通常国会に政府が提出し、成立を狙っている「働き方改革」関連一括法案(8本)は本当に労働者のために働き方を変える法律なのでしょうか?
安倍政権の「働き方改革」は聞こえはいいものの中身はとても「改革」といえたものではありません。以下具体的に見ていきます。
<高度プロフェショナル制度>
年収1075万円以上の「高度専門職」について、労基法の規制を適用除外し時間管理もせず残業代も払いません。政府の狙いはこの「残業代ゼロ法案」を徐々に拡大し、やがては労働者の残業代を払わない制度を狙っています。事実財界は法案成立後に年収要件や指定業務を緩和するよう政府に要求しています。つまり残業代を払わなくて良いように規制を段階的に緩和するものです。
<残業時間の上限設定>
36協定で残業の時間が青天井なのを、「上限を決める」として休日労働を含め2~6カ月平均で月80時間以内、単月で100時間以内まで残業の上限を認める法案です。
この法案が通ると事実上残業時間が月100時間まで増えることを多くの労働者が心配しています。「上限設定」といえば聞こえがいいのですが、実際は長時間労働を合法化し拡大する規制緩和です。
<解雇の金銭解決制度>
解雇の金銭解決制度とは違法解雇で会社側が負けても会社がお金を支払えば合法的に解雇できる制度です。現状では違法解雇が裁判で明らかになれば未払い賃金を払い、原職に復帰させねばなりません。
この制度ができるとユニオン等の活動家を狙いうち解雇し、裁判で負けても金を支払えば職場から追放できる制度であり、事実上労働組合法の不当労働行為の制度が空洞化します。すなわちこれは戦後「労働改革」の骨格の不当労働行為制度を廃止するものであり、成立すると日本資本主義は市場規模の縮小の度を増すことになり、国民経済にとって重大な打撃になります。
このほか安倍政権は「同一労働、同一賃金」と言いながら「仕事・役割・貢献度に応じて処遇すべきだ」という財界の主張をいれ労働者の賃金格差を温存する欺瞞的「同一労働、同一賃金」を入れようとしています。
安倍政権がいまだに「強欲の資本主義」の政策である規制緩和を進めているのは、搾取率を高め、分配率を下げれば下げるほど、資本主義経済に打撃となることを理解できていない為、ただひたすら個別企業の利益を追求しているのです。
企業の個別資本家の利益と、資本家階級全体の利益とが対立するということが経斉理論的に理解出来ないゆえに起きるブルジョア政治家の誤りなのです。したがって安倍政権のこの「働き方改革」関連一括法案が通ると、日本経済は今以上にデフレがひどくなり、労働者の待遇は一層悪化することになります。
したがって新世紀ユニオンは「働き方改革関連一括法案」に断固反対します。
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