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新世紀ユニオン発行のニュース

◆一方的賃下げにどう対応するか?

一方的賃下げにどう対応するか? 最近の労働相談で目立つのが、会社に一方的に5万円も賃下げにされた、どう対応すればいいですか? という相談です。

 共通しているのが、会社側が賃下げの理由を本人に説明もせずに一方的に賃下げしていることです。

 覚えておいて欲しいのは労働契約上の根拠がない一方的な労働条件の変更は違法だという点です。

 しかし、賃下げにも色々なパターンがあります。

(1) 会社が就業規則を変更して賃下げする場合
(2) 組合と労働協約を締結することで賃下げする場合
(3) 契約上の根拠のない一方的賃下げの場合
(4) 懲戒処分としての降格による賃下げの場合
(5) 役職・職位の引き下げによる賃下げの場合
(6) 職能資格制度における資格や等級の引き下げによる賃下げ
(7) 年俸制導入等賃金制度変更による賃下げ

 これらの内容に応じた闘い方が必要です。ここでは一般的な対応を書くことにします。

<賃下げに対する対処法>

(1) 賃下げを通告されたら、その理由を聞き記録に取る(テープ・ICレコーダー)。その上で労働条件変更の理由を書いた文書をもらう。同時に「同意できない。」と答える。
(2) 賃下げが全員に及ぶものか、自分だけかを調べる。
(3) 狙いが人件費の削減なのかリストラ狙いなのか見定める。
(4) 賃下げが労使協議で決まっている場合は組合に説明を求め記録する。
(5) 処分や降格については就業規則の各項を確認する。
(6) 調査と証拠の収集が済めば、直ちに具体的な闘い方について新世紀ユニオン指導部と相談する。

 賃下げの理由や労働組合が加担しているか、自分の方に弱点(欠勤、仕事上のミス、上司との対立、等)があるか等で闘い方は違ってきます。

 一般的には労働条件は契約当事者(会社と労働者本人)の合意により決められること、その合意内容は、法令や就業規則、労働協約による制約を受けます。

<具体的対応のポイント>

○就業規則の不利益変更による賃下げは、その変更手続・内容をチェックして下さい。就業規則変更の必要性や合理性のない不利益変更には労働者は拘束されません。

○労使合意(協約)による労働条件の変更の場合、労働者はその合意による賃下げを受け入れなければなりません。しかし、その賃下げが特定の個人だけを対象にし、平等取り扱いに反している等の不合理がある場合は違法です。

○会社が一方的に賃下げし、法令や労働協約や就業規則に反する場合は無効です。

○「降格」、配置転換、役職の引き下げ、職能資格制度を口実とした賃下げは、就業規則に根拠となる規定が必要です。

 しかし、裁判所は根拠規定が無くても、人事権として認める場合があります。注意が必要です。

○賃下げの前に本人への注意や指導がなされたか? 賃下げの理由が説明されているか? もポイントです。

○処分の場合は本人に弁明の機会が与えられているか?処分や降格の理由となっている事項が実際に存在するか? などがポイントです。

 上司やライバルによるでっち上げの報告に基づく処分は無効です。(しかし、その証明が難しいのです。) ○単なる配置転換(職務内容の変更)に伴い、賃金を下げることは許されません、労働者本人の同意や就業規則の定めがない限り無効です。

○賃金の切り下げを目的とした年俸制移行は無効です。

 年俸制への変更は、手続きと内容の面で合理性があるかがポイントです。

○業績評価を口実にした賃下げは、人事権の濫用にならない合理性があるかがポイントです。

 以上が賃下げと闘う場合のポイントです。参考にして下さい。

 賃下げを通告されたらその理由を詳しく聞き、記録を取り、その上で「認めない」とはっきりと主張して下さい。
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◆エッ 命の値段で男女差が?

─遺族年金─

 ここでいう遺族年金は、社会保険で言うところの労災保険と国民年金と厚生年金保険の3つの制度における死亡給付を指します。

 もし、家族のうち誰かが死亡した場合、遺(のこ)された人であれば誰でもお金がもらえるわけではないのです。民法でいうところの遺産の相続人でもないのです。特に国民年金(遺族基礎年金)では遺族の範囲が狭く、「子」のある妻か「子」だけです。しかも、「子」は年齢条件があって、障害がなければ18歳の年度末(高校生以下相当)までです。独身であることも条件です。もちろん、最先順位者は配偶者です。ここでは、女性である妻だけです。

 もし、遺族基礎年金をもらえる人がいない場合は、ほんのわずかな一時金だけです。仮に、自分に高校生以下の子供が1人いたとして夫(子供の父)が死ぬか妻(子供の母)が死ぬかでもらえる金額に天地の差ほど違います。夫が死ねば、子供が高校を卒業するまで毎年約120万円はもらえます。

 けれども、妻が死ねば、死亡一時金の最高32万円の1回ポッキリです。これが女性の命の値段なのです。「一家の大黒柱は父である」というのが制度の目的だと言われているが、母といえども働いています。実際に女性でなければならない仕事が数多くあります。

 次は、仮に夫婦が正社員で共働きだとします。子供はいなくてもかまいません。業務外でどちらかが死んだ場合、夫が死ねば再婚しない限り生きている間ずっと厚生年金(遺族厚生年金)がもらえます。しかも「子」のある妻であれば国民年金も上乗せされます。

 反対に妻が死んだら自分が健常者で60歳未満である限りは厚生年金による給付ははビタ一文もらえません。強いて言えば国民年金の死亡一時金だけです。妻の給料から天引きされた厚生年金保険料は全くのムダになります。ちなみに妻が死んだ当時自分が55歳以上60歳未満は受給権はあるが60歳になるまでは年金は出ません。

 業務上または通勤災害で死んだ場合、労災保険から遺族補償年金がもらえることになっていますが、この時の遺族となるための条件は厚生年金とほぼ同じです。例えば子供のいない夫婦が54歳以下の共働きであれば、生きていた当時の給料の影響を受けるが、夫が死ねば年金で妻が死ねば一時金です。この一時金(遺族補償一時金)は結構高いのですが、夫婦の月給が同じである場合は7年で年金に抜かれてしまいます。但し、妻は再婚しないで生きていることが条件ですが。

 確かに公的年金制度や労災保険は生活保障のためにあります。しかし、制度の一部には、古い考えを残したまま「改革」されているものがあります。「男は仕事、女は家庭」という封建的な考えがこの公的年金制度の中に現在も生きています。

 これがいやな人は簡保を含む民間の生命保険や個人年金に加入することになります。しかしながら郵政民営化が叫ばれている中では民間はおろか簡保も不安が残ります。ゼロ金利の中ではあの国民年金までもが不安が残っているのです。与野党含めて年金制度における男女差別を取り上げた政治家は誰一人いません。

 これを読んでいる皆さんには、ここ新世紀ユニオンに入って自分の雇用と安全を守ろうと一言申し上げたいです。「今すぐにできることを」と私は申し上げたいです。>
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