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労基法上の「賃金」には何が含まれる?

 労働基準法11条は、「賃金」とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と定義されています。

 労基法上の「賃金」には賃金全額支払い原則・通貨払い原則(労基法24条)のほか、男女同一賃金の原則(労基法4条)労働条件の明示義務(労基法15条)割増賃金支払い義務(労基法37条)就業規則の必要事項記載事項(労基法82条2項)などの労基法の規制の内容を構成する概念である。

 一般的に(1)任意的恩恵的給付(2)福利厚生給付(3)企業節義・業務費の3つについては「労働の対償」ではなく、賃金ではない。以下個別的に見ることにする。

①慶弔金、病気見舞い金は賃金か?

 支給条件が労働協約、就業規則、労働契約などで明確にされているものは、使用者に支払い義務があり、労働者に権利として保障されているので労働の対償として認められ賃金として扱われる。

②賞与、退職金は賃金か?

 賞与、退職金の支給が使用者の裁量にゆだねられているときは(1)任意的恩恵的給付であるから賃金ではない。しかしこれらの支給条件が労働協約、就業規則、労働契約などで明確にされているものは、使用者に支払い義務があり、労働者に権利として保障されているものなので、賃金として扱われる。

③家族手当、住宅手当は賃金か?

 使用者が労働者の福利厚生のために支給するものなので原則として賃金とは言えない。しかしその支給条件が労働協約、就業規則、労働契約などで明確にされているものは、使用者に支払い義務があり、労働者に権利として保障されているものなので、賃金として扱われる。

④作業用品代、主張旅費、交際費、通勤手当などは賃金か?

 作業用品代、主張旅費、交際費、作業服、制服作業器具損料などはもともと使用者が負担すべきものであり賃金ではない。しかし通勤手当、通勤定期券などは労務提供の費用であり、その支給条件が定められている限り「賃金」である。

⑤賞与は労基法上の賃金か?

 支給するか否か、いくら支給するかが使用者の裁量にゆだねられているときは(1)の任意的恩恵的給付であるので賃金ではない。しかし就業規則に賞与支給が定められているときは賞与は労働の対償であり賃金である。また労使の交渉で賞与支給の金額で合意した時、賞与は具体的に権利となる。つまり賞与に就業規則の規定の内容によって賃金か、もしくは任意的恩恵的給付かが決まる。

 例えば、就業規則に夏季と冬季に支給が「会社の業績などを勘案して定める。と記載されているときは、使用者が業績に基づき算定基準を決定して、労働者に成績査定をしたときに、初めて権利として発生する。

 賞与は以下のような多様な性格を有することを知っておいてほしい。

(イ)賃金の後払い
(ロ)企業の利益配分
(ハ)過去の貢献への報償
(二)将来への期待・奨励
(ホ)生活費補填

 このように賞与は多様な性格を持つので、使用者の決定や労使の交渉による合意によってはじめて賃金という性格が発生する。つまり賞与が賃金の後払い、という性格を有するのでその金額算定にあたり、支給期間在籍要件が重視されることになる。
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