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新世紀ユニオン発行のニュース

世界情勢の見方についての説明<世界の多極化の原因は経済の不均等発展の結果>

 一部の評論家の中に、世界の多極化はアメリカに多極主義者がいるかのような観念的論調を振りまく人がいる。これは完全な誤りで世界の多極化は資本主義経済の不均等発展の結果であり、誰かが企んだわけではない。

 世界情勢は経済分析から行うべきであり、今日のようにグローバル市場では資本は労働力が安い国へ工場を移転する。資本の移動が企業の競争力を強化する早道であるから、当然世界の工場になった国は早く経済成長することになる。つまりアメリカの覇権の衰退は「多極主義者」の仕業ではなく、資本主義経済の不均等な発展の結果に過ぎない。
<中国の軍拡の原因は内的脆弱性の結果>

 中国の大軍拡はアメリカが軍事的脅迫をしたからだ、などという評論家がいる。これは外因論であり、誤りである。中国が習近平個人独裁のファシズム政権になったのは内因、すなわち名目的には社会主義、実際の官僚独裁の、中国の内的矛盾(それは極めて脆弱性を持っている)から官僚独裁政権にならざるをえないのである。

 中国は、土地の国有化などの社会主義の社会制度的残存物の制約があり、元社会主義の下での土地の国有化や国有企業は、資本主義の価値法則の貫徹を妨げるので、権力的価値規定となり、その資本主義化には限界がある。つまり中国の「戦狼外交」は内的脆弱性の外的表れ(=軍事的表れ)である。
<アメリカがTPPに復帰できない理由>

 アメリカの大企業はすでに多国籍企業化しており、国内産業は兵器産業以外は国際競争力がない。現在のバイデン政権は労組を支持基盤としており、自動車などの国内産業を保護するためにはTPP加盟は労組の反対でできそうにない。アメリカの産業の中心は軍需産業であり、兵器を売るためには2国間の貿易協定で行う方が力関係で有利なのである。

 アメリカは現在中東の産油国以外の駐留米軍を撤兵する方針であり、当初覇権国としての経済戦略(=TPP)は国内産業の保護と国力の相対的衰退の中でTPPに加入できない。したがって2国間協定でいかざるを得ないのである。
<世界は多極化し、合従連衡の時代へ>

 アメリカは同盟国との連携を強め米・英・豪の「AUKUS(オーカス)」を組織し、また米・日・豪・印の4カ国の「クアッド」を組織している。

 これに対し中国は中ロ、中央アジア各国、インド、パキスタンの8カ国で上海協力機構(SCO)を組織している。インドは歴史的に非同盟の伝統があるので日和見的であるが、近年は中国のカシミールなどの侵略で反中になりつつある。

 世界は多極化しており、その表れが各国の合従連衡の外交的動きとなっている。中国の陣営は独裁国家が多く、アメリカの陣営は民主主義国家が多いのが特徴である。このほか欧州(EU)がユーロ経済圏を組織している。

 世界は3極になるのか? それともアメリカがEUを抱き込めるのか? 注目点である。しかし世界の主要な矛盾からみると、習近平個人独裁のファシスト政権は最大の戦争勢力となっており、世界の民主主義勢力と対立している。
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