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◆「モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする」を読んで

 この本の著者はフランスの精神科医です。著者は、言葉や態度によって相手の心を傷つける精神的暴力=モラル・ハラスメントについての本の中で多くの具体例を紹介しながら、その精神的暴力が職場において日常的に行われれば、追いつめられた被害者がいかに精神的に深刻なダメージを受けるかを具体的に明らかにしています。

 またそれによって会社自体も大きな損失をこうむることを具体的に書いています。

 日本においても競争の激化を背景にした能力主義・成果主義の導入の中で、またリストラ経営の広がりの中で、労働者を安上がりに退職に追い込む手法として、いわゆる“いじめ”や“いたぶり”がやられ、その結果として自殺やうつ病が増えています。日本全体ではうつ病は何十万人にもなると見られており、こうしたモラル・ハラスメントの結果増大する医療費は国民健康保険や組合健保という形で社会が負担することになり、これは国家としての大きな損失でもあります。

 モラル・ハラスメントは「教育」や「指導」といった形を取りながら精神的攻撃が執拗に繰り返されます。私自身職場で仕事(ローテーション)をはずされたり、ミーティングから1人はずされたり、様々な差別を受けた経験があるので著者の書いていることがよくわかります。

 ヨーロッパ諸国では、すでにモラル・ハラスメントからの被害者を守り、加害者を罰する法律が作られていることを知り、この面で日本がいかに遅れているかを知りました。

 日本では昔から「窓際族」や「出る杭は打たれる」という言葉があるように、“いじめ”(モラル・ハラスメント)を容認する体質があります。その結果が3 万3000人も一年間に自殺する現実があるのだと思います。

 著者は職権濫用的なモラル・ハラスメントに対して、集団で問題を提議して経営陣のやり方を改めさせたり、会社の体質を改善させたりするのは「まさに労働組合のするべきこと」だと指摘しています。しかし日本では、その労組が家畜化しているのです。

 著者は、社員を大切にし、社員が満足して働ける会社と、社員にプレッシャーをかけて、社員を恐怖心でしばる会社を比べたら、社員を大切にする会社の方が業績が高いことを指摘し、モラル・ハラスメントで会社の雰囲気が悪くなると、会社に対する社員の忠誠心は薄れ、有能な人材は去り、長期的に見ると業績は悪化すると述べています。

 私は今まで日本の“いじめ”は島国根性による日本人特有のものと考えてきましたが、この本を読んでモラル・ハラスメントがヨーロッパにも多くあり、結局それが資本主義の産物なのだということが分かりました。

 職場でモラル・ハラスメントに直面している多くの人にぜひ読んでほしい本です。
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