最近健康保険、厚生年金保険の被保険者(加入する労働者)の範囲が変更されていますので確認していきます。
健康保険、厚生年金保険の適用要件は大きく二つあります。第一段階では事業所単位で入るか入らないかが決まります。法人(株式会社、有限会社など)は人数に関係なく適用(強制適用といいます)されます。
個人事業主は常時5人以上の従業員のいるところは一部例外を除き強制適用です。(その他強制適用でない事業所でも一定の要件があれば任意適用となることがあります)
第二段階として、この適用事業所で働く労働者が加入するかどうかが問われます。常に使用されている人はこれらの保険の被保険者となります。ここには通常の正社員、代表取締役などの役員、契約社員やパートやアルバイトも含まれます。
パートやアルバイトなどの労働時間の短い労働者は通常の労働者の1週間、1カ月の所定労働時間の4分の3以上の人が対象となります。
その他、何種類か保険に適用されない労働者がいます(詳細省略・適用除外といいます)。すなわち労働契約で労働時間が少ない人や雇われる期間の短い人がこれらの保険に入らないことになります。
加えて2016年10月からは被保険者数が500人を超える事業所で働く労働者で先ほどの通常労働者の4分の3以上の労働時間にあたらない人のうち、次の4点に全部当てはまる労働者が新たに被保険者になることになりました。(短時間労働者といいます)
1.週の所定労働時間が20時間以上
2.賃金の月額が8.8万円以上
3.雇用期間が1年以上
4.学生でない
さらに2017年4月からは被保険者数が500人以下の事業所でも労使協定※で決めれば先の4種類を満たす短時間労働者は被保険者となることになっています。
この制度変更で新たに被保険者になり、保険料を支払うことになったハート、アルバイト労働者が増えることになりました。これらの制度変更に伴って混乱が生じているようです。
すなわち、契約更新の際などに労働条件を変更して、意図的にこれらの社会保険の要件にあてはまるようにしたり、あてはまらないようにしたりすることが考えられます。
労働者の皆さんはご自身の意図に反して社会保険に加入できたり、加入できなかったりする状況になっているかもしれません。ご自分がこれらの要件にあてはまるのかどうかをチェックしてみることが必要となっています。
※労使協定:その事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある時はその労働組合、そのような労働組合がない場合は労働者の過半数を代表するものとの書面による協定のこと。労働基準法ではよく登場します。(時間外労働を可能にする36協定など)
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