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雇用保険制度の欠陥を是正せよ!

 会社員がやむなく退職し、失業した場合、雇用保険が、次の仕事が見つかるまでの“命の綱”となる。ところが完全失業者のうち失業手当の受給者は22%(07年)にすぎない。その結果「失業給付」の積立金は過去最高の約5兆4000億円に達している。これは現在の雇用保険が正社員中心の制度になっているためだ。
 現在年間約1600億円の国費が、あまり役に立っていない「失業給付」に投入されている。政府はこのため国庫負担の廃止を計画するとともに、雇用保険の失業給付の保険料率を現在の賃金の1.2%(労使折半)から平成20年度は1.0%に引き下げる方向で検討している。
 なぜ失業者の内の2割ちょっとの人しか利用できない雇用保険制度なのか、それは非正規社員(派遣・期間契約等)の雇用保険のハードルが「週20時間以上」「1年以上の継続雇用の見込み」という厳しい加入条件が付いているため、事実上非正規職員が雇用保険に加入できない制度になっているのである。
 現行の雇用保険が首になりやすい非正規労働者を加入できないようにしてあるには理由がある。短期契約の労働者は失業しても失業手当が無ければ、生活のためにどの様な低賃金であっても働かねばならない。つまり低賃金であっても働くことを拒否できないようにすれば、労働条件は際限なく低下していくことになる。
 経営者には都合のいいこの「野蛮な搾取」とでも言うべき仕組みがあるため、仕事が見つからなければホームレスに転落していく現実がある。このような欠陥のある雇用保険制度を政府は“セーフティ・ネット”と呼んでいるのである。もっとも失業しやすい非正規労働者が利用できない制度なら何の意味も無い。しかし賃下げのための制度誘導と言うのなら、それは厚労省の愚劣さを示すものとして意義がある。
 新世紀ユニオンの無料相談で多いのが「会社都合の退職なのに、会社が離職表に自己都合退職と書いたため失業手当がもらえない」というものだ。会社は解雇者を出すと、新たに労働者を雇う際に国から支給される助成金をもらえないので、クビにしておきながら「自己都合退職」にするのである。
 自己都合だと退職日から3ヶ月後でないと失業手当をもらえない。会社都合だと7日後からもらえるのである。企業は助成金ほしさに嫌がらせで「自己都合退職」に追い込んでいると言わざるを得ないのである。つまり労働者の失業をうながす助成金の存在にも厚労省の愚劣さが現れている。
 現在急速に正社員の非正規への置換えが進んでいる。すでに労働者の3分の1が非正規(不安定雇用)になっている。この層は賃金が安く景気が悪くなると解雇される。最近の欧米の金融危機のあおりですでに8万5千人の非正規労働者が解雇されている。言わば安上りの景気の安全弁である彼らに雇用保険がないのが日本の現状なのである。
 我々には現状の雇用保険制度の欠陥、あるいは不備としか言いようがないのである。世界的な同時不況の中で失業者が急増する時期を迎えている中で、厚労省は労働者のために少しは仕事をするべきである。失業と低賃金の悪循環を維持するために、非正規労働者を雇用保険制度から締め出すなら、その制度を「セーフティ・ネット」などと呼ぶべきでなく、“賃下げシステム”とでも呼べばよいのだ!
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