新世紀ユニオン発行のニュース

新世紀ユニオン2016年度活動総括(案)

 2015年の秋から2016年の秋にかけての新世紀ユニオンの活動は、そのほとんどがブラック企業との闘いであった。小泉内閣以来、安倍政権へと続く規制緩和路線は、合法化によって労働者の労働条件の悪化を進める路線であり、経済学的に言うと企業経営を長時間労働などの絶対的剰余価値の追求へと誘導し、設備投資による新技術開発などによる相対的剰余価値の追求が軽視される時代となった。

 つまり自公政権の規制緩和が企業経営のブラック化を促したのである。また自公政権は企業に補助金・助成金をばら撒いたため、雇用調整助成金欲しさの退職強要が一層増加することとなった。新世紀ユニオンでは現在ブラック企業との争議を10件ほど持っている。この中の事案は裁判に移行したものもあれば、まだブログで宣伝中のものから、訴状を準備中のもの、交渉で解決を目指すものまである。

 多くのブラック企業の背後にブラック社労士がいて指導しているため、その闘い方には明らかな特徴がある。例えば交渉に入るため、その事案の法的枠組みを理解しょうとして就業規則や、諸規程の開示を求めても、会社側が開示を拒否する。これはこれらの会社が多く労基法違反の違法行為をしているため、就業規則を開示すると不利になり、違法行為ができなくなると認識している結果である。

 本来就業規則は会社側が有利になるように定めている。ところが経営の方向が違法な労働条件を利用する絶対的剰余価値を重視する野蛮な搾取に変化しているため、大阪社労士会の研修では「就業規則は開示するな」と煽り、指導している。こうしたブラック社労士の暗躍は、新世紀ユニオンのように和解が成立しないとすぐ栽判、もしくは労働審判に移行するユニオンには極めて有利に働く。

 裁判官や審判委員は、法律に基づき就業規則や諸規程の開示を求めているのに、開示しない会社には極めて厳しい対応を取る傾向が有るからである。実際に団体交渉で60万円ほどで和解しょうとしていた賃下げ事案が、労働審判で250万円で和解した例もある。つまり経験は、違法行為を指導する社労士が会社の背後にいる場合は、証拠が取れた時点ですぐ裁判に移行した方が解決金が2倍以上増えるのである。

 ブラック企業が懲戒解雇で強硬な姿勢を取る背後には、彼らが有利と思いこんでいる「切り札」がある。ある企業は高速道路利用カードの膨大な利用記録を証拠提出して、原告がサボっていたと、解雇を正当化した。会社側が平気で解雇して来る場合は、何らかの解雇理由の「切り札」と思いこんでいるものを保持している場合が多いので注意が必要である。

 別の会社では懲戒解雇の会社側理由の「切り札」は、4年も前の会社幹部を批判したメールであった。また交通事故の後遺症で多く休んだことが解雇理由の中心である。ブラック企業は労働者の弱みを握るとすぐ処分し、その後「反省していない」などと言って、「懲戒解雇する、そうなると再就職できなくなるので、今なら退職届を出せば退職金を支払ってやる。」と諭旨退職を受け入れるようせまり、これを拒否すると懲戒解雇して来る。このように懲戒解雇させて裁判を闘う人はごくまれで、多くの労働者が泣き寝入りして退職届を出しているのである。

 したがってブラック企業の悪質な手口を暴露し、労働者の被害を防止するには費用対効果からペイしない事案で有っても社会的に影響力が大きい事案の場合は、利益が見込まれない場合でも訴訟を起こす勇気が必要なのである。

 最近多いのがブラック企業から退職強要を受けているので何とかしてくれ、というので新世紀ユニオンの名前で書面で抗議すると退職強要は止まる。しかしそうなると会社はユニオンが怖いので解雇ができず、事案が長引き、労働者の方が「早く辞めたい」と言いだす例が多いことだ。

 つまりブラック企業で退職強要を受けている場合、(1)戦略として解雇させて裁判で多く解決金を取るか。(2)退職強要を止めさせ雇用をまもるか。(3)会社の違法行為を徹底的に暴露し、ブラック企業の倒産を戦略目標に置くか。あらかじめ戦略目標を決めておく必要がある。

 その上で闘争の収束をどのように図るか?という問題が必ず出てくる。なぜなら会社や社長の違法行為を暴露していくと、どうしても闘いが長期化し、本人が「いい加減会社を辞めたい」と言いだし、闘いを継続できず。闘争の収束が必要となるからである。当然にも最初の戦略目標によって闘争の収束形態が違ってくる。新世紀ユニオンでは解決方法は、あくまでも本人の希望を優先することになる。

 (1)の場合裁判で和解すれば、争議は無かった事になる。(2)の場合雇用を守ると会社側の嫌がらせが続き、闘いが長く続く場合がある。これは避けられないのだが、それを承知で雇用を守る方を選択したのだから、闘い続けるほかない。実際そうやって今も雇用を守っている組合員が多くいる。さて問題の(3)の場合の闘争の収束方向である。闘いが長引く中で本人が退職する。しかしネット上の批判文章を残し、引き続き会社に打撃を与える。また闘いを収束しネット上の批判文章を削除することを条件に解決金を受け取って退職する。この2つの解決方法が有る。(この場合は相手の意向もあるので、こちらの思いどうりに解決するわけではない。和解となると譲歩と妥協があるからだ。)企業の倒産を戦略目標にして裁判を闘う場合、判決が出れば収束か控訴かが決まる。普通勝訴で闘いは終わるが、ネット上の批判文章は残すことができる。

 つまりブラック企業との闘いは、本人の怒りの報復、という側面と、社会的にブラック企業を残してはいけない、という社会的使命を統一して、闘いの戦略目標を決めなければならない。
新世紀ユニオンが拠点を置く大阪はブラック企業が全国一多く、ブラック企業の広がりは大阪を中心に全国に広がりつつある。したがって新世紀ユニオンがブラック企業との闘いの正反両面の教訓をつかみ、勝利の法則を打ち立てることが全国的意義をもつといえる。

 *組合員・サポーターに置かれては、新世紀ユニオンがブラック企業との闘いをより科学的で論理的なものにして、戦術面での創意工夫を凝らし、経験を総括して教訓化し、今後の闘いに生かしていくために、本大会議案の真剣な論議を訴えるものである。
スポンサーサイト
!!ここに掲載の広告は 当ユニオンとは一切関係ありません!!
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
 ブックマークこのエントリをはてなブックマークに登録 このエントリを del.icio.us に登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 この記事をPOOKMARKに登録する このエントリをSaafブックマークへ追加 newsing it!

プロフィール

ユニオンニュース

Author:ユニオンニュース



一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」が発行するニュースのサイトです。

新世紀ユニオンの組合費、拠出金等に関する高等裁判所の判決文を掲載しました。 拠出金高裁判決

検索フォーム
アーカイブ

カテゴリ

最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
  1. 無料アクセス解析