問
私は会社から就業規則の査定条項に基づき、今年の4月から15%賃下げされました。私の仕事は事務ですし、成果が分かりにくいのですが、どうして賃下げになるのか理解できません。賃金査定条項に基づく賃金額変更は、どのような場合違法となるのかわかりません、教えてください。
答
人事査定は就業規則の人事考課制度に基づき人事責任者の裁量的判断にゆだねられており、査定権限を有する地位、多くは担当課長が人事考課制度の枠内で査定を行います。どのような人事考課制度にするかも実は査定権者にゆだねられているのですが、しかしだからと言って自由に査定できるものではありません。
査定は公正かつ客観的な人事考課制度に基づいて公平に行うべきであり、査定の基準や手続きが不明確である場合、その制度自体が公平性・客観性が乏しいものとされ、これに基づく査定も裁量権の濫用となり、違法と判断されます。
相談者は、査定を行った管理者に、どのような査定基準に基づいて、どのような手続きで査定したのか書面(コピーを取っておく)で説明を求めるべきです。相談者の場合15%も賃金が減額されており、その減額率の大きさから、査定裁量権の濫用の可能性が高いと思われます。
労働基準法第91条では、1回の懲戒処分事案での罰金=減らせる金額について、1日当たりの平均賃金の半分以下にすることを定めています。それから見ると月額15%の賃金減額は非常に大きく、査定裁量権の濫用の可能性が高いのです。
また相談者は他の同僚の査定がどのようなものであったかを調べておく必要もあります。公平な査定であるかを判断する場合、平均査定額や最低査定額を調べておくべきです。もし恣意的な裁量権の濫用を疑う場合、その隠された狙いについても証拠を探しておく必要があります。
こうした調査の上で、社内の苦情窓口へ問題を持ち込むか、もしくは労働組合を通じて団体交渉で解決できると思われます。参考にしてください。
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