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新世紀ユニオン発行のニュース

職種限定の労働契約について教えて?



 私は病院の院内保育所で保育士として雇用されました。しかしこの度病院が保育所を外注化するために、私は老人介護の職場に配置転換の命令が出ました。私は保育士としての仕事に生きがいを持っていましたし、保育士として雇用されました。

 この場合職種限定の労働契約にはならないのでしょうか?職種限定の契約であれば外注先に出向で保育の仕事ができるはずだと思うのですが・・・?職種限定の労働契約について教えてください。



 職種限定の労使の合意とは、労働者を一定の職種に限定して配置する旨の合意を言います。職種限定の合意がある場合、職種を変更する場合は労働者の合意を得ない限り、他職種への配置転換を命ずることはできません。(労働契約法第8条)

 ではどのような場合職種限定が認められるのか、というと、労働条件通知書に「従事すべき業務」が書かれていても、それは採用直後の当面の業務内容ととして記載されているので、労働契約書に業務内容が明示されていても職種限定の合意が成立しているとは認められません。

 一般的に医師・看護師、自動車運転手などの特殊な技術、技能、資格が必要な場合、使用者と労働者の間に明示、又は黙示の職種限定の合意が成立し得る、と考えられます。ですから相談者は保育士の資格を持っているので、職種限定の労働契約が成立していると言えます。

 ですから、院内保育所が外注化される場合、やむをえない理由にされる可能性があります。しかし外注先に出向という形で雇用が保障されるべきであり、その方向で経営者に善処を求めることができます。

 つまり職種限定の合意が成立している以上、別職種への配置転換は本人の合意がなければできません。その場合、出向で保育職の雇用を保障する義務が使用者にはあります。その努力をせずに別職種への配置転換を命ずることは違法です。ましてや、配転命令拒否で解雇することは違法解雇となります。

 ただし、配置転換拒否に対する裁判所の判断は、総じて使用者側に有利な判断が多いので注意が必要です。異業種への配置転換が出た場合、あくまでも保育士としての職種限定の暗黙の合意が存在していることの指摘をして、出向による解決を求めるように交渉したほうがいいと思います。参考にしてください。
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懲戒解雇の理由で普通解雇がありえるのですか?




 私は以前会社に解雇されたことがあります。そのときは解雇理由には就業規則違反がが並べられていましたが、会社の解雇通知には「普通解雇」となっていました。懲戒解雇の理由が並べられている場合も普通解雇が有り得るのですか? 懲戒解雇と普通解雇はどのように違うのですか? 教えてください。




 解雇には、懲戒解雇と普通解雇があります。普通解雇とは労働能力に欠ける場合などの民法627条1項に基づく労働契約の解約の申し入れであるのに対し、懲戒解雇の場合は、就業規則の禁止規定違反を理由にした、企業秩序違反に対して、使用者が課す懲戒処分であり、制裁罰です。したがって懲戒解雇と普通解雇は本質的に異なる解雇です。

 つまり懲戒解雇の意思表示に、普通解雇の意思表示が含まれることはあり得ません。懲戒解雇と普通解雇はその有効要件も異なっています。つまり懲戒解雇の意思表示としか認定できない場合、普通解雇としてその有効性を判断することは許されません。

 ただし解雇理由に「労働能力がない」ことと、就業規則違反が併記されている場合は、懲戒理由があっても、経営者が「労働能力がない」ことを解雇理由として重視している場合は、普通解雇が有り得るので注意が必要です。

 裁判では懲戒解雇なのか普通解雇なのか、あるいは懲戒解雇であるが予備的に普通解雇を主張しているのか、について明確にさせることが必要です。

 念のために懲戒解雇の有効要件を書いておくと、以下のとおりです。
<懲戒解雇の有効要件>
(1)就業規則に根拠規定が存在すること
(2)懲戒処分時に処分の理由として使用者が認識していること
(3)懲戒権濫用でないこと(相当性があること)
(4)懲戒の手続き違反がないこと(弁明の機会が付与されたか? など)
<普通解雇が無効となる場合>
(1)普通解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当として是認できない場合無効となります。ゆえに労働者側は普通解雇理由が解雇権濫用であることを主張し、立証することが重要です。
(2)解雇権濫用法理が問題となる場合、使用者の解雇理由が認定できるか、それが客観的に合理的な理由と言えるか、社会通念上相当と言えるかが焦点になります。

 以上参考にしてください。
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職場で起きている「変なこと」?



 私の友人は部門閉鎖で配置転換されましたが、実は部門閉鎖は嘘で、本社も知りませんでした。

 また別の友人は会社から休職を命じられて休職手当を支給されていましたが、突然休職手当が支給されなくなり、自分が解雇されたのか?それとも休職が続いているのかわからないそうです。

 このようなことはなぜ起きるのですか?教えてください。



 厚生労働省は様々な補助金を企業に支給しています。人材確保等支援助成金、事業継続助成金、雇用調整助成金などその数は20以上あります。これはコロナ禍での企業を支援するための政府予算のバラマキですが、特に雇用調整助成金は支給条件が緩やかなので、企業の不正請求がたくさん出ています。

 企業が解雇を回避するために、従業員を休職させることで賃金の6割を休職手当として支給すれば(これも違法で実際には100%支給しなければなりません)最大一人一日1万5000円政府から助成金が支給されます。

 部門閉鎖したことにし、また休職したことにして助成金をもらいながら、辞めさせれば二重の儲けになります。つまり配置転換の人も、休職手当を打ち切られた人も、実は会社はその人たちの雇用調整助成金をもらい続けている例が多いのです。

 ただし助成金をもらっている企業は表向きは解雇をできません。ですから休職していることにしなければなりません。配置転換や休職手当打ち切りという形で、実は雇用調整助成金をもらい続けている企業が多いのです。つまり職場で起きている「変なこと」は、雇用調整助成金の不正請求であると見ていいのです。

 厚生労働省は、最近企業が助成金の不正請求を厚労省の調査の前に申告すれば、企業名は公表しないことを発表しました。犯罪企業があまりにも多く、不正請求の企業名を公表したら企業が困るので、このような「変なこと」を決めたのです。

 政府のブラック企業擁護は際限がありません。労働者が煙草を買うために、売り上げから100円借りても、懲戒解雇ですが、企業が何億円も不正請求しても名前も出さないのですからひどい話です。

 このように、今職場で起きている「変なこと」は、すべて政府の助成金の不正請求がらみと見ていいのです。

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職場のパワハラでうつ病になりました




 私は女性で、流通関係の会社(=子会社)で仕事をしていましたが、パワハラでうつ病になりました。会社に報告すると配置転換が示されましたが、配転先が男性ばかりであり、主治医の話ではうつ病にはよくない、と言われました。私はどうしてよいかわかりません、教えてください。



 労働契約法第5条は(労働者への安全への配慮)について以下のように定めています。「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をするものとする。」

 つまり相談者がパワハラでうつ病になった場合、会社の相談窓口に相談し、加害者への指導・教育・処分(=再発防止措置)を行い、それでもパワハラがやまない場合、加害者を配置転換すべきであり、被害者である相談者を配置転換するという会社の解決方法は間違いです。

 対処法としては、パワハラに関する就業規則を調べること、特にパワハラが業務上の必要性があったか?違法な人権侵害か?労働者側の被害・不利益の状態?パワハラの狙い?で判断しなければなりません。多くのパワハラは助成金狙いの退職強要として行われており、この場合違法な目的の人事権の濫用、人権侵害行為となります。

 具体的に書くと肉体的精神的暴力、仕事の取り上げ、他の人間関係からの隔離、労働者の知識・能力・経験・適性に対するふさわしい処遇でない場合、一方的賃下げなどが人事権の濫用となります。

 会社はこれらのパワハラを防止する義務=管理者責任があり、再発防止措置を取らねばなりません。つまり、使用者として加害者への指導・教育・処分を行う管理義務があります。

 被害者である相談者が、主治医が「病気には良くない」配置転換を行うことじたいがパワハラです。相談者はすぐにでも信頼できるユニオンに加入して、団体交渉で管理者としての対応を求めるべきです。

 つまり、会社には、就業環境配慮義務・いじめ防止義務があります。団体交渉で解決できない場合は、加害者への人格権侵害の損害賠償請求の民事裁判で争うこともできます。

 一番いいのは、加害者を職場から移動させること、それが難しいのであれば、うつ病が悪化しないうちに解決金で退職=転職することも選択肢とした方がいいでしょう。

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使用者責任はどのような場合に問えますか?



 私は職場で同僚から些細なことで暴力を振るわれました。しかし会社は暴力を振るった同僚の行為を放置しています。このような場合使用者である会社の責任は問えますか?使用者責任について教えてください。



 社員の行為によって会社が責任を負う法的根拠としては、民法715条で「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。また労働契約法第5条は「労働者の安全への配慮」を定めています。つまり会社は従業員が就業するにあたり安全配慮義務を有しています。

 同僚が職場で同僚である相談者に暴力を振るったことについては会社に管理責任があり、会社は暴力の加害者を就業規則に基づき処分を行い、金銭的償いと同時に再発防止を行う義務があります。従って会社は暴力行為について申告があった場合は、調査し、適切な処置を行う義務があります。これを民法上の使用者責任あるいは、安全配慮義務への管理責任と言います。

 新世紀ユニオンでは関西学院大学での社会学部教授による暴力行為の被害の教授が、加害者との間で和解したにもかかわらず、職場で意趣返しのパワハラを受けていた事案では、関西学院大学に暴力行為の加害者教授に就業規則に基づき処分と意趣返しをやめさせるよう求め団体交渉を申し入れました。

 団体交渉では大学側は調査して適切に対処することを約束しましたが、その後大学側は弁護士3人による調査委員会を組織し、調査の結果、暴力をなかったことにしました。医師の診断書もあり、加害教授の謝罪文があるのに大学側は隠ぺいし、したがって意趣返しも否定しました。

 このように雇用関係を結ぶ法人は使用者責任や安全配慮義務があるにもかかわらず、ユニオンが責任を追及すると、暴力行為そのものを否定することで隠ぺいすることが少なくありません。これは民法715条の使用者責任の放棄であり、安全配慮義務違反の無責任な行為と言うほかありません。

 この事案では、新世紀ユニオンは関西学院大学に損害賠償は求めておらず、再発防止のために暴力の加害者への1週間の出勤停止処分と、意志返しのパワハラをやめさせることを求めただけなのに大学側は全てを隠ぺいする道を選びました。
これは使用者責任の放棄であると共に、管理責任の放棄というべき事でした。法学部を持つ大学がこの体たらくですから、相談者の会社が暴力に知らぬ顔を決めこむのは世間では多くあることです。

 この事案では暴力の被害者が穏便な解決を求めたので、当ユニオンは和解案を提起しましたが、大学はまともに回答もしませんでした。

 相談者はまず会社に暴力行為についての報告と、使用者としての就業規則に基づく加害者への処分などの再発防止の措置と、被害者への謝罪と賠償責任を果たさせるよう書面で求める必要があります。会社の組合がある場合は労組の幹部に相談し、ダメな場合は信頼できるユニオンに加入して団体交渉を行うのがいいでしょう。

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