日本円が約50年前の水準まで下がっている。政府がゼロ金利で異次元緩和を進めたため、この1年で急激に円安が進んだ。結果輸入物価が急激に値上がりしている。賃金は上がらないのに 物価が上昇するのだから労働者は踏んだり蹴ったりだ。
日本銀行が12月20日に発表した資金循環統計(速報)によると、今年9月末時点の家計の金融資産が前年同期比5.7%増の1,999兆8千億円で過去最高となり、2千兆円に迫っている。新型コロナウイルスを口実に政府がインフレ政策で株価を上昇させたこと、また消費税とコロナと雇用不安で消費が減少している。
報道によると、家計の金融資産の内訳をみると、現金・預金1,072兆円▽保険など539兆円▽証券335兆円▽そのほか54兆円である。コロナ禍で実体経済が悪いのに、金融を緩和して株価を釣り上げる自公政府の施策がバブル状態を形成しており、金持ちは豊かになっている。
一方労働者の雇用不安は高くなるばかりなのだ。政府の労組敵視で、30年間も労働者の実質賃金が上がらない、しかもリストラばかりなのだから、雇用不安が消費を控えさせ、貯金を殖やそうとするのは当然なのだ。強欲の資本主義の政策が長期の経済停滞を招いており、職場ではリストラがらみのパワハラが横行しており、うつ病患者は激増し、労働者の雇用不安は70%近くまで上がっている。いつ失業するかわからないのであるから、無駄な消費は控えざるを得ない。
個人金融資産の増加は一見豊かさのように見えるが、日本における貧富の格差は拡大しており、金持ちはより豊かになり、逆に労働者は貧困化していることを指摘しなければならない。
政府のデフレ対策がインフレ政策というのだから円安になるのは明らかだ。本当のデフレ対策には賃上げが必要なのだが、労組の家畜化とユニオンつぶしの攻撃が、日本経済の成長力を奪っているのである。労組敵視の強欲の資本主義が日本経済停滞の真の原因なのである。
岸田政権が賃金を上げようと企業に減税を行うというが、労働組合の民主的活動がないと賃上げは起きないのである。資本主義経済は民主と自由がないと経済の成長力を失うのである。
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