政府・日銀は大規模な金融緩和策の維持を決めた。この政策は誤りである。なぜなら日本経済は資金不足で設備投資が進まないのではなく、需要不足であることが長期経済停滞の原因であるからだ。実体経済が悪いのに資金をジャブジャブにして高株価を維持しても、円安で物価が上がるだけだ。
3月28日現在で1ドル123円の円安となった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動いたことで日米金利差の拡大で円売り・ドル買いが進んでいる。円安による燃料費や食品などの輸入価格の高騰がますます進むことになる。政府は金利を上げて円安にブレーキをかけることこそ今必要なことである。
円安で企業の海外での利益は膨れ上がるが、しかし国民の生活は物価上昇で窮迫しており、政府の物価対策の支援金は話にならないほどの愚策である。
しかも4月からの年金は労働者の実質賃下げに合わせて切り下げられる。物価急上昇の中での年金の切り下げはやめるべきであろう。
円安による物価上昇は金利を少し上げるだけで円高にできるのであるからすぐさま行うべきであろう。経済停滞の中で政府の無策が、国民生活の窮迫を招いている。
労働者の実質賃金は20年以上低下が続いており、日本経済は需要の減少で長期停滞が続いている。賃金は民主的な労働運動が保障されていれば、放置しておいても経済は成長する。労組の家畜化と、闘う労組つぶしが経済停滞の原因であることは明らかだ。
労組のストライキによる賃上げが経済成長路線の起動力であることを理解しない強欲が国民経済を縮小再生産に追い込んでいるのである。
自民党と財界は「戦後労働改革」が国民経済の成長路線に果たした経済的役割を学びなおした方がいい。戦後改革の民主的経済ルールを守ることこそ経済成長の力である。
今年4月から年金が2年連続で切り下げられる。国民年金4万円で生活しているお年寄りが多くいるのであって、円安による食品価格の高騰で生活できなくなるお年寄りが増えている。年金の切り下げはやめるべきである。
政府は参院選対策の5,000円の給付金でごまかす問題ではない。物価を下げるために利上げを行い、年金の切り下げをやめるべきだ。アメリカの顔色を見て円高誘導できない対米従属の政治は情けない限りである。
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