昨年12月10付けの新聞報道によれば、福岡高裁でパワハラで慰謝料2,000万円で和解が成立した。報道によると、長崎市の広告会社「プラネットシ―アール」に勤めていた男性が上司からパワーハラスメントや長時間の労働が原因で適応障害になったとして会社側に慰謝料を請求した。
一審の長崎地裁は会社側に2,000万円の支払いを命じる判決を言い渡したが、会社側は未払い残業代などとして約640万円を支払った一方で、男性が離職せず働き続けた場合の賃金の支払い等は不服として控訴していた。
福岡高裁での和解は、会社側が男性に約2,000万円を支払うことに加え、労働環境の改善に努めるなどを条件に和解が成立したと明らかにした。原告の男性は「長時間労働とパワハラについて改善してほしいと会社に言い続けてきたが5年経ってやっと理解して貰えた」と語っています。
これまでパワハラ事案の慰謝料は、せいぜい50万円前後で、「パワハラはペイしない裁判」と言われてきた。この事案が画期的なのは長崎地裁で2,000万円の支払いを命じる判決を言い渡したこと、しかし適応障害になって離職していた期間の、働き続けたばあいの賃金の支払いを認めたことです。
会社側が高裁に控訴しながら、一審判決を受けて支払った約640万円に加え、解決金として2,000万円の支払いに応じたことは、今後のパワハラの抑止効果と言う点で非常に大きいものがあります。
新世紀ユニオンでは2年ほど前にパワハラ裁判でいくつかの反動的判決を受けたが、今回の福岡高裁の和解は、パワハラについいての法律が出来た効果として画期的で、高く評価できます。
この広告会社の労働者は粘り強く、5年間もの闘いの結果、合計2,640万円を闘い取ったことになります。この裁判に続いて新世紀ユニオンもパワハラ裁判を闘っていかねばならないと考えています。
日本の司法がパワハラで精神疾患にかかり、休職中の働いた場合の賃金の支払いに踏み込んだのは画期的であり、事実上の懲罰的慰謝料と言えるものです。昨年成立したパワハラ法は罰則はないが裁判を闘えば、精神疾患で休職した期間の賃金は認めるということであり、パワハラの抑止効果は非常に大きいと言えます。
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