新世紀ユニオンの組合員のA子さん。今年3月の月末日で会社を退職したはずなのに、会社から送られてきた書類は退職日が3月25日になっていました。そこでA子さんはネットで調べました。たとえ賃金が月末まで払われていても、会社が退職日を月末から25日に変更して来るのは理由があるはずと考えたのです。
確かに理由がありました。社会保険料は後払いが原則で、月の最後に加入している年金制度に納付することになっています。つまり月末に無職であればその月は国民年金に加入しなければなりません。ですから会社の言いなりに退職を月末から1日早くしたB男さん、月末に退職していれば年金保険料等社会保険料は、会社と折半で負担し、給与から天引きされていました。ところが31日退職を30日退職ににしたばかりに、自分と妻の国民年金保険料3万円を別に負担することになりました。
つまり労働者が退職する時に、会社が月末退職を「うちの会社は25日が給料の締め切りだ」などと言って退職日を無理やり変更して来るのは、社会保険料1カ月分の支払いを会社が逃れるためなのです。これを知ったA子さん、書類を会社に送り返して月末退職に書きなおしてもらいました。
つまり、労働者は転職するたびに、退職日を月末にすると得だと知らない為に、年金の加入月の空白が生まれている場合が多いそうです。気が付いておれば国民年金を支払ったでしょうが、知らない為に空白月が生まれているのです。企業経営者は自分の利益から退職日が月末になっても、無理やり一日早くした書類を作成します。労働者は退職する時は、これに気を付けないといけません。元の会社に保険料をきっちり支払ったか確認することも必要です。
また年金記録問題の中で、会社が「退職日=資格喪失日」として間違って届けていた例があることも分かってきました。この場合末日退職でも、本来の翌月1日ではなく末日に資格喪失するため、退職月は厚生年金の加入月にならないのです。
社会保険料は翌月分の給料から天引きするため、末日退職の場合退職月に社会保険料を2カ月分天引きする必要が出てきます。この2カ月分の半分を会社が負担したくないので意図的に退職日を月末ではない日に会社が仕組んでくることを知っておく必要があります。つまり会社は退職日を末尾にされると損なのです。
ただし、雇用延長で66歳で退職し年金生活に入る人は、退職日を月末31日ではなく、月末前日の30日に退職すると資格喪失月が1カ月早まり、年金が1カ月分早く貰えます。しかも厚生年金保険料負担は前月までですから1カ月分保険料の支払いが少なくなります。労働者は無知だと損をすることが多いのです。
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