2020年度活動総括(案)
2020年度は、世界中が新型コロナ感染症に揺さぶられた一年だった。感染症の広がりで、世界中が鎖国状態となり、世界経済はリーマン・ショックを上回る打撃を受けた。
中国の武漢から広がった新型コロナウイルスは、温暖化の結果でもあるが、同時に「四つ足は机以外はすべて食べる」「珍しい生き物ほど慈養がある」として、獣の取引市場が中国国内に数百か所もある中国漢方思想の独特の食習慣が引き起こしたものである。
冷戦の後のグローバル経済が拡大すればするほど、人類が極めて感染症に弱体であることを指摘しなければならない。8月13日時点で、世界全体で2040万人が感染し、74万5,000人もの人が死亡した。まるで環境破壊した人類への懲罰であるかの事態であった。
日本での感染症を原因とする解雇者数は、7月末での厚労省集計で4万人を超え、コロナ倒産、コロナリストラが激増し始めた。
感染症を原因とする解雇は、津波や洪水などの自然災害と同じで整理解雇が合法となる。ゆえに解雇が激増しているのにユニオンへの無料労働相談件数は激減した。
それゆえ今、全国のユニオンが財政的な面で存続の危機に直面している。新世紀ユニオンは、昨年証人尋問で会社側証人を問い詰め、昨年8月最終準備書面を出していた解雇事案が、今年2月大阪地労委の命令で完全勝利し、以後数か月間の困難な交渉で和解にこぎつけたことは大きな成果であった。
会社とユニオンの協約としての和解書面で、厳しい守秘義務が課されているので詳しくは書きませんが、コロナのせいで郵便やファックス、電話での交渉で和解にこぎつけたのは貴重な経験とあった。
ダイヤモンド電機の元社長秘書の、現場への配置転換と、退職勧奨、それを拒否したら、約13万円もの大幅な賃下げは、完全なパワハラであり、人事権の濫用といえるものであった。
ゆえに団体交渉をし、決裂したとたん、当該組合員の連絡が途絶え、突然ダイヤモンド電機と社長個人を原告とする訴状が当ユニオンに送られてきました。東京では、こうした裁判が増えていることは知っていましたが、新世紀ユニオンでは初めての経験である。
この裁判は、コロナ渦でユニオンの財政が厳しい折でもあり、弁護士を立てて闘うことは不可能なので、初めてのことであっても「苦難は人を錬磨する」との気持ちで、粛々と裁判を闘う予定である。この経験を生かせば財界のユニオンつぶしの戦略への対抗法も見えてくるかと考えている。
憲法28条は労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権を保証し、それを担保するために労働組合法は第1条2項で刑事責任の免除を、第7条では不当労働行為を禁止し、第8条では民事責任の免除を定めている。
つまり企業側が名誉棄損を盾に労働組合の争議宣伝への攻撃を激化していることは、憲法の表現の自由への不当な挑戦であり、同時に憲法の保障する労働3件と、労働組合法の定める労組活動の擁護への反動的攻撃といえるものである。
近年、新世紀ユニオンが権力の攻撃対象となっていることを痛感する様々な動きが出てきている中で、組合員の協力で新しいホームページを作ることができた。
スマホでホームページが見えない。スマホ対応のホームページにすることが長年の課題であったが、IT企業の組合員の力で今年、新しいホームページができたことは、大きな前進といえる。
新しいホームページが新世紀ユニオンの宣伝と組織活動に大きな力となると思われる。
つまり新世紀ユニオンのこの1年は、コロナ感染症で運動が大きな制約を受けながらも、新世紀ユニオンにとって大きな成果を勝ち取った1年であったと総括することができる。
「敵に反対されることは悪いことではなく、いいことである」それは新世紀ユニオンが成果を固めつつあることの反映であり、組合員の団結が広がり、強固になりつつあるからこそ、敵が攻撃してくるのであり、それは敵が決めることであり、避けようがない。
コロナと敵の攻撃の中においても、この1年に何人かの労働者を新たに組合員として迎えることができた。
新世紀ユニオンが広く全国の労働者の闘いを支援する視点で、ネット上の宣伝を地道に展開してきたことが、今組織的成果となりつつあることを指摘しなければならない。
組合員はこの一年を、自分が労働者としていかに闘い、どのような教訓を得たのかを総括して、新たな前進の糧としなければならない。闘いの教訓を皆のものにし、新たな前進を目指すことが求められているのである。
!!ここに掲載の広告は 当ユニオンとは一切関係ありません!!