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本採用拒否・試用期間中の解雇について


 試用期間の合意があっても、労働契約自体は、期間の定めのない労働契約です。試用期間中とは解雇権留保付きの契約ですが、この解約権行使には制約があります。

 履歴書や面接ではわからなかった労働者の不適格性がある場合解雇できます。例えば経歴・学歴に詐称がある場合、労働者の資質・性格・能力・協調性などに問題がある場合などに本採用拒否あるいは試用期間中の留保されていた解雇権が行使されることになります。

 ただしこの試用期間中の留保解約権の行使は試用期間中の勤務状態により、当初知ることができなかったような事実がわかり、引き続き当該企業に雇用しておくことは適当でないと判断することが、「解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し、社会通念上相当として是認されうる場合」にのみ許されます。

 試用期間満了ではなく、試用期間中の解雇は本採用拒否の場合と比べ一層高度の合理性と相当性が求められるとする判例もあります。

 具体的に見ると思想信条を理由とする本採用拒否・試用期間中の解雇は14条並びに労基法3条違反です。経歴・学歴詐称は本採用を認めない判例もあり、また認める判例もあります。業務不適格とか勤務成績不良については事案ごとに検討が必要です。

 またコロナ渦での業績不振を口実にした場合は、整理解雇の4要件を満たさない限り無効です。整理解雇の4要件とは以下の通りです。

(1)人整理を行う業務上の必要性があるか
(2)解雇を回避する努力を尽くしたか
(3)整理解雇基準と人選の合理性があるか
(4)組合と協議を尽くしたか、労働者に誠意をもって説明したか

 試用期間を会社が説明もせずに2回も延長していた例もあります。試用期間の延長は原則として認められません。ただし採用時に予見できないような事情があれば認められる場合があります。

 本採用を拒否されないまま、試用期間が過ぎれば自動的に留保解約権は消滅し、通常の労働契約に移行します。したがって試用期間中は人事が社員を使い「前の職場はなぜやめたのか?」とか、「どのようなトラブルでやめたのか?」話しかけてくる(=調査してくる)場合が多いので、あらかじめ答えを考えておくようにしてください。

 解雇をにおわされただけでパニックになり、社長に1日に10数件もメールを送りつけ、それが試用期間中の解雇理由にされた例もあります。メールは相手の返信を待ったうえで次のメールを送るようにしてください。

 会社の仕打ちがおかしい点があっても、試用期間内はおとなしくして、試用期間が過ぎ、留保解約権が消滅するまでは我慢するようにしてください。

 もし本採用拒否や試用期間中の解雇になった場合は、きちんと理由を聞いて録音しておくことが最低限必要なことです。理由の証拠を取ってからユニオンの指導を受けて闘うようにしなければなりません。
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