新世紀ユニオン発行のニュース

解雇の金銭解決制度導入の狙いはユニオン対策だ!

 厚生労働省の有識者検討会は5月22日「解雇の金銭解決制度」について解雇された労働者が職場復帰を求めなくとも、解決金の支払いを要求できる権利を与える新たな制度案を本格的に議論する方針を労使双方の委員から異論が噴出する中で押し切った。

 報道によると、厚労省が設置した「金銭解決制度」の有識者検討会に提出した報告書案で、労働政策審議会で検討するよう提言したという。解決金額に上限と下限を設定することも検討事項にすると明記したという。労働側は「会社が解決金に近い金額を示して労働者に迫るリストラの手段に使われる」と制度に反対し、経営側は「企業により支払い能力に違いがあり、一律に定めるのは難しい」などとして解決金に限度額を設定することに慎重な意見がある。こうした異論の中での厚労省のこの強引な本格審議への方針は背景に安倍政権の方針があるものとみられる。

 政府の労働力の流動化の方針で、雇用調整助成金欲しさの違法解雇が続出し、それを背景に全国にユニオンが次々でき、新しい労働運動の波が起き始めた中で、「解雇の金銭解決制度」で解決金を低額に定めることでユニオンの財政基盤に打撃を与えることを狙いにしていることは間違いない。解決金に上限と下限を設定しようとしていることがそれを示している。ましてや会社が解決金を始めから支払えばユニオンに加入などしないであろう。

 現在の解雇の自由化を求める経済界の意向を受けた一連の厚労省の検討は、違法な解雇が続出している現状から、解雇裁判に負けても、お金を支払えば原職復帰を妨げることができる制度であり、我々労働組合は絶対に認めることは出来ない。

 この「労働契約解消金」と称する金銭解決金制度は、事実上の不当労働行為制度の骨抜きであり、資本主義経済の拡大再生産を保障した不当労働行為制度を含む現行労働法制(=戦後労働改革)を形骸化して、デフレ経済を一層深刻化することになる。

 現在の日本で必要なのは、解雇のやり得を阻止するため、違法解雇に対し懲罰的慰謝料を制度化することである。日本の労働法制はいつも経営側の要求から規制を緩和してきたのであるが、今回の「労働契約解消金」の支払いと解雇無効を一括して裁判所が命じる仕組みは、結果として経済成長を促すための「戦後労働改革」の経済的役割を骨抜きにすることであり、その愚かさを指摘しなければならない。

 日本の財界は、戦後の労働改革が日本経済の早い復興を支えただけでなく、国民経済の拡大再生産を保障してきた利点を理解すべきである。目先の利潤拡大策ばかり見て、国民経済を縮小再生産に追い込んだ愚かさを指摘しなければならないのである。労働法制は国民経済の成長の観点から見直さねばならないのであり、個別企業の目先の利益から決めてはいけない。

 厚労省と政府はまず、国民経済の拡大再生産を目指すのか?それとも縮小経済にますますしていくのかを、まず鮮明にすべきである。「労働契約解消金」導入による解雇の金銭解決はデフレ経済を一層促すであろうことは明らかで、必要なのは違法解雇に対する懲罰的慰謝料の制度を導入・確立することである。

 現状では経営者が違法解雇をしても何の咎めもなく、未払い賃金を支払えばいいのでは違法解雇のやり得を奨励しているものでしかない。

 検討すべきは国民経済を縮小に追い込んでいる、現行法整備の欠点を正すことであり、ましてや国民経済の成長を保証する不当労働行為制度を含む戦後労働改革を骨抜きにする愚か極まりない行為を直ちにやめるべきである。
スポンサーサイト
!!ここに掲載の広告は 当ユニオンとは一切関係ありません!!
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
 ブックマークこのエントリをはてなブックマークに登録 このエントリを del.icio.us に登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 この記事をPOOKMARKに登録する このエントリをSaafブックマークへ追加 newsing it!

プロフィール

ユニオンニュース

Author:ユニオンニュース



一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」が発行するニュースのサイトです。

新世紀ユニオンの組合費、拠出金等に関する高等裁判所の判決文を掲載しました。 拠出金高裁判決

検索フォーム
アーカイブ

カテゴリ

最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
  1. 無料アクセス解析