問 私は残業代を払って欲しいと職場で話した事で会社に睨まれ、様々な嫌がらせを受けています。最近では辞めさせるためだと思いますが、社長が一方的に私にだけ賃下げをしました。仕事の成績が悪いことが理由ですが、これは合法なのでしょうか?どうすれば雇用を守れるのか?不安でいっぱいです。
答 退職強要の手段として使用者が一方的に労働条件を切り下げることはできません。労働条件は労働者と使用者の合意に基づき決定するのが原則ですので、明らかに違法な賃下げと言えます。会社が賃下げに合意を求めてきても同意してはいけません。たとえ同意を迫られても同意する義務はないのでうす。
労働条件の変更はたとえ人事権行使の降格などの形態であっても、違法な退職強要としての目的で行われる場合は違法です。なお賃下げの容認が脅迫のような形で行われた場合は「自由な意志でなされた合意」とは言えないので違法です。ですから賃下げの理由を社長に聞きに行き、相手の言い分を隠し録りすることは重要です。
賃下げを放置しておくと日本では賃下げを容認した事になります。これを「黙示の同意」と言います。有印の書面で抗議し(コピーを取っておく)ておくべきです。
この書面は年月日、社長宛てにキチンとした書面にして提出するか、もしくは社内メールで抗議してもかまいません。(メールはプリントしておく)抗議さえしておけば賃下げ分はまとめて後で支払い請求できます。賃金は2年で時効ですので、2年以内にユニオンに請求してもらうべきです。
退職強要が持続している時はすぐに最寄りのユニオンに加入して団体交渉で違法な退職強要をやめるように団体交渉してもらうべきです。賃下げが歩合給の導入等を口実にしてきた場合はユニオンと相談して対応するようにしないといけません。
また会社が「賃下げを受け入れないと解雇する」と言ってきたときはすぐに拒否しないで、会社に詳しい説明を求めるべきです。賃下げを拒否すると整理解雇の可能性があります。この場合整理解雇の4要件に基づいて対応方針を決めなければなりません。
相談者の場合はこうした内容ではないので、キチンと一方的賃下げに抗議しておくことが重要です。退職強要が続く可能性が強いので、信頼できるユニオンに加入して対応すべきです。
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