再びこのコーナーでこの問題を取り上げざるを得ないほどの職場におけるいじめやパワハラ、セクハラの相談が多いのです。なぜ職場がハラスメントの場になったのかを真剣に考えなければならないと思います。
労働相談を受けた立場からその原因を考えると、第一に安上がりの退職強要を目的としたパワハラ、第二に能力主義の導入で同僚との間での生き残り競争がいじめの動機となっていること、第三に職場でのいじめが指導者の権威を見せつける目的で行われること、第四に内部告発(公益通報)の報復として経営者意思として行われる場合もあること、経験では以上の四点にハラスメントの原因を分けることができます。
こうした、さまざまな要因による人格権侵害が職場から排除することを狙いとしているものについては、ユニオンに加入し解決することが必要です。そうしなければ新たな排除の攻撃が開始されるからです。とりわけいじめ(ハラスメント)が違法と評価される性質の場合は、法律的にきちっと対応しなければなりません。
職場でのいじめへの対処法で重要なのは、第一に証拠を確保することです。録音やビデオ、詳細なメモを残すことが重要です。労働相談で気付くのは、いじめに対して怒りを強く持っていて、「裁判をやりたい」と言うのに証拠を残している人が少ないのです。これでは相手が否認すると、いじめ(ハラスメント)の有ったことが証明できません。証人がいればいいのですが、職場の人達は会社を敵とする証言には出たがりません。
第二に、いじめ、パワハラ、セクハラを隠さずに公然化することです。内容証明郵便でその事実を公表し、経営者には職場環境の改善を申し入れることです。(この内容証明にいじめを詳しく書いておけば証拠になります。)
第三に解決方法は事案の内容に応じて対処しなければなりません。団体交渉や調停、斡旋、人権擁護委員会の利用なども考えられます。人格侵害がひどい場合、再発の可能性がある場合は、民事裁判で損害賠償請求訴訟として争うのが一番いいでしょう。
第四、いじめ、パワハラ、セクハラが刑法に触れるなど、ひどい場合には刑事告訴することも可能です。暴行・傷害・強制わいせつ・強姦・脅迫などの場合は証拠をそろえて刑事告訴するべきです。
第五、いじめ、パワハラ、セクハラなどで精神障害になった場合は因果関係を証明して労災申請するべきです。
職場における上司の人事権は、部下にとっては絶対的な権力です。仕事上の指揮命令権と評価査定、昇進や降格、配転、これらの権力を、全人格的な上下関係と錯覚し部下を精神的に虐待する経営者が少なくない事を私達は相談で知っています。
私達は日本の企業社会における絶対的権力として行う精神的暴力も、将来刑事事件として扱うべきだと考えています。企業によっては社員の四分の一がうつ病だという会社すらあり、過労自殺や過労死が多発する企業社会は異常と言わねばなりません。
したがって上司と部下の関係であっても使用者意思(経営判断)に基づくパワハラやセクハラは不法行為責任(民法709条)と使用者責任(民法715条)を問うべきです。
また同僚間のいじめであっても企業による安全配慮義務や労働環境配慮義務があり、使用者がこの義務を怠っている場合はその責任を問う決意が必要です。
パワハラ・セクハラが職場からの排除や組合活動家潰しの目的、あるいは性的従属関係を迫る目的として、使用者の地位を利用して行うことを見逃してはいけないのです。
重要なことは上司と部下の関係は職務の円滑な遂行を図る為のものであり、あくまでも仕事上の関係です。したがって絶対的全人格的支配と従属の関係ではないのです。この点を鮮明にして、悪いことは悪いと主張できる人間であることが重要なことなのです。
職場における人事権の侵害と闘うことは人間として当然の民主的権利であることを確認しなければなりません。またハラスメント防止法の立法化と人権教育を行うことの重要性を指摘しなければなりません。
大学のハラスメント(アカハラ)について 最近の相談で大学の先生が、モンスター学生に嘘の訴えを大学側にされ、重い処分を受けている例が多くあります。
ライバルの先生や、経営者側の手先の先生が学生を使い嘘の訴えで競争相手を蹴落とそうとする例が増えています。実際に解雇された先生もいます。六ヶ月の出勤停止処分を受けた先生もいます。
学生の訴えがデッチアゲの場合すらあります。こうした陰謀が集団的に行われる例もあります。
不当処分を受けた先生はぜひ新世紀ユニオンに相談してください。ここに書いた人権侵害への対処法は大学においても通用します。新世紀ユニオンは、全国どこであってもあなたの名誉回復まで責任を持ってサポートします。
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