ニュース100号記念にあたって!
労働運動の再建を目指して、無党派の新世紀ユニオンを結成してから早8年が過ぎた。ニュースは当初は「リストラ対処法」を研究し、それを発表する場として位置付けたが、今や組合員の共通の認識を形成するものに成長している。
私が労働運動に足を踏み入れてから40年が経過した。戦後のGHQの労働改革によって発展した日本の労働運動は、その独占資本による企業内組合の家畜化によって飼い馴らされ、今ではリストラに協力するまでに堕落している。
「連合」とは、こうした企業内組合上層の反動的連合であり、国家レベルでの組織労働者の管理であった。私は、日本の労組が家畜化した背景には、第一に企業内労組であること、第二にユニオンショップ協定があること、そしてこの2点を組織的に解決する事が日本の労働運動にとって戦略的課題であると考えたのである。
欧米では企業内組合は元々労組としては認められていないのであり、日本の労働者が「連合」と企業内組合の管理下で、企業と地域の枠をどのように組織形態で克服するかが課題であった。新世紀ユニオンは、こうした考えから一人でも加入でき、二重加入も可能な全国労組と位置付け活動してきたのは、誰も試みなかった一つの実験であった。この実験の正否はまだ出ていないし、克服すべき実践上の課題を解決していくことが重要と考えている。
とりわけ大リストラの時代にあって、家畜労組の組合員の雇用を守るには、二重加入を認めることの重要性は避けて通れない問題なのである。我々の課題は、遠く離れた組合員の雇用を、メールの指導によって、守ることが出来るか?であった。我々は今のところほぼ雇用を守ることに成功している。直面する組織上の課題は、一人の組合員から支部結成にまで発展させる事である。
日本における本物の労働組合の育成は、企業内労組を基礎とした日本特有の緩やかな連合体の全国組織では闘えず、事実日本の労働者の雇用条件と労働条件は悪化を続けている。始めから闘う先進的労働者の結集体として、困難を承知の上で始めた実験であった。
私は困難を克服する必要条件を一歩一歩解決していけば、この実験は成功へと導けると考えている。いま、家畜労組の管理下で日本の労働者の野蛮な搾取化と首切りが急速に進んでおり、こうした攻撃対象となった労働者の深刻な問題の解決が出来る本物の労働組合を真に求める人に、私は新世紀ユニオンの運動に参加して欲しいと願っている。
我々が、日本の労働運動を発展させる視点から、リストラ対処法を早くから公開し、ニュースも同様ホームページ上で公開した事で、多くの活動家や労働者に参考にされ活用されるようになった。量的蓄積は質的激変(飛躍)を引き起こす。何事も極まれば反転するのである。
ニュースの100号達成は、必ず新世紀ユニオンの飛躍的発展への力となるであろう。我々が新世紀ユニオンの量よりも質(理論)を重視してきたのは、労組の土台をなす質の高い人材(活動家)を育成する事が将来にとって重要と考えたからである。ニュースの発行は今後とも新世紀ユニオンの飛躍への重要な力となるに違いないと確信している。
新世紀ユニオン執行委員長 角野 守
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