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パワハラ防止法に刑事罰と賠償責任を入れよ!


 パワハラの労働相談が年々増え、しかも深刻化している。昨年新世紀ユニオンではパワハラ事案の裁判で敗北に等しい事案を何件か経験した。裁判所も監督署も法律がないので会社側の仕事上の対立で済ますためだ。新世紀ユニオンがパワハラ防止法を訴え始めて約10年が過ぎた。厚労省がパワハラ防止法の立法化を決めたのは大きな成果ですが、まだ喜んではいられません。

 フランスでは労働者がハラスメントを受けたと感じた場合には、裁判所に訴訟を起こすことができ、立証できれば最高で禁固2年と3万ユーロの罰金が科せられます。

 ところが日本での労働政策審議会の審議では刑事罰や損害賠償の規定はあまり論議されず。企業のガイドラインによる努力義務や雇用管理上の措置義務の議論ばかりやられている。

 パワハラ事案で重要なのは精神的暴力が刑法犯罪であること、同時に加害者と加害企業に対し慰謝料請求権が法律で認められないとパワハラの防止策にはなりえないことを指摘しなければなりません。国際労働期間(ILO)が実施した80カ国の調査によれば、職場の暴力やハラスメントについて規制を行っている国が60カ国あり、日本は後進国並みの「規制がない国」とされています。

 パワハラ防止法に刑事罰と賠償責任を入れず、経団連等が主張するように努力義務や企業の措置義務ではザル法でしかありません。厚労省の審議会の提示している職場のパワハラ防止の対応策案は以下のようなものです。
 
(1)パワハラが違法であることを法律に明記。行為者の刑事罰による制裁、加害者への損害賠償ができる。
(2)事業主にパワハラ防止の配慮を法律に明記。不作為の場合、事業主に損害賠償請求できることを明確化。
(3)事業主に雇用管理上の措置義務の義務付け。違反すれば違反すれば行政機関による指導を法律に明記する。
(4)事業主に雇用管理上の一定の対応を講じることをガイドラインにより働きかける。
(5)職場のパワハラ防止を事業主に呼びかけ、理解して貰うことで社会全体の機運の造成を図る。

 経団連と商工会議所が強硬に反対しているため、今のままではが採用されることは難しいと見られる。審議会の議事録では「具体的にどのような事がパワハラに当たるのかがという判断が難しい」(杉崎日商産業政策副部長)とか「「何がパワハラに該当するのか各企業が判断しきれない」「法的根拠のないガイドラインでもいいのではないか」(経団連布山労働法制本部上席主幹)と発言している。今のままではどう考えても世界標準の(1)(2)の刑事罰や損害賠償を入れた法案になりそうもない。

 厚生労働省の専門化会議が何年か前にパワハラとされる具体的行為は次の6つに分類している。
 
①殴る、蹴るなど「身体的攻撃」
②同僚の前で必要以上に長時間に渡ってしかるなど「精神的攻撃」
③一人だけ別室で仕事させるなど「人間関係からの切り離し」
④経験が浅いのにベテランと同じ量の仕事を求めるなど「過大な要求」
⑤能力・経験とかけ離れた仕事を命じることや仕事を与えないなど「過小な要求」
⑥交際相手についてしつこく聞くなどプライベートに過度に立ちいる「個の侵害」

 経団連のお偉方は、仕事の指導と上の6点の区別がつかないと主張してパワハラ防止法に刑事罰や損害賠償を入れることに反対しているのである。実際には彼らは「パワハラが組織も人もダメにする」ということが理解出来ない大バカ者なのだ。

 全国の働く労働者と労働組合は、現在政府が作成中のパワハラ防止法に刑事罰や損害賠償を入れるよう運動を強化しなければならない。電通の高橋まつりさんは深夜まで働かされたあげく、上司が「君の残業時間は無駄だ」とのメールを残して自殺に追い込まれた。

 つまり日本ではパワハラゆえの過労自殺が年間何件も起きている現実がある。このような事を2度と繰り返してはいけない。パワハラ防止法を真に効力のあるものにするか、それともザル法にするかは、今後の厚労省の立法化作業に左右される。厚生労働省がパワハラの立法化を決めたからと言って労働者は喜んでいてはだめで、これからの法案に刑事罰や損害賠償を入れる運動が重要なのだ。
 
 
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