文革派、継続革命派の「4人組逮捕」で、中国の資本主義化は始まった。トウ鄧小平は当時「白ネコでも黒ネコでもネズミを捕るネコがいいネコだ」として金を儲けることを奨励した。また「一部の人が先に金持ちになることも」奨励した。
土地が国有の中国では、土地の払い下げで党幹部に利権が集中する。ワイロが集まるのは当然で、それは本質は国家財産の横領なのだが、当時は「白ネコ黒ネコ」論で正当化された。こうして党幹部とその家族が新興ブルジョア階級を形成した。
党幹部達とその家族はワイロの獲得、利権の払い下げに狂奔した。地上げで土地を失った大衆が地方で暴動・反乱・デモに何十万と立ちあがることとなった。「造反には道理がある」文革の悪夢を思い出した走資派指導部は、腐敗した共産党政権の延命を模索し「反腐敗」の運動にかけた。
一党支配を守るためには「腐敗問題」を解決しなければならない。「トラ狩り」(高級幹部)「ハエ叩き」(中級幹部)「あり探し」(下級幹部)のほか、海外に資金を持ち出して逃げた「キツネ狩り」まで行われるようになった。2256人の幹部が外国で逮捕され連れ戻された。この間逮捕された幹部は30万人とも40万人とも言われる。
中国の習近平政権がトラもハエも退治するのはもちろん権力の敵対派閥を叩く狙いがあるが、中心は一党支配を維持するためなのだ。今年の北載河の会議と秋の党の人事が、習近平体制の独裁人事となるのは第2文革を阻止し、共産党の一党支配を維持するためには避けて通れないので、「太子党」の後ろにいる古参幹部が習近平を支持するのは当然のことなのだ。
習近平は、陳重慶市党委書記を2段跳びで最高指導部に入れ、自己の後継者とし、秋の党大会で党規約を改正し「習近平同志の治国理政の重要思想」を天まで持ち上げ「習近平思想」を「毛沢東思想」と同列にすることで一党支配を維持しようとしている。習近平は毛沢東のように終身指導者になろうとしているのである。
一党支配の中国で資本主義化を進めれば腐敗はなくなりはしない。従って反腐敗も絶対に終わりのない課題なのである。危険なのは習近平が過剰な生産設備を削減せず。巨大な軍需生産で需要に応えていることだ。巨大な産軍複合体化が進んでおり、中華思想を根底とした世界覇権の夢が軍事的暴走を招く可能性は強い、「一帯一路」は世界の覇権戦略であるので中国共産党は腐敗で倒されるか?それとも覇権戦争で倒されるかの、いずれかであることは疑いないことである。つまり中国は革命か、戦争かの岐路にあると言える。
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