長時間労働による過労・ストレス、セクハラ、パワハラ等が主たる原因で一定の基準を満たせば、業務に起因する傷病として、労災認定を受けることが可能です。この労災認定を勝ち取れれば給与の8割を受け取る事ができますし、さらには、労災事故が発生した(業務に起因して精神疾患にかかった)場合には、会社の管理責任が問われます。後に裁判などで戦う事になっても、かなり有利にはたらくことは間違いありません。
しかしながら、この労災の認定を勝ち取るのには、私の経験上、裁判で勝利するより難しいと考えています。特に大阪です。大阪の労働基準監督署は申請件数が多いのかわかりませんが調査する時間も短いですし、聞き取り調査も簡単に済ませようとします。
更には「認定される確率は低いですよ」「申請されても途中で辞退される方が多いですよ」などと監督官が言ってきて、申請自体を諦めさせようとしますし、パワハラなどを主張しても「それは業務上の指導ではないのですか?」などと普通に否定してきます。(私の場合、この監督官とのやり取りで、かなり体調を崩しました)
また監督官は、本人以外に、会社や職場の上司、同僚、主治医から事情聴取をするか、意見書の提出を求めます。この場合、会社は精神障害の労災認定には、一般的に非協力的であり、申請者本人とは対立関係に立ってきます。同僚が証言をしてくれればいいのですが、会社からの報復もあり証言を得られるのは厳しいのが現実です。基本的には組合と申請者本人で闘っていく事になるのかと思います。
そこで重要なのは、証拠です。とにかく決定的な証拠です。100時間以上の長時間労働をしていてパワハラを受けても証拠を監督官に提示できなければ監督署は絶対に認定しません。長時間労働についてはタイムカードで証明できるかと思います。タダ残業を要求される事もあるかと思います。
その場合、上司から要求された時の「録音をとる」「録音が取れる状況でなければ退社時間のメモ及び要求された言葉のメモなどを詳細に記録」。パワハラについては、「録音をとる」パワハラの兆候があれば常日頃から録音器を持ち歩く。今はスマートフォンなんかでも録音可能です。また、録音スイッチを押すタイムングが無い時や、パワハラされている時、病気やパニックで録音まで気がまわらない事もあるのかと思います。そのような時には、同僚に録音を事前にお願いしましょう。
大阪の場合、労災申請は一発勝負です。裁判みたいに書面のやり取りを何度もするわけではありません。監督官からの調書は一回と考えて下さい。後から証拠提出も可能ですが、基本的には一発勝負になるので証拠を時系列にまとめ整理した上で、監督官の調書を受けることをおすすめ致します。
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