アメリカが、ウクライナで極右やネオナチを使いクーデターを企てた狙いは、今回のロシアを戦争に引きずり込む狙いがあったようだ。アメリカの狙いは、ウクライナ戦争を泥沼にして、ロシア軍を消耗戦に引きずり込み、プーチン政権を打倒する狙いがありそうだ。
アメリカは政権を取り換えればロシアが普通の資本主義になるとでも思っているようだが、これは間違いである。プーチン政権を取り換えてもロシアの官僚独裁の政権には変わりがない。そのような支配構造がロシアには出来上がっているのである。
経済的に遅れた国が一度社会主義の国になると、社会主義建設の期間が長くなり、一党支配の官僚独裁に変質し、共産党が解体しても、元官僚どもの究極の国家資本主義の国になる。経済的に見ても、土地などの生産手段が国有化された国では価値法則が貫徹せず、普通の資本主義にはならないのである。
したがってウクライナを「捨て駒」にしたアメリカのプーチン政権打倒の陰謀は成功しない。むしろ逆にロシアを中国の側に押しやり、アメリカの覇権喪失を早めることになりかねない。しかしEUとロシアの間に冷戦の壁は作れるので、ユーロ圏の拡大は阻止できる。
今後のウクライナ戦争の焦点は、プーチンが早期の撤退を決断し、ウクライナの交通インフラのみ攻撃し、NATOの軍事拠点化を阻止するだけの、柔軟な戦略転換ができるかどうかだが、プーチンはKGB出身であるので謀略は専門だが戦争は知らない。ウクライナのNATO加盟に驚かされて、プーチンがアメリカの罠にひっかかった可能性が高い。
ドイツ政府がウクライナへの携帯ミサイルの支援を決めたのは、プーチン後を見据えた判断だと見てよいであろう。東ドイツ出身のメルケル首相が引退したことでプーチンの暴走を止められる欧州の指導者がいなくなったようだ。
ロシアの政権崩壊がもしあれば、日本の北方領土回復の好機となるかもしれない。しかしロシアは核保有国であり、軍事大国だけに、アメリカのプーチン政権解体はヨーロッパ全体を戦火に巻き込む危険性を内包している。
またウクライナ戦争の泥沼化は、中国の覇権獲得に向けた好機となる可能性が強い。中国の台湾や尖閣占領の可能性は高い。
北朝鮮も韓国も反日の動きを強める可能性がある。習近平の中国は、もともと国民に反日教育を強化しており、日本の占領を目指し強国路線を進めている。日本は3正面の戦略的危機にあるといえる。
日本政府は、対米自立でアメリカと中国の覇権争いの戦争に巻き込まれないようにすべきであろう。戦争の時代は「憲法9条は日本の宝だ」という観念的平和主義者にとって綱領的破産といえる。日本の政治も激動期を迎えるであろう。
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