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新世紀ユニオン発行のニュース

「働き方改革」が成果を上げられない理由


(1)管理職になりたくない日本の労働者

 労働政策研究・研修機構の調査によると男性で3~4割、女性で7~9割が管理職を望んでいないという。仕事が長時間で給与に見合わない、というのである。特に女性が多いのは家庭との両立を考えてとみられる。

 またインバスケット研究所の昨年12月の調査でも、管理職になりたくなかった、という人が37.5%もいた。「今後のキャリアプラン」でも「現状維持が42.7%と断トツで多い。

(2)残業代が減らない「働き方改革」

 安倍政権が進めている「働き方改革」でも2019年4月から(中小企業では今年4月から)働き方改革関連法が施行されているが、約7割の企業で残業代が減っていない。なぜかというと賃金が少ない分を日本の労働者は残業で稼いでいるからだ。
「働き方改革」で残業時間が減少した企業が3割あるが、このうち従業員に時短分を還元した企業は4.8%に過ぎない(日経新聞)つまり残業を減らして労働密度を上げたら労働者の収入が減るのである。これでは時短は進まない。

(3)日本の労働生産性は先進国最低

 日本の生産性が低いのは世界でも有名で、特にホワイトカラーの生産性が低い。これは収入を上げるために長時間労働をしている結果なのである。例えばOECDのデータに元ずく2018年の日本の労働時間当たりの生産性は(就業1時間当たり付加価値)は46.8ドルとなっている。これはアメリカの6割程度といわれている。これは先進7か国の中で最低である。

 日本の一人当たりの労働生産性は8万1258ドルで、英国の9万3482ドルやカナダの9万5553ドルを下回る水準で、OECD加盟36か国の中で21位である。つまり日本の労働生産性の低さは収入を上げるために意図的に長時間労働をしているため生じていると見てよいのである。

(4)長時間労働容認の法制度

 日本では36協定を結ばない企業が約4割もあります。罰則が軽いので36協定でさえも空洞化しています。残業代を支払わないブラック企業が多いのは当然です。政府が本気で「働き方改革」をするのなら労基法違反の罰則(罰金30万円)を強化すべきです。

 電通の高橋まつりさんの過労死事件も罰金は50万円でした。あまりにも罰則が軽いので再発防止の力とはならないのです。

 2019年4月からの改正労働基準法では残業の上限時間が法制化されました。原則1ケ月45時間、1年360時間です。しかしこれには特別条項の抜け穴があります。

①時間外労働が年720時間(休日労働は含まない)
②時間外労働と休日労働の合計が月100時間
③時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」がすべて1か月あたり80時間以内
④時間外労働が付き45時間を超えることができるのは、年6か月が限度

 これでは法律が過労死ラインを容認しているようなものです。過労によるうつ病や過労死はなくならないでしょう。つまり安倍政権の「働き方改革」とは過労死を容認する欺瞞的なものであるということです。

(5)どうすれば長時間労働を防げるか

 ではどうすれば日本の長時間労働を防げるでしょうか?考えられるのは以下の諸点です。

①労基法の長時間労働の抜け穴をなくす。時間外労働は着き20時間を上限とする。
②残業割増賃金の率を100%とする、休日出勤の割増賃金を200%とする。
③労基法違反の罰則をけた違いに強化する。過労死させた企業には罰金1億円、社長を懲役2か月とする。残業代不払いの場合の付加金を200%とする。
④時短した場合の賃金減少分はすべて労働者に還元することを法律で定める。
⑤有休を取得させない企業には法人税を10%割り増しとする。

 以上を実施すれば、日本企業の生産性は高まり、国際競争力も高まるであろう。餃子の王将は残業代を支払うようになって、社員のやる気が起きて収益が改善した。つまり日本企業の低賃金政策が労働者のやる気をそいでいることを知るべきだ。

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