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新世紀ユニオン発行のニュース

15年に渡る私のアカハラ体験と対策について

 私は大学4年生で研究室配属され、研究を行って15年、このアカデミックの世界で絶え間なくハラスメントを受けています。今回は、その実体験をご紹介するとともに、アカデミック・ハラスメントをなくすために必要なことを提案したいと思います。
修士課程(地方旧帝大)

 田舎の大学だったこともあり、全体的に性が乱れていた。女子学生が研究室でうまくやるには(特に学位取得)、指導教官と愛人契約をする必要があると噂されていた。実際に私の当時の指導教官は、博士課程の先輩と公認の不倫関係にあった。また他の女子学生も、本指導教官にセクハラを受けた。

 私自身も、本指導教官に性的関係を求められたり、体を触られる等の被害を受けた。本指導教官が言うには、学内のほぼ全ての教授は研究室スタッフと愛人関係にあるとのことだった。また在学中に性的暴行事件が発生したが、加害者が学内権力者の身内だったことから、被害者とその主治医(学内教授の精神科医)が冷遇され、主治医は退職を余儀なくされた。多くの学生が精神疾患で苦しんでおり、退学する学生も多かった。
博士課程(関西の旧帝大)

 上記大学院を中途退学し、本大学院に入学し直した。本研究室の教授は、研究外業務が多忙のため研究指導を完全に放棄していた。そのため、研究室の教員がすぐに退職、研究室自体が研究できる環境になかった。自分自身は、最終的に着任した若い助教に目をつけられてしまい、この助教を寵愛していた教授からも見捨てられた。この助教からされたハラスメントは以下の通りである。
・何千文字にも及ぶ、人格否定や退学勧奨のメールや口頭での指示
・登校すると、罵声や物(辞書等)を投げつけられる
・研究指導はほとんどなし
・実験台がいつの間にかなくなる
・実験ができない(装置が壊れても対応してもらえない、試薬を買ってもらえない)
・学位申請締切など、重要な連絡を一切もらえない
・研究室備品を使わせてもらえない
(例:博士論文が低レベル過ぎてプリンターに失礼だから印刷なんて許せないと言われて印刷させてもらえず、博士論文を別研究室の友人に印刷してもらって提出した)
・投稿論文を一年以上放置された。
・他の学生と自分の悪口を聞こえるように言う
就職1(地方私立大学)

 教職員は皆疲弊し、大学への愛情は一切なかった。というのも、芸能人や政治家、権力者を多く引き抜いて採用する新設大学であったため、一般の教員は1
年契約の薄給で、圧倒的に教員数が少なく、過酷で危険な長時間労働を強いられた。また研究設備は一切なかった(実験装置だけでなく論文も取れない、研究費の割り当てもなし)。週末は、講演会のサクラや大学の広報活動で休みはなかったが、交通費や日当は出なかったため生活が苦しかった。教職員にとって、できるだけ早く転職することだけが共通の目標であった。このような状況の中で、ハラスメントが起きるのは当然であった。自分が受けたハラスメントの具体的事例は以下の通りである。
・仲間外れにされる
・過度の仕事の要求(着任1年目なのに指導はなし)
・情報をもらえない
・理不尽な理由で罵声を浴びる
・セクシャル・ハラスメント(体を触られる、飲み会で男性器に見立てたソーセージを「先っちょにマヨネーズ着けて食え!」と言われる等)

 学生へのハラスメントも多々見受けられた。嫌いな学生は試験の点数が引かれる、十分な指導をもらえない、陰口を叩かれる、退学を勧められる等を見聞きした。
就職2(関西の私立大学)

 100年以上の歴史がある本大学には、古くから続く派閥があった。派閥に所属していれば大学に守ってもらえた一方で、派閥外教員は辞めるまで壮絶なパワハラを受けた。派閥外教員は常に監視されており、例えば情報がもらえなくても派閥内教員と口を利くことはできなかった。

 また本大学では、女子学生に対する重大なセクシャル・ハラスメントやアカデミック・ハラスメント、研究不正等で複数の裁判が同時進行していた。それ以外にも重大なハラスメントが横行していたが、派閥外教員しか懲戒処分とならなかった。

 また当時私が在籍した研究室の教員(直属の上司)は、ほとんど出勤せず(週に数回、一日数時間のみ滞在)、業務を行わなかった。実験廃液の廃棄や試薬管理は法的に違反しており、研究不正も見受けられた。

 またこの直属の上司は、危険ドラッグを購入していると話しており、研究室内で度々植物片を燃やしていた。これらを更に上の上司に相談したところ、ハラスメントが悪化した。自分が受けたハラスメントの具体的事例は以下の通りである。
着任以前
・家庭環境等の身辺調査をされた
・他の同僚は着任数ヶ月前には内定書類を授与されていたが、自分の場合は着任数日前に渡された(理由は、提出した卒業証明書の日付が古かったためとされたが、実際は身辺調査の結果、家庭環境が悪かったからだと後で聞かされた)
・履歴書等の必要書類と別途、誓約書のようなものを書かされた。具体的には、大学院を一度退学している理由の記載、任期が途中でも教授が退官するタイミングで自己都合退職をするよう記載した文書の提出を求められた。
着任後
・過度の業務の要求(例:直属の上司が講義や実習に来ず、その場でいきなり代講させられる、入試監督時に重度の傷病者手当を一人でさせられる等)
・事実無根の噂や陰口(家族共々精神疾患でほとんど出勤していない、医者と売春している、研究費や備品を横領している等)を流される
・様々な部署からの退職勧奨
・実験台がいつの間にかなくなる
・使用していた実験サンプルや試薬が捨てられたり、使用不可にされる
・数万円単位の金銭要求、直属の上司が幹部を務める新興宗教の勧誘をされる
・学会賞等のプレスリリースを大幅に遅れてホームページに掲載される
・学位がある同期の中で自分のみが昇進できなかった。また就職活動を大幅に制限するよう学長経由で意見がなされた
・次の就職先が決まったとき、学長に呼び出され説明させられた
就職3(国の研究所)

 本研究所でのハラスメントについては、2018年8月の新世紀ユニオンニュースをご覧ください。概要は、退職強要や事実無根の懲戒処分申立て、研究妨害等で、結果退職を余儀なくされました。

 以上のように、私はどの環境においてもハラスメントに遭ってきました。学生や低職位の教員・ポスドクは、上司の振る舞い一つで簡単に研究妨害され、業績を出すことができなくなります。

 それは、卒業や次の就職ができないこと、つまり「社会的な死」を意味します。そのため被害者は、安易にハラスメントに立ち向かうことはできず、ただひたすら耐えるしかないのが現実です。

 それができなくても、友人や他の先生、学内のハラスメント相談室に相談すれば良いのではないか? と思われるかもしれません。しかしアカデミアという狭い世界では、小さな相談が瞬く間に広がってしまいます。厳しい成果主義が求められる昨今では、上層部はお互いをかばい合います。

 インターネット上では、ハラスメント相談室は学内からネガティブな情報を引き出し、それをつぶすための機関だとも囁かれています。

 つまりアカデミアでハラスメントに遭うと、被害者は新たな敵を生み出すことにも繋がり、それらの敵や孤独との戦いが必須となります。このように、直接的なハラスメントの被害に加え、二次的な被害も大きな問題となります。

 それでは、どうしたらアカデミック・ハラスメントをなくすことができるでしょうか? それは、ハラスメントを法的に規制する他にないと思います。

 先月、厚生労働省はパワー・ハラスメント防止のための法規制を打ち出しましたが、ハラスメント行為の禁止規定を法律に盛り込むことは見送られました。つまり、法的にはハラスメントは法律違反ではないためやり得であり、被害者が泣き寝入りを強いられる状況は何ら変わっていません。

 アカデミアからアカデミック・ハラスメントのしがらみをなくし、クリーンな場所にするためには、法律での解決が必須です。現状のようにアカデミック・ハラスメントをかばい合うことは、本当に良いことでしょうか。具体的には「ハラスメントの隠蔽が、日本の研究力や教育力を向上させ、若い人材を世界トップレベルに育成することに大きく貢献する」でしょうか。

 私は日本有数の大学にて、多くの有能な若い人材が、その能力を利用できずに苦しみながら大学を去っていくのを数えきれない程見てきました。

 大学を去るのは、被害者ではなく加害者です。有能な人間は、ハラスメントをする暇などありません。ハラスメント行為の禁止を法案に盛り込み、アカデミアからハラスメントをなくすこと、そして低迷した日本の科学力が少しでも向上することを心から願います。
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2019/01/16(水) 22:47 | | #[ 編集]
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