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労働者かそれとも請負・委託の経営者か?

 実質は労働者なのに、形式上「非労働者」として扱われる人がたくさんいます。例えば「一人親方」や「業務委託」「請負」の形で働く人が増えています。経営者が社会保険料の負担を免れたい、労働時間規制を免れたい、という理由で実質的に労働者なのに「自営業者」のように扱われ、労災保険が受けられなかったり、厚生年金に入れなかったり、失業給付が受けられなかったりします。また消費税を免れるためにそのような偽装契約が増えています。

 安倍首相が「多様な働き方」と言って規制緩和を進めてきた結果でもあります。こうした「偽装請負」「偽装委託」を見破れずに、労基法や労働契約法が定める保護を受けられずにいる人が少なくありません。厚生年金逃れの雇用は朝日新聞によれば約200万人と言われています。

 形式上「非労働者」として扱われると労働基準法とその関連法、及び労働契約法が定める解雇権濫用法理(16条)労働条件の不利益変更法理(8~12条)等の保護が受けられず、しかも厚生年金も健康保険も雇用保険も受けられないのです。

 それでは労働者か、「非労働者か」を見分けるにはどうすればいいでしょうか。以下に簡単に書きます。
(1) 仕事の依頼の諾否の自由が無かったこと。
(2) 会社のパソコンや電話での指示、管理者の指揮命令の下で働いていたこと。
(3) 勤務表を定め、勤務時間が決められていたこと。
(4) 当該業務への専属性があり、他社では働いていなかったこと。
(5) 経費や材料費は会社が払っていたこと。
(6) 仕事で使う道具類・携帯などは会社から貸与されていた。
(7) 事業所得ではなく、給与として支給を受けていた。
(8) 収入が高額ではなく、労働者並みであったこと。

 上のような場合「偽装請負」「偽装委託」と判断でき、労働者としての保護を受けられます。実際には個々の「請負契約書」「委託契約書」と、実際の労働状態を分析し判断することになります。

 「偽装請負」「偽装委託」の場合「契約解除」はすなわち解雇となり、解雇権濫用法理(16条)で違法解雇かを判断することになります。しかし実際には「契約解除」で本人があきらめ、泣き寝入りしている例が非常に多いのです。

 したがって、契約書の形式だけを見て請負・委託と判断するのではなく、労働の実態から判断しなければなりません。ブラック企業のこうした偽装契約に労働者は騙されないようにしなければなりません。今の日本では、求人は7割以上が非正規であり、その何割かが偽装契約=「偽装請負」「偽装委託」です。芸能人や歌手は「個人事業主」です。しかし「非労働者」の大半がとても「個人事業主」とはいえない実態があります。

 政府が進める規制緩和のため、こうした詐欺的な雇用契約が、偽装の形で広がっているので、分からない点は新世紀ユニオンに相談して下さい。
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