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新世紀ユニオン発行のニュース

経団連会長のワークシェアにごまかされるな!

 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン出身)は、1月6日の年頭記者会見で雇用対策について聞かれ「ワークシェアリングも1つの選択肢だ」との考えを示した。また8日の「労使フォーラム」でも「緊急的に時間外労働や所定労働時間を短くして、雇用を守ることを検討する企業が出てくるかもしれない」と述べています。
 不況になって首切りを批判されると、財界が決まって持ち出すのが「ワークシェアリング」です。しかし、景気が回復するといつの間にか消えてしまうのが財界の「ワークシェアリング」論の特徴です。
 今回御手洗が持ち出したワークシェアリング論は、彼らが派遣労働者12万4800人を解雇して、経営陣への批判が高まってきている中で出された事、とりわけ大企業がこの10年間で約32兆円(過去5年間では20兆円)も内部留保を蓄えているのに、それを1円も使わずに労働者を大量に解雇した事に批判が出ている事に対抗して出されたものであり、彼らは内部留保(利益余剰金)を雇用維持には使いたくないので、正社員の賃金や残業や労働時間をカットして雇用維持することを提案したものです。
 ところで大企業の内部留保の総額は国家予算に匹敵するほど蓄積されています。労働者の賃下げ源資で雇用を維持すれば、大企業のこの内部留保はそっくり残る事になります。つまり御手洗のワークシェアリング論は、彼の強欲を自己暴露したものと言えるのです。
 御手洗が社長をしていたキヤノンが、行政(大分県や大分市)から雇用名目の補助金57億円を受け取っていながら、今回非正規労働者の大量解雇を行っています。このように他の大企業も同じように雇用を生む「投資促進補助金」を受け取っています。県や市は地元に工場を建設してもらえれば雇用が生まれ、税金が入るので膨大な補助金を大企業に支出しているのに、今回の大量解雇です。これはまるで詐欺師のやり口です。
 御手洗と言う人物は、経営者としての哲学も無ければ、思想もない、ただ拝金思想だけは大きい人物だと言う事が分かるのである。企業は好景気のときは、賃上げをせずせっせと内部留保を貯め込んできたのですから、解雇をする前にこの内部留保の一部を使って雇用を維持する責任が彼らにはあるのです。
 経団連は「ワークシェアリング」(仕事の分かち合い)などと言いながら、内部留保を分かち合う気は一切ないのです。御手洗は「ワークシェアリング」を提案する前に、キヤノンが受け取った補助金約57億円の返還を指導するべきだったのです。仕事の分かち合いを提案するのなら、その前に内部留保の分かち合いを提案すべきだったのです。
 御手洗は、経営者としての哲学を持っていないため、彼の提案する「ワークシェアリング」には哲学的・思想的な粉飾がされていません。これは彼の人格的限界です。「ワークシェアリング」を労組に提案するなら、共存・共同の思想、助け合いの思想、貧しきものは分かち合いの気持ちが大切、とでも語ればいいのに、拝金思想の持ち主には思い至らないのです。
 重要なのは、家畜化した「連合」労働貴族が出てきて「ワークシェアリング論」に呼応して、労働者の賃下げへと導く事こそ警戒しなければならないのです。つまり御手洗は、09春闘対策として、「ワークシェアリング」論を持ち出した可能性が強いのである。それにしても、すぐ首相(総理)ポストを投げ出す自民党に似て、およそ“財界総理”にふさわしくない人物が経団連会長なのだから、日本の2等国への転落は避けられないと言うべきです。
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財界の強欲が国民経済を疲弊させた!!

 日本経団連が一貫して推進してきた「構造改革」とは、大企業だけが利益をむさぼることであった。
 民営化で国の財産を横領し、規制緩和で低賃金の非正規雇用を大量に生み出し、裁量労働制や変形労働時間制等で長時間労働を合法化し、搾取率を高めて、高額の超過利潤をせしめることであった。
 こうした強欲の資本主義を目指す日本経団連の“大義名分”が「国際競争力の維持」という言葉であった。資本主義の「国際競争力」の強化は、本来科学技術の発展を生産力に応用することで追求すべきものである。ところが強欲に労働時間の延長や能力主義による過重労働による絶対的余剰価値の追及は、コストのかかる企業の研究・開発投資の意欲を削ぐことにつながっていく。結果として野蛮な資本主義を追求する国は、相対的余剰価値の追求に後れをとることになるのである。
 財界の「国際競争力」重視の政策が過度の法人税減税となり、消費税増税や地方交付金削減という自民党流の「改革」となって国民経済を縮小させ、地方経済を縮小させることになった。
 確かに外需中心の経済は、アメリカやアジアへの輸出を急増させ貿易黒字は毎年世界トップクラスを維持するようになった。しかし一度今回のようなアメリカや欧州の金融危機が発生すると、円高で貿易黒字は吹き飛び、外需中心の日本経済は大打撃となり、結果日本企業は労働者の首切りに狂奔する結末となった。
 労働者を大量に首切りしている日本経団連に「労使が危機感を共有して、一丸となって難局を打開していく姿勢が求められる」(経営労働政策委員会報告)と言われても、労働者の側は「内部留保を1円も使わず、なんと身勝手な連中か」とあきれるばかりである。
 過去5年間労働者の実質賃金が上昇していないのに、大企業は約20兆円も内部留保を増やしている。
 身勝手にも経団連が「労使一丸」と主張するのは「雇用重視」を口実に、賃下げでワークシェアリングに持ち込む、つまり人件費の削減が狙いとしてあるからである。
 株主への配当や役員報酬は数倍に増えているが、労働者・人民は貧困化し、格差社会となっているのである。
 日本は、野蛮な搾取ではなく、科学技術の研究・開発で、新しい産業を生み、生産力を高めて国民経済を豊かにすることで、企業も儲かる道を進むべきなのである。
 手っ取り早く高い利益を追求する、外需中心の強欲の資本主義は今回のような金融バブルの崩壊に脆弱であるだけでなく“戦争の道”でもあることを知るべきだ。海外の利権を守ろうとして自衛隊の海外派兵ばかりを追求するようになっていくのである。
 本当に豊かな国民経済とは、資金が大企業にだけ集まる仕組みではなく、お金が各階級、階層にまんべんに回転することである。日本経団連に代表される大企業経営者は、かつてのバブル経済を経験して、完全に拝金思想を身につけたように感じる。ちょっと円高になっただけで慌てふためいて首切りをする経営者は恥を知るべきだ。
 国民経済の発展を考慮しない大企業のみの利益を追求する、日本経団連の強欲の資本主義を、われわれは糾弾するものである。
 大企業の内部留保が国家予算に匹敵するほど増えても、その分国民が貧困化すれば、それは企業にとっても不幸になることを知るべきだ。
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労組の家畜化が招いた野蛮な搾取

 日本経団連の御手洗会長と「連合」の高木会長の会談が1月15日に開かれた。両者は雇用安定に向け、政府に対し、雇用の安全網整備を要請するなどの「労使共同宣言」を採択した。日本経団連も「連合」も雇用確保を主張するのは自己矛盾なのだが、経営側の「派遣切り」に対し、世間の批判が厳しいので「雇用確保」を口先だけでも表明せざるを得なかったのである。
 「連合」にしてみれば春闘という賃上げの課題を前にして「雇用確保」を言えば、賃上げは自粛せざるを得ない。経団連の方は「雇用確保」を言えば、今後経済情勢が一段と悪化した時リストラがやりにくい。しかし労使が結託して賃下げ誘導するには「雇用確保」の表明は都合が良いということである。
 御手洗の主張するワークシェアリングも、企業が内部留保(利益余剰金)を使うことなく、労働者に「仕事を分かち合え」というもので、賃下げを狙いとした手前勝手な主張であり、労働者は絶対に受け入れてはならない。まずは内部留保で雇用を確保すべきなのである。したがって労働者は家畜労組がワークシェアリングを受け入れることに反対しなければならない。
 そもそも「連合」という形で企業内労組の幹部の上層連合が、家畜のように飼い馴らされた結果、日本の分配率は70%から60%へと低下したのである。いつでも首を切れる景気の安全弁としての派遣などの非正規雇用が、労働者の約3分の1を占めるまでに拡大したのである。つまり労働条件は、労使の力関係で決まるようになっているため、労組の家畜化が労働条件の悪化に直結したのである。
 「連合」が生み出したものは、日本の労働者にとっては「失われた労働運動」にほかならなかったのである。
 今、日本の労働者の約8割の人が「雇用不安」を抱いて生活している。いつ仕事を失い、収入の道を断たれるかわからない事ほど、働く者にとって不安なことはない。なぜなら一度正社員の地位を失うと、再び正社員になるのは難しいからである。
 雇用契約においては、大量失業は経営者の立場を決定的に有利にする。いつでも安上がりの労働力と取り替えることができるからである。つまり労働者は雇用不安の中で労働条件の悪化と過重で長時間の労働を受け入れざるを得なくなる。労働者がこれまで以上に働くようになれば、人員がその分過剰となり、削減される。この負のサイクルが野蛮な搾取を生み出すのである。今や世界語となった過労死は、より多くの日本の労働者の近未来の姿となる。
 最近新世紀ユニオンの労働相談で、解雇され、退職金も予告手当も受け取れなかった、という相談が増えている。労働者が無知であることから、経営者が安上がり解雇を企む例が多く見られる。新世紀ユニオンに加入しておけば解雇を阻止できたと思える相談が多いのである。
 労働者の約8割が雇用不安にさらされているのに、日本の労組組織率は未だに20%なのである。
 なぜ労働者はユニオンへの加入をためらうのか?加入しておけば雇用を守れる確率は非常に高くなるのにどうしてだろうか?そこには家畜化した企業内組合が労働者の中に労働組合に対する抜き難い不信感を形成していることがある。
 労働者はユニオンと団結しなければ雇用を守ることが困難な時代であることを肝に銘じておくべきである。
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息継ぎのための和平に転換したアメリカ

 アメリカの直面する経済危機の深刻さは、第二次世界大戦後最大のものである。アメリカ金融資本の不良債権は千数百兆円といわれており、巨額の公的資金の注入とイラク・アフガンの戦費によって双子の赤字は膨れ上がっている。
 アメリカは大恐慌以来の国民に我慢を強いる経済的局面を迎えており、それゆえの史上初の黒人大統領なのである。
 なぜアメリカのヘッジファンドの経営者達が、こぞってオバマ支持に回り、巨額の政治資金をつぎ込んだのか、それはベトナム戦争後にカーターを必要としたことと同じである。アメリカという国家は産軍複合体の経済であり、戦争を生業(なりわい)としている国家にとって、財政危機、通貨危機、金融危機は、いわば帝国主義の息継ぎのための和平を必要とする時なのである。つまりアメリカの経済的困難が「チェンジ」を掲げ、経済建て直し・国民融和・協調のオバマを必要としたという事なのである。
 オバマ新政権にとって気がかりなのは、米国民の期待が過剰に高まり過ぎていることである。過剰な期待は過大な失望に変わる可能性がある。とりわけ経済的困難の長期化が予想される中ではなおさらである。
 オバマの大統領就任演説の特徴は、「今回の危機は、市場は注意深く見ていないと制御不能になる恐れがあることを、私たちに思い起こさせた。」として市場経済への監視の必要性を語っている。(注・規制強化ではない!)またオバマは米国民に対し「新たな責任の時代だ」として国民に対し責務を「喜んで引き受けるべきものだ」と求めている。
 環境問題では、「影響を考えずに世界の資源を消費することも許されない」と語っている。また労働者に対して「友人が仕事を失うのを傍観するよりは、自分の就業時間を削減する労働者の無私の心」を求めている。これはワークシェアリングの勧めである。
 オバマ新大統領は、イスラム世界に対しては「共通の利益と相互の尊敬に基づき、新たな道を模索する」と語っている。したがって彼のアフガンへの兵力増強は、和平交渉の布石である可能性が強い。
 重要な事は、アメリカの金融危機が、これから深刻化することである。アメリカが「グリーン・ニューディール」の政策で危機脱出を計る上で、日本と中国にドルの提供を要求し、それが100兆円(1.1兆ドル)規模で実現するかどうかがカギとなる。つまりアメリカの借金を日本と中国が支払うことが求められることになるであろう。
 日本の国民は、オバマ時代の対米従属がいかに高くつくかを知ることになる。
 ヒラリー・クリントン国務長官は、アメリカ外交が軍事だけではなく、文化などのソフトパワーを含む「スマートパワー」の必要性を強調している。つまりアメリカは一国行動主義から多極化の中での協調外交に転換することになる。日本に対する貢献要求が強まるであろう。
 注目すべき点は、不況の長期化が予想される中で、アメリカ国民のオバマへの強い期待が、失望に変わる可能性が高いことである。
 オバマが耳障りのいい演説でいつまでアメリカ国民に我慢を強いることができるかである。またオバマが中東で和平を達成できるのか?それと関連して軍事予算の削減に手を付けられるのか?注目すべき点である。
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会社が倒産し、未払い賃金の立替制度を受けたい


 4ヶ月ほど働いた会社が倒産し、私は2ヶ月分の給料が未払いになっています。労基署で立替払制度の手続きを取りましたが、会社側が「倒産していない」と書類を出さず労基署は「給料がわからない」と言って2ヶ月たっても手続きが出来ません。立替払いを受けるにはどうしたらいいですか?  なお、私の給料明細は無くしてしまいました。


 企業が倒産して未払い賃金が生じた時に「賃金の支払いの確保等に関する法律」に基づき、国(労働者健康福祉機構)が事業主に代わって立替払いをする制度があります。
 この制度を受ける場合、労基署で倒産認定などの手続きをとることになります。また立替払いの額を決めるのは「確定申請書」を提出します。確認通知書が送られてきたら、これを添付して労働者健康福祉機構に請求し、同機構が未払い賃金の総額の8割を立替払いすることになります。
 あなたの場合、社長が「倒産ではない」と言っているので「事実上の倒産」の場合に当り、この場合は労基署長宛に事実上倒産の「認定申請書」を提出します。しかし、給料明細やタイムカード等がなく、会社側が未払い賃金額を算定する書類を出さないため 労基署は立替払いの額を決定する確認通知書が出せなくなっているようです。
 あなたは、働いた4ヶ月分の内2ヶ月分は給料を受け取っているわけですから、その分の給料明細を探して労基署に提示して下さい。給料明細は労働者がその会社で働いていた証拠ですから、絶対に紛失しないようにしてください。
 なお、他に就労実態を示す物(タイムカード・作業記録等)も労基署に提出してください。労基署はこれを受けて調査をおこないます。会社側が未払い賃金額の提示をせず労基署に協力しないのは愚劣で卑怯というべきです。国の未払い賃金立替払制度で払われる金額は、未払い賃金(退職日の6ヶ月前の日から立替払請求の日の前日までの間に支払い期限が到来している月給・週給・日給)と「退職手当」の総額の8割です。賞与(ボーナス)や解雇予告手当ては対象となりませんので気をつけてください。
 この場合の支払額には年齢による上限額が決まっていますので労基署で聞いて下さい。相談者の場合は、2ヶ月分なので上限には達しないでしょう。なお、立替払いを請求できる時期は、破産決定の日、又は倒産認定の日の翌日から起算して2年以内に限られます。
  労働無料相談を受けていて感じるのは、未払い賃金の相談が意外に多いことです。残業代の未払い、さらには退職時の賃金未払い、そして倒産時の賃金未払い等のケースがあります。これらは経営者のモラルが低下している反映かも知れません。経営者は、「弱い立場にある労働者が泣き寝入りしてくれば儲けもの」と考えているのです。
 倒産の場合は、予告手当も出ないのですから立替払い受給の手続きぐらいは経営者として協力する義務があります。労働者は給料の遅配があり、倒産の可能性がある場合は、未払い賃金額を算定する証拠(タイムカードのコピー・作業記録・入退社時間のメモ等)を残すようにすべきです。
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◆「特定受給資格者」について

 前回に引き続きハローワークのホームページから特定受給資格者について少し検討してみます。

 まず三つ目の「被保険者期間が6月(離職前1年間)以上12月(離職前2年間)未満であって、以下の正当な理由のある自己都合により離職した者」の欄を見てみると 1.就職してはみたものの体力などが適応しない場合 2.家族などの病気のため介護や扶養する必要が出来た場合 3.結婚や会社の移転、交通機関の事情などによって通勤が困難になった場合(おおむね通勤が往復4時間を超えるような場合とされている)などの事情があって、自ら会社を退職した場合がこれに該当します。

 この要件は2007年の雇用保険法改悪によって雇用保険がこれまで原則として最低6ヶ月の在職期間で失業給付の受給資格を得ることができていたのが、最短でも1年間の在職期間が必要になることで、上記のような理由で退職を余儀なくされた1年未満しか在職期間のない労働者が雇用保険を受けられなくなることへの暫定的な救済措置となっています。

 このような理由は通常「自己都合」として処理されてしまい、在職期間が足りずに雇用保険が受けられないことに特に疑問も持たずに通り過ぎてしまうことが多いことが考えられます。充分考慮しておくべきことかと思われます。

 次に二つ目の「「解雇」等により離職した者」という離職理由欄から特徴的でよくありそうなものをいくつか挙げてみます。

1.2ヶ月以上連続で賃金の3分の1以上が支払われない。

2.残業手当を除いた賃金がそれまでの85%未満に低下した。

3.退職の直前3ヶ月連続で各月45時間以上の残業があった。

これらの理由などは給料明細や労働契約書、就業規則などがあれば明確にハローワークでその理由を説明することの出来る理由であると思われます。

 他にも「退職勧奨を受けて離職した場合」や「セクハラや職場での嫌がらせ」で退職した場合などがありますがハローワークでこれらが認められるには一定の要件があるようなので事前に確認しておくべきでしょう。。

 現在のように経済情勢が一段と深刻な状況になりつつある中、正規雇用の労働者の雇用も今年半ばにかけてさらに悪化するとの見通しが出されています。労働者はこのような状況に遭遇していることを認識し、最低限の知識として一度この特定受給資格者(アドレスは前出)の適用範囲を含め、「雇用保険手続きのご案内」のページなどもしっかり読んで把握しておくべきでしょう。
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◆寺島実郎氏の講演を聴いて思ったこと!

   テレビでおなじみの寺島氏は、株式会社三井物産戦略研究所所長であり、財団法人日本総合研究所会長である。私が今回聴くことになった寺島氏の講演テーマは「日本経済の行方を占う~直面する課題と進路」であった。

 寺島氏はまず世界同時不況の震源地のアメリカがイラク・アフガンの戦争で4843人のアメリカの若者を殺したこと、この戦争のコストが「3兆ドル」(270兆円)と言われていること、さらにサブプライム問題の公的資金の注入が8兆ドルであること、またアメリカの双子の赤字が年間1兆ドルを超えるまでになり、昨年の12月にはアメリカの金利がゼロとなり、日米の金利差がなくなったこと、そして金融工学の行き着く先がサブプライムだったことを語った。

 寺島氏はさらに、アメリカは今急速に衰えており、世界の多極化が進んでいること、そんな中で日本とアメリカの貿易が昨年13.9%を占めるまでに減少したこと、日本の貿易構造がアジアとの関係に比重が移っていること、日本と中国との貿易量がアメリカを上回っていること、そのため日本海側の港湾への物流のシフトが起きていること、また日本とアジアとの人的交流が激増していること、すなわちアジアは大移動時代がきていること等を指摘した。

 寺島氏は日本の弱点はエネルギー、資源、食糧だが、食糧については、蓄積してきた先端産業技術の注入と生産法人などのシステムとしての農業を展開し、自給率を高めること。燃料は水力、太陽光、風力など多様なエネルギーを重視すること。資源は、日本の国土は狭いが海洋の広さは世界8位であり、海洋資源の開発を進めることを提起した。

 寺島氏は、日本の産業政策として自動車以降のプラットフォーム型産業の中核として200人乗りの「中型JET旅客機」の国産化プロジェクトを提案した。これによって新素材、ナノテク、IT、バイオ、エンジンなどが発展すると言うのである。

 寺島氏は講演では触れなかったが、日本の航空機市場への参入はアメリカが許さないのではないかと思う。つまり寺島氏の構想は対米自立が前提になっていると言うことである。氏の置かれた立場では、そこまで講演で踏み込めなかったのだと私は思いました。

 寺島氏は、アメリカの力が急速に衰えていること、アジア大陸と日本の貿易が大半を占めるようになったこと、アジア大移動時代がきていること、そこで日本の戦略的弱点を克服するエネルギー、食糧、資源の自給率を高める政策を語ったのである。これらの寺島構想は、日本の対米自立なくしては不可能であると私は思う。

 今後、世界同時不況で日本とアメリカの貿易は急速に縮小し、日本の貿易額の10%を切るのは避けられない。日本の対米自立の好機が来つつあると、私は確信を持つことができたのである。
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◆民営化されて年賀状は崩壊した

   「週刊プレイボーイ 12・22.29 NO.51.52 袋とじ付き大合併号」に「2009元旦 年賀状が届かない クライシス!!」の記事がありました。

 今回から1月1日に年賀状を2回配達することは、この週刊誌を見て初めて知りました。管理職からも組合(日本最大の某連合労組のこと)からもそのことに関する説明を聞いていません。従来なら、元旦(1月1日の午前中;しかも11時までに完了する)に年賀を配達し、午後からは封書年賀と平常信を配達していました。今年からは、当日に上がった年賀も平常信と一緒に輪ゴムで留めて配達するのです。年賀が2度も配達されることから、「隣へ誤配達してその人が入れたのでは?」といった不信感が拭えません。

 また、返り年賀でもないのに年賀が1月1日を過ぎてもだらだらと配達されるので、配達する職員だけでなく年賀を受け取って返事を書く立場の人も困っているのです。したがって、年賀が来たとき、自分がすでに出してある人なのか、返事を出すべきなのかもはやわかりません。それでは、「年賀はがき販売目標1人 1万枚必達!」といった至上命題が虚しく聞こえるだけです。

 その原因は、内務・外務の総合的な人員不足と、異常なほどの人件費削減にあります。内務で人員が不足すればその日のうちに処理すべき年賀が交付されるはずもなく、外務で人員が不足すれば、道順の個別組立および転送・還付処理が滞ります。転送といえども元旦に届く必要があり、還付はできるだけ早く返して、再差出含めて元旦に届く必要があります。にもかかわらず、欠員状態で納期に間に合わなかったのは私たち現場の配達員のせいにされています。

 年末は、お歳暮の小包や書留も多いので、本務者は、夕方から年賀作業を切り上げて速達3号便・4号便の配達に駆り出されます。夜勤が一切いないからなのです。それでも超勤時間規制がかかっているので、指示された時間を超えた分はボランティア(サービス労働)させられます。

 今回は、私の職場では幸いにして大きな事故や苦情がなく、一件落着です。というか運が良かったからなのでしょう。

 人員不足の職場を1日でも早くこの世から追放してほしいです。
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◆映画「フツーの仕事がしたい」

 大阪十三の第七藝術劇場で、土屋トカチ監督の映画「フツーの仕事がしたい」を見てきました。

 主人公の皆倉信和さん(36歳)はどこにでもいるフツーの人で、労働問題に長けた運動家ではありません。それどころか、少し頼りなくさえ見える優しげな人です。根っからの車好きで高校卒業後、運送関連の仕事を続けて、現在はセメント輸送運転手として働いています。

 皆倉さんの勤務する東都運輸は、住友大阪セメントの専属輸送会社フコックスの配車指示のもとに、セメントを運ぶ一次下請け輸送会社である。東都運輸の給与体系は、運んだセメントの量に応じて給与が支払われるオール歩合制で、残業代などは全く無い。一ヶ月の労働時間が400時間を越える月が何回もあり、最長は552時間である。これは休みなしで働いても、一日の労働時間が18時間を越えてしまい、睡眠・食事などを含めて自分が使える時間が5時間しかないという過酷さである。そんなに働いても皆倉さんの給与は月平均30万円程度しかない。そのうえ有給休暇、社会保険、雇用保険の加入もない。それでも、皆倉さんは、好きな仕事だから仕方がないし、この業界ではこれがフツーだと思っていた。

 けれども、会社はその歩合の割合も、赤字を理由に、一方的に切り下げようとしてくる。さらに、トラックのリース代・燃料・メンテナンス代などの経費も自己負担させられるようになる。

 心身ともに限界を感じた皆倉さんは、一人でも加入できる組合があることを知りユニオン(正式名称は、「全日本建設運輸連帯労働組合」)の扉を叩く。

 しかし、そこから皆倉さんの苦難が始まる。ユニオンに入った皆倉さんに対して、会社はやくざまがいの人事責任者を雇い、日々圧力をかけてくる。連日連夜家に押しかけて来てがなりたてる。その心労もあって亡くなられた皆倉さんのお母さんの葬儀にまで押しかけて、ユニオンからの脱退を迫るその異常さ。

 やくざまがいの人事責任者とその手下達が、葬儀場でユニオンのメンバーと争う、カメラが揺れて、画像が乱れる。カメラを回している土屋監督自身も、蹴られ、殴られていることが伝わってくる。これは再現映像でもなければ、クローバーフィールドのような、フィクションに臨場感を与えるための手法でもない、リアルなのだ。いつしか観客である私自身も、当事者として巻き込まれているのではと思えてくるすごい映像です。

 このような闘いのさなか、皆倉さんが病に倒れる。集中治療室に入らなければならないような状態になってしまう。ここに到って、ユニオンは抗議の対象を上部のフコックスや住友大阪セメントに向けて行く。フコックスの社屋の前で街宣活動をするだけでなく、住友大阪セメントの本社の前で、雨の中ユニオンメンバーが支え持つ鉄柱の間に張ったスクリーンに、この映画の一部が上映される。初めは無関心を装っていた社員たちも、葬儀場のシーンには、無視ができなくなりスクリーンに見入る。

 最後にはユニオンの活動が住友大阪セメントやフコックスを動かし、ついに東都運輸は倒産する。皆倉さんたち東都運輸の従業員は新しく設立された会社に移り、フツーの労働環境で働けるようになります。

 この映画は、劣悪な労働条件を当たり前であると思い込んでいる人が、自分達が置かれている状況がフツーではないことにどの様にして気づくか、そして、その後の闘いをどう展開するかのひとつのモデルを提示していると言えます。

 しかし、単にそれだけではなく、形骸化した御用組合が作り出した労働運動に対するネガティブなイメージを払拭し、働く人々が(御用組合でなく)ユニオンに加入していることがフツーで、フツーに自分自身の労働環境を日々改善して行ける社会を作るための何かがここにあるように思います。

 映画そのものの面白さも十二分に味わえる作品になっており、ぜひ多くの人に見て頂きたい映画です。

予告編: http://jp.youtube.com/watch?v=7ZzJi2ZencY
土屋監督のコメント: http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20080929.html
東京での劇場公開の様子: http://jp.youtube.com/watch?v=zfuewomH8M4&feature=related
今後の上映予定はブログで確認してください。: http://nomalabor.exblog.jp/
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