労働者が身を守るためには、証拠を残す事は重要どころか必要最低限の基本ある事は、言うまでもありません。先般、証拠に関し「委員長の日記」(ブログ)で「証拠の利用・扱いについて」という記事を読みました(2019/06/26)。
証拠は、確保した次の段階がものすごく大事。正しく使ってこそ“初めて”意味があるという、本来は当たり前である筈の事をあらためて痛感し、過去の自分をものすごく恥ずかしく思いました。
経営者にとって、団体交渉や書面で質問や抗議すれば延々と嘘を繰り返す、追及すれば「答えられない」で通す、裁判に持ち込ませ証拠の捏造(ねつぞう)(例えば、でっち上げの陳述書、勝手に名を仮に捏造も)など嘘の証拠で圧倒し攪乱(かくらん)する事は、基本的なスキルや戦術です。いちいち立腹や落胆せず、「所詮(しょせん)そんなもの」と割り切るべきです。
しかし一生懸命に集めた証拠を活用しようにも、ブログ記事の通り代理人弁護士が台無しにしてしまう。
あるいは、ただ金銭獲得が目当てのようなユニオンも裏で使用者と申し合わせ(証拠を横流しもして)敗ける構図を構築し、はめられてしまう事もありえます。
かつて私は、何とかやっとで証拠を残すので手一杯、整理もままならず闘おうとしていました。
証拠は“あればあるほど良い“、“たくさん集めるのに意義がある”、“いくらでも突き付けてやるぞ”というスタンスでした。
そして、最初に事案の経過を書かせ分析せず、本人の意向確認などまともな協議もせず、すぐ団交を申し入れ職場で孤立せざるを得なくなるようなユニオンに、加入してしまいました。
しかし運よく、そのユニオンは結局、闘う意思など無かったのでしょう。証拠の有無は確認せず、戦略戦術の打ち合わせもしませんでした。
ある段階で不審な動きを察知し「ユニオン 裏取引」「ユニオン 裏金」というキーワードで検索したところ、新世紀ユニオンの書いた記事が次々に出て来ました。
そんなに沢山、他所では裏取引が実在するのは驚愕の事実でした。
間違った証拠の使い方をやからし、失敗を招く前に当ユニオンに救われ、委員長の的確な指導また仲間の皆さんの励ましのおかげで、闘えるようになりました。
新世紀ユニオンに持ち込まれる事案では、職場のハラスメント窓口に相談したところで動かないし解決しないどころか、ほぼ例外なく攻撃が激化、また後で報復的に退職強要を受けたり、こじつけ理由で解雇されます。
私自身が聞いたところでは、相談する意思や気配を知られただけで密告され、睨まれ冷遇の対象にされる企業があります。
上司が管理責任を放棄し「正規ルートを通せ」と述べつつ、事実関係や被害者の意思(争うか)はちゃっかり聞き出した上で(対抗策の準備を始め)、窓口へ形だけ通報させようと「指示」する例も聞きました。
そして実体験です。知人の派遣社員が酷いセクハラを受け通報したところ、まず形だけ加害者を異動させ、「精神的負担に配慮」と称し本人の仕事を減らして、出勤しても仕事がなくストレスを感じ有給休暇を消化したくなるようよう誘導しました。
そして契約満了時に「内製化(本人の仕事は今後、従業員が受け持つ)」との口実で更新せず退職させました。
当然その後、別の何も知らない無垢な派遣スタッフが来て、加害者は現場に戻って来ました。懲戒処分どころか諮問や指導さえ、されていません。
許せなかった、そして実は軽いパワハラを何度か受けていた私は、実験しました。時間をかけ徐々に、滅入っている事を装い管理者を心配させ、事情聴取の面談に呼び出されるよう仕向けました。
必死に加害者の実名は隠し庇(かば)うふりもして「忙しすぎてついつい。悪気はなかったと、信じたい」、しかし事実関係は冷静に理路整然と説明しました。
管理者は「窓口へ通報したのか?」、私「いま、こうして説明するだけで精一杯。さらに滅入ってしまうので、出来そうにない」、管理者「相談や通報は、しないのか?」。「はい」と答えると、安心し切って「一件落着」です。
解決する意思なんて全くない、詳しく聴取し未然に揉み消すだけが目的だったと、確信せざるを得ませんでした。
生半可に証拠を残して自信を持ち、まともなユニオンに加入し打合せもせず、しかし勝てる気マンマンの人はついつい、味方のフリした隠れ敵に全ての証拠を渡しかねません。
それは往々にして墓穴を掘り、自滅させられるものと肝に命じる必要があります。
新世紀ユニオンは最近、このニュースとブログの検索機能をバージョンアップされました。
今一度「証拠」「記録」「録音」キーワードで過去記事を読み直し、わからない事は委員長や組合員の仲間に恥ずかしがらず聞き、予期せぬトラブルに備えましょう(と自分自身にも、言い聞かせました)。
スポンサーサイト