労働相談を受けていて痛感するのは証拠を残すことの重要性が未だ理解できていない事です。
解雇を通告されたら解雇理由を聞いてICレコーダーに録音しておく事が重要です。それがない場合は解雇理由書を書面で請求しなければなりません。
退職勧奨の面談はすべて録音しておくべきです。就業規則を見たことがないなら「見せて下さい」と要求し、コピーを取っておくべきです。
職場で暴力を振るわれたと相談しているのに医師の診断書や証明写真を残していない人が多いのです。「職場の同僚が見ていた」と言っても、その人達が裁判の証言ができるとは限らないのです。
「上司のパワハラを長く受けてきた」と言うのに、その証拠を録音していない人がいます。証拠があるのと無いのとでは雲泥の差なのです。
証拠が少ないので内容証明郵便を会社に出すよう勧めても、怖くて出せない人がいます。こうした場合、解雇になった後で困ることが多いのです。証拠がなくては裁判で勝利することは不可能なのです。
パワハラも暴力も退職強要としておこなっているのですから証拠を残しておけば不当解雇の裁判に勝利できます。解雇の違法性が証明できれば裁判で白黒を付けることができるのですから、絶対に泣き寝入りすべきではありません。
残業代を会社が払ってくれないと相談しているのに残業の記録を残していない人がいます。
労災でケガをした時は救急車を呼んで下さい。そうすると出動記録が残りますから労災を隠ぺいできなくなります。隠ぺいされても弁護士なら出動記録を入手できます。今は携帯電話で写真も録音も取れます。できるだけ創意工夫して証拠を残して下さい。
上司のいじめで精神的病気になれば診断書を取り、そこに書かれている日数分休み、労働基準監督署で労災申請して下さい。うつ病でも業務起因性を証明すれば労災で休めます。この場合ハラスメントの記録が決定的に重要です。
解雇になってから証拠を集めるのは困難です。初めから万一にそなえて証拠を残すように心がけることが雇用を守ることにつながるのです。
なぜ労働者は相談に来てから証拠がない事に気付くのでしょうか?それは経営者と労働者の敵対的関係に気付かないからです。
雇用契約書が書面で発行されていないなら、契約書を出すよう要求しておくことが後でもめない事になるのです。就業規則を見せなくても、雇用契約書を発行しなくても文句を言わないなら、将来必ず経営者は違法な解雇をしてきます。日頃からスキを作らない生き方を心がけるべきです。
労働者なら、労働紛争における証拠収集の重要性について認識上からはっきりしておくことが不可欠です。この点が不鮮明なのが日本で泣き寝入りが多い理由なのです。
証拠の重要性に対する意識性が裁判の勝敗を決するのです。
闘う前に勝利を確実なものとすることが重要です。証拠を残して会社の違法解雇に勝利することが雇用を守り労働者としての意地を示すことになるのです。
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つまり、会社と労働者の敵対関係が具体的に捉えられません。元組合員の学習の弱さと地域ユニオンの幹部の理論学習のレベルの低さが、闘いの勝利に導きません。