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上限規制「月100時間」は経済政策としては失敗!

 政府が目指す時間外労働の上限規制をめぐり、安倍首相は3月13日経団連の榊原会長と「連合」の神津会長と会談し、残業の上限規制を最も忙しい月で最大100時間未満、年間で720時間、月45時間を超えるのは年間6回まで、としたいとの考えを表明した。

 もともと政府の「働き方改革」は、電通の女性社員の過労死をきっかけに長時間労働を規制する目的で検討されている。その時間外労働の上限規制が労働基準監督署が定める「過労死ライン」の月80時間を超えることは、長時間労働の規制どころか、逆に長時間労働を促すことになりかねず、断じて賛成できない。これでは「働き方改悪」に他ならない。

 日本経済のデフレ経済、すなわち経済の縮小再生産のサイクルは、非正規化による低賃金、規制緩和による長時間労働、リストラと外国人労働力の導入によって個人消費が傾向的に低下していることが原因である。とりわけ長時間労働は過労死を世界語にし、過労自殺が激増する等、消費をしようにも時間がない状況を改善しようとするものであった。

 ところが財界と家畜労組の「連合」幹部がなれ合いで、労働時間の上限規制を「月100時間以内」と決めたことは、日本経済を引き続きデフレのサイクルを続けさせる行為というほかない。あまりにも愚劣であり、国民経済の成長軌道を上げることを考えると、必要なのは大胆な残業規制であり、非正規化の規制であり、残業割増賃金の100%への改正以外にないのである。つまりこれらの規制強化で企業の省力化投資を促し、生産性を高め、日本企業を絶対的剰余価値の獲得から、より利潤の高い相対的剰余価値の獲得へと誘導する政策が今は必要なのである。

 労働者の側から見ても、経営側から見ても、今回の残業の上限規制ほど意味の無い規制はないであろう。重要なのは残業の割増賃金を現状の25%から100%へ思い切って改正し、人を雇うよりも、残業をやらせるよりも、設備投資で生産性を上げることが企業の成長にとって重要だということを政策誘導することなのである。

 つまり上限規制は月20時間でよく、重要なのは非正規化をやめることと残業の割増賃金率と最低賃金を上げることなのである。企業の設備投資を促すよう、思い切った労働時間の削減が必要なのである。財界も「連合」も「戦後労働改革」の経済成長に果たした役割を学んだ方がいいであろう。政策誘導する役割の人物があまりにも愚劣で、視点が個別企業レベルであることが日本の経済的国力を減じていることを指摘しなければならない。

 個別企業の利益を図る政策と国民経済の成長を促す政策を取り違えてはいけない。国民経済の成長を促せば、企業の利益も上がることが理解出来なければいけない。春闘の賃上げを抑制すれば国民経済は落ち込み、企業の利益も落ち込むことが理解出来ないのが今の財界の知的レベルなのだ。
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