安倍首相が財界になん度も賃上げを要請したのに、示された回答は、2兆円の利益を上げたトヨタで2,700円、一時金は6.8ヶ月の満額、ホンダ2,200円の満額、日産が3,500円の満額、パナソニック2,000円という回答であった。満額回答が多いが、これはもともとの要求が自粛で、「満額」は、いわば家畜労組の証明のような言葉である。
日本の労組の家畜化が、継続的賃下げとなり、この為消費購買力が低下を続け、日本経済の長期低迷=デフレの原因となってきたので、日本経済が持続的成長を果たすには消費購買力を高めるほどの賃上げが必要な時であった。
日本企業は莫大な内部留保を抱え、ただ強欲さだけを膨らませ、庶民の懐は閑古鳥状態が続いてきたのである。これは日本だけでなく欧米先進国も同様に、経済は長期停滞が続いている。その中で日本の経済が最も酷いのは労組の家畜化が原因なのである。
資本主義経済が高度成長するには、適度な分配率が必要なのである。その為には強い労組が理想なのである。だから戦後のGHQの労働改革が労組を合法化し、不当労働行為を禁止して強い労組を保証したのである。ところが強欲な日本の資本家は労組を家畜化して賃下げを行い、消費購買力を縮小させ、経済の長期停滞を招く事となった。資本家は強欲を少しは恥じるべきであろう。
つまり「労働者階級と資本家階級は資本主義社会では、対立面の統一の関係にあり」経済成長の為にはどちらも相手の存在に配慮しなければならないのである。ところが継続的賃下げが、労働者階級の生存(=再生産)を不可能にするまで賃下げが進んだ事が、個人消費の縮小を招き、日本の経済縮小の原因であったのである。つまり経営者の強欲が招いた長期不況だったのである。
日本経済が成長軌道を取り戻せるかは、消費税増税分を賃上げ分が上回る事が必要なのである。今後中小企業に賃上げが波及するかがカギとなるであろうが、下請け企業には無理であろう。日本の基幹産業の金属労協の賃上げが低いので、デフレ脱却は難しいと見るべきであろう。
資本主義の成長には強い労組が必要な事を日本の経営者が理解できるかが問題なのである。企業の個別利益しか見えず、国民経済を発展させる視点が日本の経営者には欠けている事を指摘しなければならない。
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