削減の必要性に関する書面・解雇を回避努力に関する書面・過去の分を含む貸借対照表・損益計算書・決算書類・営業計画・新規採用を示す書類・有価証券報告書・会社の財務資料等

 このほか元同僚・得意先等の自分に対する人物評価や仕事ぶり・労働能力に関する陳述書などが必要になる場合もあります。

 解雇裁判では原告をこき下ろしたり、トラブルメーカーに仕立てたり、ミスやトラブルなど様々な理由を出してきたりと、後付けで問題をでっち上げてきます。ですから日頃から上司との面談は記録を残すようにした方がいいです。
 
 
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解雇・退職をめぐる問題で重要なこと!

(1)労働契約終了の種類

 解雇・「試用期間の終了」・「合意退職」・「辞職」の区別と関連をはっきりさせることが、解雇問題の最初に重要な事です。

 使用者(会社)からの労働契約の解約が解雇です。ところが解雇だと言いながら退職勧奨合意書にサインさせられると「合意退職」になります。懲戒解雇だと上司が脅しながら、退職届を書けと言われて書くと「辞職」=(自己退職)になります。

 上司に「辞めてくれないか」と言われても、この段階では退職勧奨なのか、合意解約なのか、それとも解雇を考えているのか、まだ分かりません。この時点で重要なのは「私は辞める気はありません」とはっきり言明することです。

 上司に「お前のやったセクハラは懲戒解雇相当だ。本日で解雇です。しかし自己退職にしてやるから退職届を書け」と言われて頭が真っ白になり書いた場合。「心理留保」「錯誤」「詐欺・強迫」であり、本人の意思ではない、として取り消しておけば闘えなくはありません。但し裁判では会社側はそのような発言はなかった、として主張して来るので証拠が重要になります。
(2)解雇を容認してはいけない。

 解雇だと言われたので、認めないと言って帰ったが、以後出社しなかった場合裁判所は労働者が就労意思を放棄したとして、解雇が無効であっても賃金請求権を認めないことになります。解雇されても出勤し、追い返されたら書面で抗議しておけば闘えます。また内容証明郵便で違法解雇を抗議し、解雇は認めないが、無用の混乱を避けるため出社を控える旨通知しておけば、解雇を容認した事にはなりません。

 また解雇を認めないのであれば退職金を受け取ってはいけません。振り込んできたらユニオンに相談し、書面で返済の口座番号を聞くなり、解雇以後の賃金として受け取る旨通知しておく必要があります。「解雇予告手当」を要求したり、雇用保険の手続きをすると解雇追認行為と取られます。しかし「離職票」を受け取ることは解雇の追認にはなりません。失業給付は訴状提出後「仮受給」する事になります。
(3)解雇理由を特定する。

 解雇されるとユニオンの指導で「解雇理由証明書」の発行を会社側に求めます。解雇通告書に簡単に書いている場合が多いのですが、キチンと解雇の種類と詳しい理由を特定しておくことが重要なのです。解雇には「懲戒解雇」「普通解雇」「整理解雇」があります。

 懲戒解雇は就業規則に定められた懲戒権に基づく解雇です。普通解雇は使用者からの労働契約の解約です。整理解雇は経営上の理由から余剰人員削減の解雇です。闘い方が違ってきますので「解雇理由証明書」の発行が重要になります。特に懲戒解雇の場合「懲戒解雇理由書」に書かれた理由以外は追加できないからです。

 しかし現在裁判中のフーマワタナベの解雇事案では、解雇した後で分かったとして高速道路のETCカードの不正利用をでっち上げてきています。解雇理由証明書に記載されていない内容での裁判は大変珍しく、裁判官の中には後から追加された理由は評価しないと言う人もいます。

 普通解雇の特徴は協調性がない、とかつまらない難癖を様々付け加えてくるので、日ごろからの証拠の収集が重要になります。

 次に重要なのは証拠の収集ですが、これは次回に書くことにします。
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