政権内で、安倍首相と官房長官の双方の側近の確執が激化している。菅官房長官の傘下の大臣が2人辞職に追い込まれた。
また総務事務次官が日本郵政グループへの行政処分の情報漏えいで更迭され、首相補佐官と厚生省大臣官房審議官の不倫関係が暴露されるなど、安倍政権内の確執が激化するだけでなく、カジノ汚職など腐敗がひどい、安倍退陣が近い表れというべきだろう。
安倍首相の任期は2021年9月の自民党総裁選まである。しかしそうなると次の首相は自民党の地方組織に人気のある石破が勝つ可能性が強い。ゆえに安倍はオリンピックの余韻が残る今年秋に退陣し、自分の影響力を残せる岸田政調会長を後継にしたいと考えているそうだ。
安倍の今年秋退陣の可能性が高い理由はまだある。すでに任期中の憲法改正は難しくなり、安倍が果たそうと思っていた北方領土返還も、北朝鮮との拉致問題解決も難しい、加えて世界的な景気の悪化傾向が明白になり、アベノミクスの破たんも近い。
年金資金をつぎ込んで株価を上げるだけのアベノミクスの破たんは、年金資金が失われる事態となりかねず、早めに退陣するほうが安倍にはいいのである。日銀に国債を引き受けさせてインフレ政策を行うアベノミクスは、その破たん後が怖いのである。
つまり「我亡き後に洪水は来たれ」という経済政策は、経済の破たん前に逃げるのがいいのである。
自民党の規定では、首相が任期途中で辞職したときには、党大会に代わる両院議員総会で後任の首相・総裁を決める。この方が安倍が嫌う石破の勝利を阻めるので、安倍首相のオリンピック後の退陣が濃厚になってきた。
安倍退陣の時期に影響するとみられるのは、野党の政権の受け皿ができる時期である。野党の統一が進まないようなら解散総選挙がありうる。野党の政権の受け皿がない間に総選挙に安倍が打って出るとするなら、経済がいい間が好機である。それなら政権が圧勝するのは明らかだし、安倍が憲法改正に最後の勝負をかけるかもしれない。
こう見ていくと安倍政権内の確執から見て、安倍のオリンピック後の退陣表明が一番可能性が高いと見た方がいい。細切れ野党は、団結するべきで、それができなければ安倍は安心して政権の黒幕としての地位を打ち立てるため、岸田を後継にする道(=オリンピック後退陣)を選択するであろう。
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