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新世紀ユニオン発行のニュース

米朝会談と危うい日本の安全保障!

 最初は北朝鮮が本当に核を放棄するとトランプは考えたようである。ところがいつもの北朝鮮の巧みな交渉術でこれが怪しくなった。
 
 北朝鮮は23日外務省高官の談話で「我々と会談の場で合うのか、核対核の対決の場で合うのかは、アメリカの行動にかかっている。」「我々の善意を冒涜するなら、米朝首脳会談を考え直すよう最高指導部に提起するつもりだ。」と再び会談の取りやめをちらつかせた。
 
 これに対しトランプは「米朝会談の中止」を発表した。中国とアメリカを手玉にとって双方から見返りを得ようとした北朝鮮は慌てた。

 秋の中間選挙に向けて成果の欲しいトランプは北朝鮮の揺さぶりに揺さぶりで答えた。北朝鮮の交渉術は交渉の成功への期待を高めたうえで、手のひらを返して危機を高め、ゴールポストを都合よく移動して相手に譲歩を迫る。トランプ大統領も中間選挙に向け成果が欲しい。米朝の駆け引きが激化している。

 北朝鮮は冷戦時代から休戦ラインを挟んで東西の対立構造の中でこそ生き延びてこられた。中国には半島は米軍との緩衝地帯であり、アメリカにとっても中国にとっても対立関係の現状維持が、半島には必要であった。アメリカにとっても対立関係があるから日本と韓国を従属下に置くことができた。

 北朝鮮は奴隷制個人独裁の国家を維持するには、強権的支配と核保有は不可欠であり、核放棄で、どのように体制を維持できるか確信が持てなかった。つまり北朝鮮は体制維持に「疑心暗鬼」であった。だから中国をうしろ盾にした。

 このような時にアメリカの強硬派高官のボルトンが「リビア方式で解決する」と語ったのは極めて不用意であった。リビアは核を放棄したあと、4年後アメリカ等の空爆で政権を打倒されているのだ。だから北朝鮮は体制維持には核が不可欠だと、さらに固く信じたであろう。

 こうして北朝鮮に時間をかけつつ、段階的見返りを与えない限り交渉はとん挫する可能性が高くなった。中国にしても台湾や沖縄を占領する時に第2戦線としての半島の対立関係の維持は欠かせない。トランプは選挙中からアジアからの撤兵を語ることで今回の米朝交渉を実現したのである。

 したがって韓国から米軍が撤兵するなら北朝鮮が何らかの合意を選択する可能性は残っている。だから米朝交渉は直ちに破たんになるわけではない。

 しかし国際情勢が大戦前の状況に似てきている中で、緊張緩和と見えた交渉がどのように変化するかは誰にもわからない。

 気まぐれ屋のトランプと、すぐに問題を敵対矛盾として処刑で処理する金正恩の交渉ほど、先を予測するのは難しい。見ておくべきは北朝鮮がイラクやリビアなどの国とは根本的に違うことだ。したたかで、隙がなく、瀬戸際外交を何回も展開し、ちゃぶ台返しの度胸もある。

 トランプは取引できない相手に、取引を期待しているように見えるが、大きな見返りを渡せば中間選挙まで成果を演出することはできるかもしれない。
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