問 私は5年間の有期契約で働いていましたが、契約期間が迫った段階で、会社から契約を更新しないといわれました。会社から面接時に「長く働いてください」といわれていたので、私は契約が更新されると思っていましたので驚きました。
会社は私を雇止めにするために代わりの人材を募集しています。私は辞めなければならないのでしょうか?
答 最近使用者が有期労働契約を期間満了で終了させるために不更新条項の入った契約にサインさせたり、口頭で契約を更新しないことを通知することが増えています。それは有期契約が5年以上になると本人が申し入れたら期限の定めのない雇用に転換しなければならないためです。
2012年に労働契約法が改正され雇止め法理が制定法化されました。(労働契約法19条)この条項の要件は3つあります。
①労働者が契約更新の申し込みをした場合
②過去に反復して更新されており、雇止めをすることが期間の定めのない労働者を解雇することと同視できるとみとめられること。有期労働契約が更新されると期待する合理的理由がある場合。
③使用者が当該申し込みを拒絶することが合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき。
相談者は、入社時の面接で使用者から「長く働いてください」といわれていたので、更新を期待する合理的理由があり、本人から更新の申し込みをすれば使用者はそれを承諾すべきです。したがって雇止めは不当となる。
なぜなら 労働者の契約の更新に対する合理的期待を「5年以上ルール」があるからと更新拒否することは、労働契約法19条の立法趣旨に反するからです。
なお相談者の有期雇用期間が連続して5年以上になっておれば、申し入れすれば使用者は期限の定めのない雇用への変更を承諾しなければなりません。それを回避するために合理的理由もなしに契約の更新を拒否することは不当というべきです。
つまり雇止めであっても労働の常用性や更新の回数、雇用の通算期間などで解雇権濫用法理と同様の法理が適用される場合があります。
相談者は信頼できるユニオンに加入して契約の更新を求めて団体交渉すべきです。
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