経団連が「労働力の流動化」「多様な働き方」を言いだして、小泉政権の規制緩和以後急速に非正規化が進んだ。
正規雇用を非正規に置き換えることで、ついに日本の非正規労働者は2,117万人にまで増えた。正規雇用は2018年の数字で3,423万人に減少しています。
経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)が5月7日の定例記者会見で終身雇用について「制度疲労を起こしている。
終身雇用を前提とすることが限界になっている」「雇用維持のために事業を残すべきではない」と語って事業転換の必要を説いている。あたかも終身雇用制が企業の事業転換を妨げているかのようです。
日本経団連の会長がこんなことを言うのだから、まだまだ日本の非正規化が進むと思った方がいい。非正規化が進んだことで結婚できない層が中年を迎えている。日本の少子化は強欲の資本主義の産物だと言えるのです。
非正規労働者とは使い捨ての無権利の低賃金労働者のことで、いつ失業するか分からない不安定な雇用で働く事です。雇用の非正規化は労働者階級に格差を生み、貧困層を新たに生み出したということです。
雇用の非正規化は日本の労働者階級の力を弱体化し、実質賃金の低下が進みました。日本の労働者の長時間労働はますますひどくなり、残業代さえ支払われない「サービス労働」が当たり前のような時代となっています。
また労働者の人格権侵害が進み、パワハラやセクハラが拡大し、日本の労働者の奴隷労働化が進みました。
新世紀ユニオンは何百、何千人の雇用を一度に守ることはできないが、一人の雇用を守ることはできます。そのノウハウを持っているのは新世紀ユニオンだけであり、それを実践で示してきたのが他のユニオンとの相違点です。
その雇用を守る力は日本の労働運動を真摯に研究してきた結果であり、新世紀ユニオンの団結力を形成するものでもあります。
しかしユニオンの組合員の雇用は守れても、日本全体の非正規化を阻止するには、小泉~安倍と続く規制緩和の右翼政治を転換する以外ありません。
労働者の人権が守られるような社会を作るには多くに別れている野党が団結して、政権の受け皿をつくる以外に、政治の転換は望めないのです。
不安定な、使い捨ての安上がり労働力としての非正規雇用の拡大に新世紀ユニオンは今後も反対していきます。
スポンサーサイト