問 ネット上で新世紀ユニオンの拠出金の支払いを義務付けた規約が間違いであるかの意見がありますが、こうした意見は新世紀ユニオンへの間違った認識を振りまいているのではと思います。
また労組の拠出金について労組側が勝利した例と敗北した例があるように書いてあります。ネット上には誤った見解があるようです。貴労組の見解を表明して下さい。
答 既に労組の拠出金については判例で「新世紀ユニオン事件」として司法に認められています。規約上で義務付けた10%の拠出金が大阪地裁判決、並びに大阪高裁判決(確定)で合法と認められています。この判例が確立するまでは、各労組は解決金から20%前後のカンパを義務付けていました。しかしカンパを義務付けたとしても、カンパは任意であるので未払いで争いになればユニオン側が敗訴する結果となっていました。
新世紀ユニオンの事案は、違法解雇の解決金720万円で和解した件では、規約に定めた10%の拠出金を払わず逃亡したことで、被告側は「弁護士を紹介しただけだとして」嘘の主張をしましたが、新世紀ユニオンのホームページに公開しているように「判決」で司法は規約に定めてある場合は支払い義務がある、との初の判決を下し、個人加入ユニオンの財政基盤が、この判決によって法的に確立されました。
ネット上で指摘されている名古屋のユニオンが敗訴したのは、拠出金の比率が規約で定められていなかったからです。労働組合は労働者の団結体であり、それは憲法と労組法で強く保護されています。新世紀ユニオンの拠出金が10%としたのは、弁護士の成功報酬(約16%前後)を労組が上回るのは、組合員の拡大を考慮すれば良くないと判断したものです。労組によれば解決金の20%~30%を拠出させるユニオンもありまが、これではリストラにあった労働者を支援するどころか、搾取することと非難されます。
本来労働組合は主要には組合費で運営すべきですが、しかし個人加入ユニオンは個別紛争が事案の対象であることから、どうしても裁判や労働審判の解決金などから一定の比率を拠出するようにする以外に、自主管理労組の財政基盤を安定させられないのです。ユニオンが行政の労働センターなどに事務所の場所を許されているのは、私は自主管理労組とは言えないと考えています。家賃負担がないからと行政の援助を受けることで政治的発言・宣伝が制限・自粛されることでは、自主管理労組とは言えないのです。
ユニオンが拠出金を弁護士の成功報酬以上に取るなら、労働者はユニオンに加入せず、弁護士に闘いをゆだねることになります。ですから新世紀ユニオンは拠出金を低い10%に規約で定めることにしました。そして裁判所は判決でこれを支持したのです。いまや多くの組合(ユニオン)が新世紀ユニオンの規約をお手本としています。
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