新世紀ユニオン発行のニュース

日本の林業に未来はない

 第1次産業というと農林水産業であるが、この中で林業に関する話題が少ない。農業はTPP問題やFTA問題で注目され、日本における食の問題と関連して注目されている。これに先立って、マンガ『もやしもん』(石川雅之著)でも日本の農業や食糧の問題が取り上げられており、若い世代への啓発書となっている(ただし、このマンガには酒類の話題がいささか多く、若い人たちへの飲酒奨励となっている印象がある)。また、水産業についても、ホンマグロの完全人工養殖が成功したとか、ニホンウナギやクジラが獲れなくなるとか、あるいは領海問題と関連して水産資源の重要性が再認識されている。それに比べると、林業をニュースで目にする機会が少ない。

 元来“林業”とは、木材を生産する産業である。日本の家屋は独特の気候と風土との関係から木造が適していた。昨今の温暖化に伴う夏の猛暑やゲリラ豪雨が頻発するようになり、木造家屋が適しているとは言えなくなっている。当然のことであるが、木造家屋も昔ながらの建築法ではなく、最新の工法が導入されており、断熱性も良くエアコンもよく効くようになっている。しかし、国産材の自給率は年々減っており現在では約28%である。食料自給率より低い(39%)。一方、海外からの輸入が増加している。つまり、国内の林業はすでに産業として成立しておらず、生計を立てるための仕事とするには難しい状態である。

 林業が産業として成り立たなくなっている理由は色々と挙げられるだろう。林業従事者の高齢化や後継者不足、集約的な林業の未確立、建築関連企業の外国産材依存、木造住宅から鉄筋コンクリートの住宅・マンションへの移行、等々。しかし、根本的な問題は、大企業が国内産材を活用しないためであろう。林業が産業として機能するためには利潤を生みだすだけのメリットがなければ企業は手を出さない。日本の林地は急峻で林道が充分に整備されておらず、大型作業機械の導入が困難であり、たとえ可能であったとしても、海外ですでに製材された木材の方が安価で品質が安定しているのであれば、そちらに目を向けるのは当然である。現在の林業は、大手企業が見捨てた中で運営されているのである。

 では、林業を見守っているのは誰なのかというと、行政である。国あるいは各都道府県の林業課が税金を投入して荒廃しつつある林業を助けようとしている。ためしに、ネットで『林業振興』と検索すると、各都道府県の行政のサイトしか上位に来ない。あるいは、行政の手先のNPOがリストアップされるだけである。民間企業は林業を見捨てている。しかし、その行政は、ちょっと納得しがたいアイデアで林業を助けようとする。例えば、国内産木材あるいは都道府県内で生産された木材を使って家を建てると補助金が出る、というシステムがある。しかし、これは変な話である。家を建てた人以外は関係がないのに、関係ない人たちが納めた税金が投入されるのである。道路や河川の整備のようなあらゆる人に関わりがある税金の使い方なら納得がいくが、家を建てた個人のために、またその木材を供給した林業・木材関係のわずかな人たちのために税金が使われるのは、不公平であるとしか言えない。こうした行政による林業への甘やかしが一層産業としての林業を荒廃させているのである。

 林業家というよりは山持ち・地主というべき人たちは、高齢化や人手不足の理由もあり、山の手入れを怠っている人が少なくない。手入れしていない樹木はたくさんの節ができてしまう。日本では節のない木材が高く売れるが、節だらけの木材は高く売れないから、売っても儲からないのでなおさら放置状態になる。しかし、日本では土地は動かない財産であるから決して林地を手放すことはない。このため海外で実践されている集約型林業運営が困難になる。議員やお役人が林業の改善のために税金を使って海外視察に行っているが、日本は土地を集約できないため何の役にも立たない。このような海外視察は即刻やめるべきである。話がそれてしまったが、地主が金にならない山を資産として持ち続けていることが、林業振興を阻んでいるのである。挙句の果てに、台風や豪雪で被害を受ければ補償金だ賠償金だと騒ぎ立て、二束三文の価値しかないような木材の損害に、行政が金を出す。税金を納めている側から見れば、行政の林業への支出はあまりにも甘いと感じる。

 役人は木材生産としての林業に見切りをつけて、新たな大義名分を掲げている。つまり、『公益的機能』とか『環境保全』である。公益的機能とは、わかりやすく言うと「森林は保水性が高く水源となる」とか「日本の急峻な地形では森林が土砂災害を防いでいる」とか「緑豊かな森林は生物多様性の保管に役立っている」という意味であり、環境保全と組み合わさって、「地球温暖化ガスである二酸化炭素を吸収し酸素やオゾンを放出する森林は、地球環境のために大事にしましょう」という意味にもなる。また「緑豊かな森林に来ると気持ちいいでしょう」といったレクリエーション機能を強調する場合もある。環境保全には別の意味もあり、「豊かな山を造ることは、川下から海への環境を保全し、海産物の収穫や質を向上する」ことも主張する。なんとなく、風が吹いたら桶屋が儲かる的な話である。その結果として、土砂災害防止のため、崖や河川の整備に税金を投入し、結果として建設業が儲かる。また、人が来ない山奥に森林公園なるものが造られ、無駄に道幅が広げられ舗装道路が増え、トンネルや橋が造られ、やはり建設業が儲かる。林業にはほとんど関係がない。

 環境保全を謳いながら、妙な政策もある。例えば、京都の東山では景観を良くするために、樫や椎の木を切り倒し、代わりに山桜や紅葉を植えるという。京都の寺社仏閣では借景を利用して庭園が造られており、山の景観が重要となるというのが理由らしい。実際、生物多様性条約の中には『景観の多様性』という項目があり、それに基づいているように見えるが、一旦切り倒された森林からはそこに棲んでいた動物・鳥類・昆虫がいなくなり、切られなかった植物でさえ環境の変化で死滅する。そこに外部から樹木を持ち込んで植えるというのは、自然の摂理を無視した環境破壊と言える。しかも植栽する樹木が、山桜や紅葉というのは、明らかに観光を目的とした景観作りであり、山地の環境保全とは思えない。森林の管理政策は目的を見誤っている。

 よくよく考えると、森林公園を造り、そこにも桜や紅葉や、外来性の花や植物がたくさん植えられている。これは、その地域の森林や自然を理解するための公園づくりではなく、レクリエーションを目的としており、山林の保全を啓蒙する場ではなくなっている。そうした公園で自然観察会が行われても、その地域固有の自然環境ではなくどこかの植物園のような環境では土着の風土を理解することにはならないだろう。さらに、炭焼きや和紙作り体験をさせるというのは、1次産業ではなく3次産業である。山村の文化や伝統を廃れさせず、次世代へ知ってもらうためだなどと言うが、現代ではこうした物づくりで生計を立てられるわけではなく、体験サービスで稼いでいる以上、これはサービス業でしかない。もっと変なのは、森林ボランティアという林業体験である。ボランティアの言葉通り、都市に住む人たちに無償で林業体験をさせてあげるサービスである。参加費は高くないが、ボランティアに行く側が金を払うのが不思議である。林業は、本業では儲からず、3次産業で稼ぐようになっている。

 林業が1次産業でなくなりつつある一方で、林業にかかわる役人は多すぎるように感じる。Wikipediaで見ると、林野庁に関係する役人は5,273人にもなる(2010年)。これに、地方の林業課の職員を計上するとかなりの人数になる。山地の整備は重要であるが、『環境保全』を大義名分にするのであれば、環境省や環境課と合併させてもいいのではないだろうかと感じる。山地や林地の整備のための予算が、道路や橋やトンネルといったインフラ整備のために使われているのであれば、国土交通省と連携してもいいのではないかと感じる。林業が1次産業ではないことは行政が自覚しているとしか思えない。

 では、林業の復興のためにはどうすればいいだろうか。残念ながら現状では手の打ちようがない。円安で輸入材が高くなれば国産材の需要が増える、とか、中国が海外で木材を大量に買い付けて輸入材が高くなると国産材が売れる、とか、そういった話題もニュースに上がっている。しかし、こうした副次的な結果で一時的に国産材が売れたとしても根本的な解決にはならない。木材を使ってキノコを作ればいいではないかというアイデアもあるだろう。しかし、日本の建築用木材は主に針葉樹(杉・檜)なのでキノコ栽培には向いていない。しかも、キノコ産業はすでに林業を見放しており、キノコ栽培に木材ではなくコーンコブ(トウモロコシの芯を粉砕したもの)を活用しつつあり、キノコ栽培は林業ではなく農業のひとつとなっている。最近のスーパーで某JAの出荷したキノコがたくさん並んでいることを見れば、農業であるというのも間違いではない。

 ここからは暴言だと前置きして提案するが、ためしに林業に中国資本を入れてはどうかと思う。日本人の凝り固まった頭ではなく、柔軟な頭を持つ中国の資本家は、持ち前のバイタリティと多彩なアイデアで、閉塞している日本の林業の活用法を考えだすのではないだろうか。あるいは、ヨーロッパ圏の林業家でもいいだろう。ある程度の規制緩和を伴って1次産業としての活用法を考えるべきであろう。日本の森林のおよそ半分が人工林であり、本来ならば資源となるべきものである。それを使いこなすアイデアが出ないなら、多少のリスクは伴うかもしれないが、海外の知恵者を連れてくるしかない。現在のように無駄な税金投入を減らし、継続的に稼ぎ出す術を作り出せないのであれば、日本の林業に未来はない。
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被告会社の準備書面の手口について

 労働裁判は、原告・被告共に準備書面で主張・反論し、併せて証拠となる書証も提出していきます。全体の流れとしては、主張に対して反論し、その反論に対して更に反論していきます。要するに、
主張-->反論-->再反論-->再々反論(繰り返し)

 この様な進行で、全て準備書面という書面でやり取りをしていきます。
これにより、お互いの言い分を出しつくし、争いのある事実を探りだし、争点を絞り込んでいきます。本来これらの準備書面のやり取りは、法的な争いに関する内容の主張・反論となるはずです。

 ところがこの準備書面でのやり取りで、被告側が不利な状況に追い込まれ裁判の勝ち目が薄くなると、なりふり構わず、感情的な内容の書面になってくる場合があるようです。この狙いはどこにあるのでしょうか。

 先ずこの手口の要点をみてみます。
●何の根拠も無い事実を作り出し、原告である労働者の言動を批判・非難する
●原告である労働者の人間性・人格を徹底的に否定する攻撃をしてくる
●何の根拠も無い事実から、原告である労働者をこの裁判とは別に訴える、或は刑事告訴する用意があると主張してくる

 主にこの3点に関して準備書面に酷い内容の文面で主張・反論してくるようです。

 この狙いは一体なんなのでしょうか?ある意味被告側の弁護士の能力を疑いたくなってしまいますが…とても不思議に思うので、この目的・狙いを推測してみました。

 先ず言える事は、原告側の証拠及び戦術が巧みな為、正統な裁判戦では勝ち目が無いので、これは非常手段の1つではないかということです。そしてこの狙いの1つ目ですが、それは裁判官に働きかける意味合いが考えられます。

 如何にも原告が酷い言動をする人間か及び醜い人間性であるかを強調し、こんな人間が提出する証拠は信用できない、即ち証拠能力が無いと裁判官に思わせたいのだと思います。次に最大の狙いと考えられる、原告への働きかけです。

 それは何の根拠も無い事実を作り出して、如何にも原告が酷い言動をする醜い人間性であるかを強調した準備書面を作り、それを原告に読ませることで原告自身に精神的に苦痛を与えることです。被告の弁護士は、原告が初めての裁判で精神的に不安定になっていることを知っており、それを利用して人格を否定する攻撃をしてくるのだと思います。

 人格を否定する攻撃をやり続けて精神的苦痛を与えることによって、裁判を続けていく気力を失わせて、あわよくば裁判を取り下げさせようとする狙いがあると思われます。これはモラルハラスメントの手口と同じです。

 モラルハラスメントは、「言葉や態度で繰り返し人格を否定する攻撃をして、攻撃対象の人間が自分自身の感覚が信じられないように仕向け、否定の世界に支配されるようにする」という様なやり口ですが、この手法を応用しているのだと思います。

 また、原告を別の件で訴えるとか、刑事告訴する用意がある、というのも法律に詳しくない原告の不安心理を煽って裁判を取り下げさせようとする狙いがあると思われます。

 このように被告側の手口の目的・狙いを推測してみました。

 もし被告側の狙いがこのようなことだとすると、その対応策は自然体でいいのではないかと思います。それは例えば、「告訴等する用意がある」という…ある意味黙示の脅しともとれる内容については、実際問題、何の根拠も無い事実で告訴等できるわけはありませんが、仮に告訴してきたとしても原告側は冷静に合法的に対応すればいいのではないかということです。

 それは告訴してきたのなら、こちらも法律で対抗するように考えればいいのであり、この場合は逆に虚偽告訴罪として被告側の罪を問えばいいだけのことだと思います。

 基本的に被告側のこの手口による主張・反論は、この裁判の争点とは関係が無いことばかりですから、裁判の審理の本質に影響を与えるものではないと考えるべきだと思います。

 ですから、根拠も無い事実による原告の言動や人間性を批判・非難・否定する主張はモラルハラスメントと同じ行為であると考えられ、これをモラルハラスメントとするならば、おかしいのは原告ではなく被告側であるということになります。

 その認識をしっかりと持てば、原告は第三者の立場で他人事の様に淡々と被告側が主張していることは事実では無い、ということを反論していけばいいだけのことだと思うのです。被告側は何の根拠も無い主張を作り出したのですから、その事実を証明する根拠となる証拠などあるはずがありません。

 原告は裁判の争点に向かって神経を集中させるべきであり、それ以外のことは他人事の様に淡々と処理していく…これが結論となるのではないでしょうか。

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1年の契約社員に3ケ月の試用期間?



 私はある病院に1年間の契約社員で就職しました。ところが1カ月立って「2カ月間自宅研修にするので給料を払いますから、3カ月の試用期間で解雇します」と言われました。

 1年間の契約社員なのに何故試用期間なのか疑問です。私は3ケ月で辞めなければならないのでしょうか?どう対応したらいいでしょうか?私は契約期間いっぱい働き続けたいと思っています。




 有期雇用契約の場合、期間途中の解雇は、期間の定めの無い労働契約における解雇と比べ、解雇の有効性が厳格に判断されます。(労働契約法17条1項)

 あなたを雇用した経営者は契約後雇用のミスマッチに気づき、解雇しなければならないことになりましたが、今解雇すると契約期間の残りの期間分の賃金の支払い義務が生じます。

 そこで「試用期間」内というごまかしで、3カ月までは自宅待機で給料を支払うので、3ヵ月で辞めてほしい、との合意解約の申し入れをあなたにした、ということのようです。

 あなたがこの申し入れを受け入れると合意解約が成立します。ですからあなたはこれを拒否しなければなりません。(証拠を残す為有印の書面でコピーを取った上で拒否する事が重要です。)

 本来1年間の契約社員に試用期間はありません。あなたの労働能力を評価して1年間の契約社員にしたのですから、雇い主は解雇する時は契約期間の残り期間分の賃金を支払う義務があります。

 医療事務や看護士の資格は労働能力があることを証明しているので、本来試用期間等はありません。だまされないようにして下さい。

 労働契約法20条は有期契約労働者は、契約期間を理由とする不合理な労働条件について、是正を求めることができます。あなたは居住地の信頼できるユニオンに加入し、団体交渉で不当な「試用期間」を理由とする合意解約の申し入れを撤回させるか、もしくは契約期間の残りの賃金全額を支払って貰うべきです。
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労働者の絶対的貧困化が急速に進んでいる!

 新聞報道によると厚生労働省が8月18日にまとめた6月の毎月勤労統計調査によると、基本給にあたる所定内給与は前年同月比0.2%増の24万2830円となり2年3カ月ぶりに増加に転じた。しかし物価は賃金を上回るペースで上がっている。

 現金給与総額を消費者物価指数で割った実質賃金指数は賃上げが行われた今年4月がマイナス3.4%5月がマイナス3.8%6月もマイナス3.8%となっている。つまり賃上げが行われたと言ってもそれは消費税増税や、物価の上昇には及ばなかったことを示している。

 この結果勤労者所帯の今年6月の実収入は前年同月比1万8303円減少し、これに物価上昇を考慮に入れた実質で6.6%の大幅減少(総務省発表の6月の家計調査)となっている。これから税金や社会保険料を除き、家計が自由に使えるお金=可処分所得では実質8%の減少となっている。これを反映し今年6月の消費支出は93.9%と落ち込んだ。

 政府はこうした状況を受けて10月から最低賃金を引き上げることにしているが、時給が16円上がったところでインフレ傾向の下では実質賃金の上昇にはつながらないことは明らかである。

 つまり我々が以前から明らかにしてきたように、日本のデフレ傾向は変わらず、むしろデフレ下の物価上昇になり、労働者の絶対的貧困化が深刻化しているのである。日本経済の縮小再生産を克服するには大幅賃上げが必要なのである。

 政府は来年消費税率を10%に上げるというのだから労働者の生活は悪化するばかりである。安倍政権は一方で消費税を上げ、他方で法人税を大減税するというのだから、自民党の大企業中心の政治は労働者人民の貧困化を促す酷いものである。彼らには国民経済を活性化するという発想がそもそも無いのである。

 特定の裕福な階級だけが巧い汁を吸う政治では、個人消費は縮小を続け、結果として国民経済は衰退していくことになる。労働者に配分する労働分配率が傾向的に低下しており、富の分配が一方の支配的階級に有利に傾けば、国民経済が傾向的に疲弊する悪循環になるよい例である。

 賃上げが少なすぎるという意味で、労組の家畜化が国民経済に及ぼした害毒であると同時に、アベノミクスによる円安が招いた災厄と言えなくもない。強欲の資本主義を止めて、富の再分配を強化し、働く者の生活が大幅賃上げで改善していくようにしなければ、国民経済は一層疲弊していくことになる。
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解雇事案の戦術的に重要な点について!

 会社側は解雇事由を「勤務態度に改善がみられない」とか「能力が無い」「成果が無い」など抽象的に書いてくるのが一般的です。ですから解雇理由証明書の発行を求めるのですが、それでも抽象的な内容が多いので、その時は質問書(内容証明郵便)で具体的に説明を求めておく必要があります。

 裁判の中でも被告企業は従業員の悪意ある陳述書等で、偽りのことを抽象的に並べてきます。その時は「求釈明」を求めて具体的に説明させる必要があります。つまり相手に嘘を積み上げさせて、その上で嘘を崩すことが裁判戦術上重要だということです。相手にでっち上げをたくさん並べられるのを恐れて「求釈明」を求めないと、裁判官は心証を悪くする可能性があります。真実は具体性(=特殊性)の中に有るので、相手の偽りを暴露するには、「求釈明」で偽りの解雇理由を具体的に高く積み重ねさせれば、倒しやすいのです。

 説明を求めると被告企業は事実をゆがめたり、拡張して最もらしく理由をねつ造してきます。解雇理由を抽象的なママにしておくよりは具体的に述べさせた方が経験では暴露し易いのです。質問書や「求釈明」で相手の具体的な主張・説明を述べさせて、その嘘を崩すようにしなければなりません。

 被告企業は従業員を使っていくらでも証拠をねつ造できます。しかし解雇理由をあらかじめ具体的に明らかにしていたり、質問しておけば、ねつ造の手足が縛られ、回答が無ければ無いで裁判は原告に有利になり、回答があればある程矛盾点が出て嘘を暴露できます。

 つまり被告企業が裁判の中で嘘をたくさん並べることを恐れてはいけないのです。嘘が多ければ多いほど崩しやすいと考えて下さい。違法解雇の特徴は嘘の解雇理由を崩せるかどうかが勝敗を分けることになります。ですから解雇理由をあらかじめ具体的に明らかにさせておくことが必要です。

 また企業側に解雇の正当理由があるとき、例えば「営業成果が上がっていない」という解雇理由を成り立たなくする「布石」も必要です。例えば営業成績が明らかに成果が挙がっていない時は、会社に成果が挙がるように価格設定の変更や営業条件の見直しなどを書面で求めたり(証拠を残し)して、成果が挙がらない理由と対策を提案しておくことが必要です。

 抽象的解雇理由をそのままにして訴訟に入ったりしてはいけないし、訴訟の中で「求釈明」によって被告に具体的に主張・説明をさせることを恐れたり、避けてはいけないのです。
相手の具体的解雇理由が分かれば、それが正当な解雇理由にならないように対策をとり、あらかじめ「布石」を打てば良いのです。

 こうした解雇の戦術指導は組合員はユニオンの指導に忠実に従うようにして下さい。よこしまな意図からユニオンの指導に従わず、証拠を残さず、あるいは戦術を独断で決定し、その結果失敗する例も時々あります。つまり解雇裁判を勝てるかどうかは、指導の側と指導される側の二つの側面(=要素)があるということです。
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対立と分裂深めるアメリカ社会の病理!

 8月9日にアメリカ・ミズーリ州で丸腰の黒人青年が警官に射殺された事件で抗議のデモが続き、デモは全国に拡大している。8月19日にはオバマ大統領が自制を促したが、その翌日にはデモ隊の一部が火炎瓶を投げるなど暴徒化し多数が逮捕された。

 アメリカは経済危機で貧富の格差が拡大しており、黒人暴動を押さえる役割から黒人のオバマ大統領が登場したいきさつがある。貧困層に黒人が多いので階級矛盾がアメリカでは人種対立という形が際立つのである。経済危機の中で人民の貧困化が進むアメリカでは現在銃が急激に売れている。アメリカのピストル会社の売り上げはこの5年間で3倍に膨れ上がっている。アメリカ社会は経済危機になると貧富の格差が一層広がり、犯罪が激増する、それに合わせて身を守るピストルが必要となり売れるようになるのである。

 貧困から犯罪に走るのは貧困層の黒人が多いため警官がすぐに黒人を射殺するようになるので、人種差別に抗議するデモが広がるのである。アメリカ社会は反テロ戦争で警官の重装備=軍隊化が進んでいる。つまり今回の警官の黒人青年射殺事件は、経済危機の中でアメリカの格差が拡大し、階級矛盾が激化して、警察の治安重視が社会的背景としてある。

 さてアメリカ経済が今年秋にもバブル崩壊するのではないか、とささやかれている。87年当時のブラックマンデー時の状況と現在の経済状況がよく似ているので、そのような見方が増えつつある。緩和されている金融の引き締めが引き金になる可能性がある。

 11月にはアメリカは中間選挙があるが経済も外交もアメリカの威信はがた落ちで、もしバブル崩壊となれば治安の悪化は今以上に悪化し政治は混迷するする事は避けられない。こうした局面で内政重視のオバマ大統領が、追いつめられているのである。

 国際的にもシリア・イラク・ウクライナ問題で、アメリカは覇権国としての事態収拾の力を見せることができずアメリカの国際的威信は地に落ちている。中間選挙前にアメリカの経済も外交も治安も揺らぎ、アメリカ社会は対立と分裂の傾向を強めているのである。オバマ大統領の支持率は低下し続け、クリントン前国務長官からはシリアの反政府勢力への武器支援に反対したことを批判されるなどアメリカ大統領としてのオバマの地位は揺らいでいる。任期を3年近くも残してレイムダック化する大統領も珍しいのである。
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日本は自立して自分の力で国を守れるようにせよ!

 アジアにおけるアメリカの覇権に中国が挑戦している。アメリカの進めるTPPは経済戦略的意味合いがあるが.秋の中間選挙に向けてオバマ民主党政権は自動車産業や牛肉業界の圧力で、オバマ政権自体がTPPに消極的だ。TPPを締結する力が今のオバマ政権にはない。中間選挙での敗北をできるだけ押さえるのがオバマの戦略だ。その為には中国がいかにアジアの同盟諸国に軍事圧力を加えようとアメリカは我慢するしかない。

 こうしたオバマ政権の戦略的無策はアジアでは現状維持の消極的な戦略となる。これがアメリカの「リバランス」戦略に他ならない。半島の現状固定化としての6カ国会議はすでに破綻し、米・日・韓の軍事同盟はすでに崩壊し、中国の韓国取り込みが進んでいる。

 世界経済が破綻と行き詰まりのもとでは半島国家(=北朝鮮と韓国)のゆすり・たかり外交は成果を得られない。北朝鮮は中国との同盟関係を破綻させ、韓国は見返り援助の期待できないアメリカから中国への乗り換えを策す始末である。いまや韓国における民衆の反米感情は頂点に達している。

 こうして韓国は中国にすり寄り、北朝鮮は日本にすり寄るという奇妙な流動化が起きている。オバマのアジアにおける曖昧な「リバランス」戦略が同盟国の不信を呼び、アジアは中国が主導権を握りつつある。安倍首相はアジア各国を訪問し中国包囲網を目指したが、この戦略は外交上に限られていることが成果が少ない原因である。

 政経分離ということでは韓国の竹島占拠や尖閣への中国の軍事挑発に有効に対抗できないのである。経済制裁が必要な時に「政経分離外交」では足下を見られることになる。韓国と中国の反日共同戦線に日本政府が、経済制裁をちらつかせることもできないのでは、集団的自衛権で国防に成果を期待できないのである。必要なのは解釈改憲ではなく、中・韓に経済制裁をちらつかせることである。

 欧米が軍事力で介入する力もないのに、ウクライナを政権転覆させ、ロシアに漁夫の利(=クリミア半島)を得させた失敗に、こともあろうに足並みをそろえて日本がロシアを制裁する愚をやめるべきである。日本はロシアとの戦略的関係に大胆に踏み出すべき時である。日本はアジアで中国とロシアを同時に敵にはできないのである。

 世界が第二次世界大戦後の国境線の軍事力による変更に突入し始めていることを直視しなければならない。アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換し「同盟国の争いに巻き込まれたくない」(オバマ)と語っている時は、日本は対米自立し軍事力増強が進むまでは、当面経済制裁で対抗するしかない。

 米軍への受け入れ国支援の莫大な資金を日本は防衛力増強に向けた方がいい。中国覇権主義の危険性はヒトラー以上の危険な存在だということを認識すべきで、「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義が、安倍首相の「アメリカの番犬国家」路線と同様に日本を亡国に導きかねないことを指摘しなければならない。
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裁判の自由心証主義について!

 民事訴訟では、裁判に提出する証拠はどんなものでもよく、その証拠の評価及び証拠から類推される事実は裁判官の自由な判断に委ねることになっています。しかし自由な判断といっても、裁判官の恣意的なものではなく、論理法則や経験則に基づいた合理的な判断をしなければいけないことになっています。

 即ち、裁判官の頭の中は最初は真っ白な白紙の状態でスタートし、訴状・答弁書・準備書面・書証・尋問から徐々に争点を絞り、そこから導き出される争いのある事実を探りだし、そこに違法性があるかどうかを最終的に判断しているのだと思います。では労働裁判で原告が主張する事実を認めてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。

 やはりそれには裁判を闘う上での戦略・戦術が必要だと思います。しかしそのような知識等は労働者が持っているはずがありません。その役割をするのはユニオンだと思います。ユニオンには今までに裁判で闘い続けて培ってきた知識・経験・実績等あり、そこから得られたノウハウが蓄積されており、また労働者を取り巻く環境の変化に合わせた戦術・戦略を専門的に研究しているはずです。ですから労働者はユニオンに相談すべきなのです。

 一人では弱い立場で何もできない労働者でも、憲法で保障されているユニオンに団結することによりその保護を受けられ、労働者としての権利を主張できるのです。個別労働紛争に巻き込まれてしまった労働者は直ちにユニオンに相談する必要があります。できれば巻き込まれる前からユニオンに相談するべきだと思います。

 それは個別労働紛争が拗れて裁判に訴えて闘うことになった時、何よりも重要なのは証拠を確保しているかどうかということであり、それで勝敗が左右してしまうからです。ですから労働者が何よりも考えなければいけない事は証拠集めだと思います。証拠は何でもよいのですが、実際はユニオンとの相談・指導のもとで証拠をとっていく必要があります。

 それは裁判で闘うということは、紛争を法的権利で捉え、法的な争いとなるためです。そのためには違法性がわかる証拠・被告側の主張が矛盾している事を示す証拠等を専門的指導の下で集める必要があるからです。その証拠集めも、会社側との対立が表面化してしまうと、常に監視役がつき、行動を注視されてしまう様になり、大変難しくなります。

 できるだけ早くユニオンに相談し、的確な指導による証拠集めに専念しなければいけません。証拠が十分に集まれば、裁判官の心証に強い影響を与えるはずです。裁判における戦術・戦略はユニオンが主体となって原告と話し合いをして進めていけば裁判で不利な結果にはならないと思います。

 最終的には、(原告となる労働者の証拠集め)+(ユニオンの戦術・戦略)+(労働問題専門の弁護士の先生)=裁判の勝利となるのではないかと思います。もし証拠集めが不十分だと、裁判官の心証を悪くし、原告が主張する事実が認められなくなる可能性が高くなるでしょう。

 例えば、原告がパワハラで労災が認定されている事を証拠として提出しても、他の証拠が不十分なために裁判を進めていく上での戦略・戦術がとれず、裁判官に原告が主張する事実を認めてもらえず、結局のところ労災認定はこの事件とは別の事実から認定されたものと判断され、無かった事にされてしまうかもしれないということです。

 労働者が裁判を考えるのであれば、裁判官の心証を左右する証拠集めが絶体的条件であり、『証拠が無ければ闘えない・泣き寝入りするしかない』という事を痛感しなければいけません。証拠を集める際、職場に仲間がいれば心強いのですが、あまり親しくしていない仲間の場合は気をつけた方がいいかもしれません。

 労働者が自分の身を守るためには、信頼度に少しでも不安がある仲間に頼るのは大変危険だと思います。証拠集めは他人をあてにせずに独自で工夫して確実にとれる様にしておく必要があります。また時間がある時に労働法等を調べておいた方がいいかもしれません。

 実際問題、労働法を少しでも知っているのと知らないのでは大きな違いがあるはずです。法律を勉強するのは大変困難なことですが、表面的或は軽度に調べておく様にするだけで思考範囲が広がり、証拠集めにも参考になると思います。
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