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新世紀ユニオン発行のニュース

出向命令権の権利の濫用について

 出向命令を行うには、以下の要件を満たす必要があります。
1. 労働契約上の根拠が必要
2. 出向命令権の行使が権利の濫用に当たらないこと

 上記の権利濫用について調べてみますと…
出向命令が権利の濫用として無効となる場合については、労働契約法に定められています。

 労働契約法14条
『使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。』

 判例では、出向命令権の権利が濫用となるかどうかについては出向命令の、
1.業務上の必要性
2.出向者の労働条件及び生活上の不利益
この2つの点に関して比較衡量され判断されているようです。

 具体的には権利濫用として無効となる場合の判断要素としては、以下のものがあげられています。
1. 業務上の必要性を欠く場合
2. 不当な動機・目的の有無
3. 労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合
4. 人選の合理性がない場合
5. 復帰が予定されていない場合
6. 出向に際しての適正な手続き及び説明を怠っている場合

 実際に権利の濫用として無効となった代表的な裁判例をみてみますと…

 平成元年の長野地裁の判決では、出向を命ずる根拠があっても、それは信義誠実の原則に従って行使されなければいけないとし、また出向命令は合理的で社会通念上相当なものでなければ、信義則違反ないし権利の濫用として無効となるとの考え方を示しています。

 具体的には、業務上のミスの責任により、遠隔地での再教育を最長3年間も受けさせる合理的な理由が無く、更に、この出向命令は家庭生活上重大な支障を来たし、過酷なものであるにも拘らず、会社側はなんら配慮した形跡が無いと対応を批判しています。

 そして、会社側の他の従業員の作業ミスの対応や出向事例の目的・人選の内容等を総合考慮すれば、判断するまでもないとして、労使関係の信義則に違反した不当な人事であると断言し、権利濫用で無効としています。

 懲戒解雇についても、就業規則の解雇事由に該当せず、そのうえ懲戒手続においても著しく信義則に違反したものであり無効と判断しました。

 景気が低迷している中、多くの企業が業績不振で人余り現象が深刻化しているのではないでしょうか。退職金を割増しして希望退職を実施できるほど余裕がある企業は少ないでしょう。そこでリストラ目的の出向が横行しているのではないかと思われます。

 出向によって賃金がすぐに下がることはないでしょうが、業績不振の会社へ送り込まれたことにより、人事考課が下がり賞与が大幅に減額される可能性があります。

 そしてあらゆる理由をこじつけて転籍となる可能性もあるかもしれません。そうなると更に給与体系の低い会社に追いやられるので、給料は大幅に減額されてしまいます。

 リストラ目的の出向や転籍は、やる気を失わせ自主退職させることにあると思います。理不尽な出向命令を受けたと思ったら、それは完全にリストラの標的になっているはずです。

 何の知識も無く、無防備ではリストラに対抗することができません。逸早くユニオンに相談し、雇用を守る指導を受ける必要があります。
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限定正社員制度の狙いについて教えてください!



 新世紀ユニオンのサイトでは「限定正社員制度」導入は段階的な解雇の自由化である、と書いています。先日朝日新聞に労働政策研究機構の方が、限定正社員でも解雇が自由になるわけではない、と語っている記事が掲載されていました。私には「限定正社員制度」導入の狙いがよくわかりません、説明ください。



 現在政府の規制改革会議が「労働力の流動化」を進めるとして検討している規制緩和の狙いは、解雇の容易化であり、賃金を払わない長時間の過酷労働の合法化、つまり労働条件の改悪です。雇用ワーキンググループの鶴光太郎座長は、限定正社員の解雇について「(正社員と)同じルールが適用されても、当然、結果は事なる可能性がある」と語っています。

 限定正社員制度とは、職務や勤務地を限定した雇用の事であり、職務や勤務地が消滅すれば容易に労働者を解雇できる制度です。つまり経営者側は「整理解雇の4要件」という判例法理に大きな不満を抱いており、この「整理解雇の4要件」にいかに風穴を開けるか研究の上「限定正社員制度」を導入しているわけです。

 労働者の職務や勤務地が限定されている契約では「解雇回避措置」の配置転換が行えなくなり、「人員整理の必要性」「人選の合理性」もクリアできるので、解雇がやむを得ないものとなると計算しているのです。

 さらにいえば「限定正社員制度」導入は、正規社員・非正規社員・限定正社員と多様な雇用形態で労働者を分断支配する狙いも隠されています。

 整理解雇の4要件とは
(1)人員整理を行う業務上の必要性があるか
(2)整理解雇を回避する努力を尽くしたか
(3)整理解雇基準と人選の合理性があるか
(4)労組・労働者に誠意を持って協議したか
であり、この判例法理に風穴を開ける為に職務や勤務地を限定した雇用を「限定正社員制度」として現在各企業で導入が進んでいるのです。

 日本国内の工場は多くが老朽化しています。新規の工場は海外に建設してきた結果、国内工場の廃止・統合が必要なのです。国内企業は約200万人の余剰人員を抱えており、この人員整理には判例法理が障害となって、解雇には多額の資金がいるばかりか解雇しにくいのを、容易にするのが一連の解雇の自由化の規制緩和なのです。

 つまり解雇の自由化は大リストラを安く行えるのであり、労働者と労組はこうした政府の規制緩和の策動に断固反対していかねばなりません。
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参院選の結果は自公の一党支配!!

 今回の参議院選において、自民党と公明党が圧倒的勝利を収めました。前回の衆議院選とともに、自民・公明の巨大与党が誕生しました。いわゆる保守政権に逆戻りしました。

 その時、新保守(新自由主義ともより右翼的な政党ともいわれる)たる維新やみんなの党の分裂およびリベラル(社会主義に近い自由主義)たる民主・社民・大地・生活・共産は初めからリベラル同士のけんかで自民・公明を倒す力がもともと持っていないので、投票する気がありませんでした。しかし、棄権をすれば、自民・公明を結果として勝たせるだけです。

 私は、自民・公明を落とすために、二番目に強い人に投票しました。選挙区(1人区)ではとりあえず民主党の候補者に投票し、比例区ではさきの東京都議選の結果から考えて日本共産党に投票者ました。

 今回は、共産党が大躍進したといわれるが、実は、民主党の票を奪っただけなのです。今から言う党代表4人は、選挙に負けた時点で除名処分すべきでした。民主党の菅と野田、社民党の福島、共産党の志位の4人です。この4人は、いままでに選挙でずっと大敗して議席を大幅に失っているのに一切責任を取っていません。たとえ自分は正しいことをやったとしても、結果責任を負うべきでした。

 その結果、政権のブレーキ役である野党はほとんどすべて失い、どこかの国の共産党みたいに事実上一党支配することとなりました。しかも3年間は続きます。独裁政権です。しかも、売国奴による独裁政権です。

 アメリカ言いなりの憲法改正やアメリカルールのTPP、その他いろいろアメリカ言いなりに日本は変質します。

 日本国憲法そのものがアメリカ言いなりであると論じたり宝であると論じたりする人はいますが、対米追随政権である間は憲法を一切変える必要はありません。
 今のままでは自立することはありませんので、だったら初めから憲法は一切手を加えない方がましです。
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再就職活動の経験について

 組合員の中には、不条理な形で職を失ってさまざまな形で再就職活動を行っている方々も少なくないと思います。その中には長期にわたる就職活動で、肉体的、精神的、その他さまざまな要因で、心が折れそうになっている方や、諦めかかっている方もいるかもしれません。そこで少しでも参考になればと思い、私の体験を以下に記します。

 私は、職を失ってから9ヶ月間の再就職活動を行い、去る7月から正社員として再び働き始める事が出来る様になりました。その間に応募した企業(面接を含む)の数は延べ93件。就職活動中は、その時の活動状況をExcelで管理していたので、内定をもらってから改めて数えてみたら、我ながらこれだけの数の企業に応募したなと思いました。平均すると10社/月ですので。

 でも、毎月これだけの企業に応募できた訳ではありません。政権が民主党から自民党に交代した昨年12月はたった1件。ネットで探しても、民間の斡旋会社に登録しても、ハローワークに行っても、人材銀行に行っても、某企業のOB数名に尋ねてもまったく求人はありませんでした(実質上の「活動停止状態」)。

 また内定をもらった少し前の4月は2件。その4月は、初旬に面接までこぎつけたのですが、面接でボロクソに叩かれ、面接を受けに行ったのか、わざわざ罵詈雑言を受けに行ったのか分からなくなり、それ以降半月近くは完全に意気消沈して、何もする気が起きませんでした(当然就職活動もストップです)。とある日、「こうなったらGW連休明けまでは開き直って(就職活動を)休んでしまえ!」と完全に活動を停止しました。

 一度就職活動を停止したのが幸いしたのか、何が起こったのか私本人も分かりませんが、再開後急に状況が好転し、1ヶ月で3件もの面接が決まり、その内の最初に面接を受けた会社から内定をもらい。現在に至っています。

 私もそうでしたが、昨今の再就職は本当に長期戦が当たり前の状態で、心身共に疲れ果ててしまうのも無理は無いと思います。現に私もそうでした。

 でも、上述したように、疲れかけたら、一旦足を止めて暫く就職活動のことを忘れるのも一つの手だと思います。逆に暫く休む事によって、歯車が上手くかみ合い始める事もあると思います。大なり小なり大変さは各々によって違いますが、「諦めなかったら最後は何とかなる」と個人的に私は思います。
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パワハラの予備知識

 2012年度に労働局の個別労働紛争解決制度に寄せられた相談のうち、民事上の個別労働紛争(全相談件数25万4719件)の内訳では、【いじめ・嫌がらせ】(パワハラ)が前年度より12.5%増の5万1670件(全体の17.0%)で、【解雇】の5万1515件(全体の16.9%)を抜いてトップになりました。(3位は労働条件の引き下げ・4位は退職勧奨)

 このデータから、これからの個別労紛争働問題は解雇事案からパワハラ事案における戦術・戦略を 厚生労働省は2011年7月からパワーハラスメントの現状や解決策について、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ(WG)」で議論しており、そのWGがまとめた報告書で、「職場のパワーハラスメント」について以下のように定義しています。(2012年1月30日)

 「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」更に、パワーハラスメントに当たる6つの具体的な行為類型を提示しています。

1. 暴行・傷害(身体的な攻撃)
2. 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
3. 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
4. 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
5. 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過少な要求)
6. 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
 パワハラが違法となるかの判断基準は、判例から人事権濫用の判断基準が適用されているようです。
1. 業務命令に業務上の必要性があるか
2. 業務命令が不当な動機・目的でなされていないか
3. 業務命令が労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく越える不利益を与えてはいないか

 これら3つの項目などを総合的に考慮され判断されるようです。

 厚生労働省では、これまで平成11年に定めた「心理負荷による精神障害等に係る業務上の判断指針」に基づいて労災認定を行っていましたが、より迅速な判断ができるように平成23年12月「心理的負荷による精神障害の認定基準」を新たに定めました。

 これにより今まで認定審査に平均8.6ヶ月を要していたのを、6ヶ月以内の決定を目指すとしています。

 精神障害の労災認定要件は、以下の3つを満たす必要があります。
1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね約6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

 パワハラの責任追及
1.上司などのパワハラ加害者に対する責任追及の法的根拠
◇民法709条(不法行為による損害賠償)
◇民法710条(財産以外の損害賠償)
2.会社に対する責任追及の法的根拠◇民法715条(使用者責任)
◇安全配慮義務違反による民法415条(債務不履行による損害賠償)

 法律効果については、民法709条の不法行為で考えると、3年で時効となる可能性があります。しかし安全配慮義務違反による債務不履行で考える場合、時効は10年となる可能性があります。

 パワハラで闘うためにはパワハラ加害者である上司等や会社に対して、民法による損害賠償請求訴訟を提起することになります。

 裁判では、パワハラがうつ病等の精神障害の発症に密接な関係があるかどうかが問題となる可能性があります。ですから、うつ病等の精神障害は業務に起因していること証明するための証拠をとる必要があります。

 具体的には次のようなものがあげられます。
1.パワハラ行為の録音・録画
2.パワハラ行為の詳細なメモ(日時・場所・氏名・発言内容・行動など)
3.医師の診断書

 とにかく証拠をできるだけ多く揃え、具体的で一貫性がある主張ができるようにすることが大事だと思われます。

 平成16年のさいたま地裁での裁判の判決では、パワハラ加害者に対して、民法709条に基づき、いじめによって被った損害を賠償する不法行為責任があるとしています。

 また会社に対しては、雇用契約に基づいた信義則上、労務を提供する課程において、生命及び身体を危険から保護する安全配慮義務を尽くす債務を負担しているのにもかかわらず、いじめを防止する措置を採らなかったとし、安全配慮義務の債務不履行があったと認めました。
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お世辞を喜ぶ馬鹿上司が増えた!(リストラ経営の弊害について)

 「お世辞」とは、口先から出る真実でない言葉である。それは利己的な狙いから語られる。これとは逆に感謝の言葉とは心から出る真実の言葉で、利己的な狙いはありません。

 労働相談でぶつかるのは、このお世辞を喜び要求する上司が多いのです。ある仕事の出来る女性は上司に「お世辞」を言う同僚を見て、自分は仕事で勝負しょうと決めて、この上司に「お世辞」を言いませんでした。ところがこの「お世辞」を言わなかった事が原因でパワハラを受けるようになり、仕事を取り上げられ、ついに退職勧奨の標的になったのです。

 仕事に情熱を持つ別の女性は、仕事のことで上司を注意したら、逆恨みしてパワハラを受けるようになりました。この人はハラスメントでうつ病になり、職場から追い出されることになったのです。馬鹿上司が求めているのは「お世辞」であって、仕事の注意ではないのです。最近同様の相談を多く受けます。

 リストラ時代の日本企業には、お世辞を部下に求める無能な上司が多く、その結果仕事の出来る社員が多く解雇されているという事です。本来は「お世辞」ではなく、部下に感謝の言葉を贈られる上司になる事を目指すべきなのです。労働相談を受けていると有能な仕事の出来る人がリストラの標的に多くなっているのです。

 日本企業が韓国や中国に負けるようになったのは「リストラ経営」にある事は明らかです。上司にお世辞を言うか、言わないかが、リストラの選別基準になっている事実を指摘しなければなりません。これがリストラ経営を続けたことで生まれた日本企業の弊害なのです。

 部下にお世辞を求める者は、嘘の言葉で自尊心を満足させている軽薄な人間なのです。労働相談を受けていると、仕事に夢中になっているが為に、「お世辞」を言えずに、知らぬ間にリストラの標的にされている人が案外多いのです。

 たかが些細な「お世辞」と片づけてはいけないのです。些細な事が原因で敵対的矛盾になる事が世の中には多いのです。職場には様々な矛盾があり、多くは人民内部の矛盾で、話し合いで解決できるものですが、注意するべきは上司との関係です。この処理を誤ると敵対矛盾になる事が多い事を覚えておいてください。
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労組の家畜化に賃金デフレの根原がある!

 安倍首相が、政府と経営者団体と労働団体の代表からなる「政労使会議」をスタートさせた。安倍首相は、来年の4月の消費税増税までに賃上げを軌道に載せないとアベノミクスが失敗する事を理解しているのである。おそらく考えているのは「政労使会議」で所得政策的に賃金を上げるつもりなのである。しかしこのやり方では部分的にしか賃上げは出来ないであろう。

 日本における賃金レベルの傾向的低下は「労組の家畜化」と「労組幹部の反動的上層連合」さらには労働力の流動化(=非正規化・外国人労働力の解禁等)にその原因がある。

 安倍政権は、労働裁判で被告企業が敗訴しても金銭で解雇できる制度(金銭解決制度)や解雇の自由化を導入する事を進めている。これは事実上労働組合法の不当労働行為を空洞化する行為であり、これでは日本の労組の家畜化が一層進む事になる。

 一方で労働面の規制緩和を進めながら、他方で賃上げを「政労使会議」で進めようとすることは安倍政権は相矛盾する政策を行っているのであり、このことは政策立案者たちの理論的・哲学的脆弱性を示すものである。

 労働者の賃上げを進め、同時に雇用の安定性を強めて個人消費を促すこと、この二つを両立させなければならないのに、解雇の自由化で雇用不安を促しながらでは、賃上げをしても消費には回らないであろう。かっての日経連が「強い総評」の下で春闘相場の確立で、高度成長を実現したように、労働組合が強くなければ賃上げは実現せず、国民経済は活力を持てないのである。

 従って安倍政権の「政労使会議」が、賃金を上げてアベノミクスを成功させるのは難しいのである。安倍政権とその経済政策担当者は、アメリカ占領軍の戦後改革、とりわけ「労働改革」が目指したのは、強い労組を生むため経営者側の不当労働行為を規制する労動組合法にこそ、戦後の日本経済の復興と高度成長の秘密があったことを学んだ方がいい。

 ところが安倍政権は、「新しいユニオン」を潰すために解雇の自由化を推進し、他方で「政労使会議」で賃上げを誘導しようとしているのである。

 賃上げを誘導するなら強い労組を作れるよう政策を導き、経営側が労組を手なづける「労組の家畜化」を規制する以外の方法はないのである。一度強欲の資本主義を経験したものは社会的規制で、一方的賃下げの禁止を法律で定めない限り、その利潤追求の為の賃下げを止めることは出来ないのである。
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新世紀ユニオン2013年度運動総括(案)

(1)今年度の世界情勢の特徴について

 世界経済は引き続き経済・金融危機が続いており、その特徴は先進各国の新自由主義によってもたらされた高利潤追求が個人消費の低下をもたらし、危機回避策としての内需の人為的市場創出が先進各国の深刻な財政危機をもたらした。特にアメリカはイラク戦争とアフガン侵略戦争が財政的疲弊を招き戦略転換を余儀なくされる事となった。

 オバマ第2次政権の特徴は、アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換し、経済立て直しの内政重視に転換した事である。当分の間アメリカは世界の警察官としての軍事介入は回避しなければならない局面が生まれている。

 つまり世界の一極支配から多極化の特徴が明確化したのが本年度の特徴であった。欧米が企んだシリアへの軍事介入はイスラエルの安全を確保するためであったが、国連安保理でのシリア制裁決議がロシア・中国の反対で決議出来ず、多極化の下で主要国の利害対立で冷戦時代に似た政治状況が生まれている。

 こうした中で中国の軍事的拡張主義の野望が南シナ海と東シナ海を自己の管轄海域と定めて、軍事大国化の野望が尖閣諸島への公船(=巡視船)の強引な行動となって表れている。中国経済は反日暴動後中国内の日本企業が工場の東南アジアなどへの移転、さらにはシャドーバンクの破たんの危機がせまり、建国後最大の経済危機に直面している。

 注目しなければならないのはアメリカ・欧州・ロシア・日本で排外主義的運動が成長している事である。アメリカではメキシコなどからの密入国者への反発が、ヨーロッパでは移民や東欧からの出稼ぎに「雇用を奪う」との反発が出てドイツやフランスで極右勢力が成長している。

 ロシアではシベリア地域への中国人の流入に反発し、中国人街建設反対の声が高まっている。日本では在日朝鮮人・韓国人への反発から排外主義的デモが行われるようになった。

 世界経済の同時不況、温暖化による異常気象や地殻の活動期による災害の増加、民族排外主義の広がり、さらには政治上の多極化という、これらの世界情勢の現局面の特徴は、過去に世界大戦につががった経験から見て、世界の労働者階級の反戦・平和の闘いが階級的任務として急浮上している事を見て取らねばならない。

 我々は、新自由主義の強欲の資本主義に反対し、野蛮な搾取に反対すること、世界の各国が民族自決権を認め・尊重し、内政不干渉と平和主義の原則を守るよう労働者階級の国際的責務として言論活動を一層強化しなければならない。

(2)今年度の国内情勢の特徴について

 総選挙による自公政権の復活は、主に民主党政権の消費税増税や子ども手当の放棄など公約違反が反映したものであった。つまり国民は土木資本主義の自公政権の復古を支持したわけではなかったのである。かつての民主党の政権獲得時の公約「コンクリートから人へ」は正しかったのであるが、管・野田の裏切りが国民の離反を招くこととなった。

 安倍政権がアベノミクスの円安誘導による輸出の回復、国土強靭化政策による公共事業のバラ撒きは一時的に経済の回復をもたらしたが、これは消費税が増税されるまでの一時的なものである。しかし野党の多党化による政権の受け皿がなく、安倍自公政権は安泰の政治情勢が生まれている。

 政府の「産業競争力会議」や「規制改革会議」や「雇用ワーキンググループ」が進めようとしている解雇の金銭解決・限定正社員制度・解雇の自由化はまさに小泉改革の反動復古ともいうべき政策である。しかし現在の議会の「一党支配」ともいうべき状況下では、こうした搾取強化の政策の実施は避けられない状況となっている。

 日本の労働組合が家畜化している状況の下では、アベノミクス自体は消費税増税で短期に失敗に終わる可能性が強く、労働条件の悪化を目指す解雇規制の緩和が一層デフレ傾向を強めることは避けられない。

 日本の国民経済の復活の為には高い賃上げが必要なのであるが、強欲の資本主義に取りつかれたブルジョア政権が賃上げ誘惑をするわけがなく、したがって今後も日本経済の高成長はあり得ない。

 日本経済は対米従属から来る政治上の制限で、産業構造の転換ができず、いつまでも自動車や電機では中国や韓国に追い上げられるのは当然なのである。航空機産業や宇宙産業、その他の先端産業への移行を目指す産業政策が、アメリカの「同盟管理」(=支配従属同盟)で不可能なことが日本経済低迷の主因なのである。

 日本はいつまでもアメリカ国債を買わされ、「米軍受け入れ国支援」や「思いやり予算」の国家的搾取を受け、米軍に守ってもらう(=支配される)ことではいけないのである。

 我々は日本の対米自立の運動を主に言論の形で展開してきたが、引き続きこの民族課題の為に対米自立の運動を展開しなければならない。

(3)新世紀ユニオン2013年度活動総括

 新世紀ユニオンが社会貢献活動として行っている無料労働相談は1月から6月の半年間で100件近い相談があった。東日本大震災後相談件数は急減したが再び相談件数が増えている。今年度の相談内容はパワハラが去年の3倍ほどに増えており、逆に解雇の相談が減少している。

 昨年度解雇裁判は00件であったが、これらはほぼ解決した。しかし2件の事案が、審判での和解にも関わらず解決金が支払われない事態となっている。こうしたブラック企業との闘いは大きな解決すべき課題となっている。

 相対的に解雇事案での解決金の額が低下しており、これは解雇の緩和措置に向けた司法の方針である可能性が高い。パワハラ事案の急増の中で精神的暴力を肉体的暴力と同じ刑事事件とする法整備が求められている。

 ところが現状ではパワハラによるうつ病などの精神疾患に対する労災認定は大阪では10%ほどにすぎず。多くの企業がうつ病での休職者を原職復帰させず、酷い場合は職場ぐるみでイジメ倒し、病気を再発させて、職場から追い出している状況がある。

 新世紀ユニオンでは、今年度2回(5月と9月)の組合員交流会を開催し、こうしたパワハラ問題についての闘い方の認識を高めてきた。現在4件のパワハラ事案の裁判を闘っているが、パワハラの被害に対する闘い方は定まっていないのが現状である。

 しかし新世紀ユニオンではこの間の少なくない経験でパワハラの対処法を確立できるまで研究が進んでいる。パワハラ裁判の経験を勝利的に実践し、教訓化する事が社会的に求められている。

 新世紀ユニオンの以前からの課題は、解雇された労働者が審判を闘いたいが、弁護士の着手金が支払えず、闘いをあきらめる労働者が少なくない事であった。これは解決金相場の急落もあって労働審判や裁判をあきらめる人への救済をどうするかが我々の大きな課題であった。

 今年度テストケースとして本人の申請による労働審判を闘い、勤続1年であったが9カ月分の解決金で和解する事が出来た事は評価できる。今後弁護士の着手金が無い人でも、本人申請で審判を闘えるめどが立った事はユニオンにとっては大きな前進と言える。

 日本の労働裁判の原則は、現状回復主義である。つまり解雇されても慰謝料は認められず、未払い賃金が支払われるだけなのである。だから賃金が安いと裁判がペイしないのであきらめる人が多いのである。

 政府がアメリカルールに習い解雇規制の緩和を進めるなら、アメリカのような懲罰的慰謝料も是非とも導入してもらいたい。解雇裁判やパワハラ裁判での高額の慰謝料の容認を司法改革として求めていくことも社会的課題となっている。合わせて裁判上の和解による解決金の不払いについては詐欺罪などの刑事罰を加えるようにすべきである。

 司法が無力であるならブラック企業が増えるばかりである事を今後運動の中で訴えていく事が求められている。加えてパワハラ事案での慰謝料の低さは、日本の人権侵害への司法の軽視を証明しており、これについても今後宣伝していかねばならない課題である。

 司法の反動判決についても触れなければならない、国立大学や学校法人に対する労働裁判で、とりわけ反動判決が目につく。これは我々も今年度いくつかの裁判で経験したことであるが、被告が大学や官僚の天下り法人だと、司法は無茶苦茶な弱い者イジメの判決を下す傾向がある。

 その度に司法改革が日本で一番遅れているという点を痛感させられるのである。新世紀ユニオンは今後この点での言論活動を強化していく事が求められている。

 労働裁判でユニオンの指導で証拠もそろえ勝利が確実な事案で、会社側が会社を解散させ親会社が事業継承した為、裁判官が解雇から解散までの4カ月分しか和解金を認めず160万円しか取れなかった事は残念としか言いようが無く、法人格否認の法理で闘うには弁護士が「証拠が無い」ということで断念せざるを得なかったのである。今後こうした裁判対策としての計画倒産が増えるのではないか?と心配している。

 解雇事案であろうとパワハラ事案であろうと比較的早くユニオンに加入した事案は、多くの証拠によって概ね勝利的に進行している。

 問題は事態が悪化してから駆け込んでくる場合の困難な闘いを、どう勝利につなげるかである。解雇や雇止めされてからどのように証拠を集められるか創意工夫が必要である。一部に「労働者の側も証拠を偽造すべきだ」との意見もあるが、それは逆に敗北のリスクを高めるので支持できない。創意工夫で証拠を集める努力をすべきである。

 ユニオンの交流会では、概ね対敵闘争の観点から発言が行われている。しかし中には個人的立場からの一面的発言があり、参加者の批判が起きる場面が見られるようになった。組合員の間で意見の相違は批判と自己批判で解決する事はユニオンの団結を強化する事になるので良い事である。

 労働者は闘う者の利益、立場に立って、対敵闘争の観点から物事を見、考え分析する事を身につけていかねばならない。いつまでも自分の利益からだけ見るのではなく、労働者階級の視点から考え発言できるように学び・訓練しなければいけない。

 財政上のユニオンの課題は、相変わらず組合費の未払いが多い事である。解雇され失業している人ならともかく、月づきの収入があるのに、収入の1%の月づきの組合費を払わない人が少なくない。

 日本の企業内組合は組合費の給与からの天引き(強制徴収)で、次第に組合民主主義を形骸化し、労働官僚の支配する家畜労組となった。我々新世紀ユニオンは組合員の自由意思に基づいて振り込む事にしている。このことは組合民主主義を取りもどす第一義的なやり方であり、我々は口座からの振り込みや、給与からの天引きは、自主管理労組の取るべき方法ではないと考えている。

 労働組合(ユニオン)は組合員の助け合いで、労働者の闘いの砦として役立つようにしなければなりません。ユニオンの財政はあくまでも個人の組合費が基本であり、自由意思に基づく支払いが労働者の義務として行われるよう教宣活動を強化しなければならない。

 政府の進める解雇の自由化が行われると、新世紀ユニオンの財政が危機になる事が予想出来るだけに、組合員の利己的意識・個人主義を克服して財政的にも団結心で新世紀ユニオンを支える事が求められている。

 新世紀ユニオンの組合員は、実践の中での貴重な経験を総括し、正反両面の教訓を明らかにし、裁判に敗北しても、勝利しても、労働者の闘いは終わりではなく、闘いを堅持するという立場から仲間の教訓、自分の教訓を明らかにしなければならない。

 新世紀ユニオンの社会的役割は、労働者の闘いの戦術レベルを上げる事、労働者の闘いを理論化し、対処法を豊富にすることであり、新世紀ユニオンの組合員は自らの先進的な階級的役割に誇りを持たなければならない。
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