小泉改革以後の日本の政策は、「強欲の資本主義」といわれる政策です。いわゆる民営化、規制緩和、自由化と呼ばれる政策です。この30年間日本の賃金は上がらず、したがって経済も30年間停滞を続けています。野蛮な搾取を続ければ国民経済も成長できず縮小していきます。
グローバル化の中で超過利潤の一部で労組幹部が買収され、労組の家畜化が進みました。リストラ経営の中で生まれた闘うユニオンはいま、労組攻撃に直面しています。日本の労働者組織率は16%ほどであり、労働組合は家畜化し、ストなし路線の下で今や無きがごとき有様です。
労働者を抑え込んだ後は、知識人だとばかり、いま大学の先生たちへの攻撃が激化しています。先生たちを無権利にする任期に関する法律は、大学の先生たちをいつ解雇されるかわからない非正規雇用の不安定な地位にしています。
菅前政権時に、日本学術会議の6名の委員任命を政府が拒否したことは、政府に異論をはさむ知識人は排除する、という政治権力の反動化を反映したものです。このような反動化が激しいのはテレビキャスターや評論家が政府に批判的な発言をしただけで、番組を外されることに示されています。
現在新世紀ユニオンが取り組んでいる人間文化研究機構およびその傘下の研究機関である国際日本文化研究センターの歴史研究家のG先生への違法解雇(=テニュア取り消し)の事案は、鍵付きアカウントの「つぶやき」が1か月の停職処分と解雇の二重処分になった事案です。
この背景には解雇せよという脅迫状や、署名運動、声明や電話による解雇運動などの、外部の圧力が機構の違法解雇につながったものであり、全国の知識人に「うかつにつぶやけば解雇になる」という言論抑圧の反動的狙いが隠されています。
本来私的なツイッターのつぶやきが、民事上の争いになったとしても使用者の懲戒権は存在しないのに、違法な二重処分になったのには知識人への言論抑圧の反動的狙いが隠されています。
日本は第二次世界大戦で350万人以上の国民が死にました。この大きな代償と引き換えに「戦後改革」で日本は民主的な国に生まれ変わったのです。ところが冷戦崩壊後の強欲の資本主義の政策で、日本の民主主義が形がい化し、労働者や市民の声が押さえつけられるようになっています。
冷戦後のグローバル化で日本企業の海外進出で日本は世界一の債権国となり、この海外権益を守るために海外派兵の体制づくりへと突き進んでいます。つまり現在の政治反動は国際化という経済的裏付けがあり、この政治反動により、日本社会の民主主義の形骸化は避けられず。日本の戦争への道は現実的可能性を強めているのです。
とりわけ資本主義の不均等発展の法則で、アメリカ経済の相対的弱体化で、アメリカの覇権が、一極支配から多極化しつつある中で、アメリカの従属国である日本は、アメリカの戦争に巻き込まれる危険性を強めています。こうした国際関係の変化を背景に日本の政治的反動化が進んでいることを知らねばなりません。
戦後労働改革の目的は、経済的には戦後復興を進めるための労働3権の保障でした。政治的目的は、日本軍国主義の復活を労働運動で阻止するための民主的労働運動の容認であったのです。
つまり日本の労働者は平和を守るための主要な勢力として労働運動を発展させてきたのであり、政治反動で闘うユニオンへの攻撃が激化したことは、この平和のための闘いの必要性が一層高くなっていることでもあります。
今、日本の民主主義が危険にさらされています。新世紀ユニオンは組合つぶしと闘い、日本の平和を守る闘いを強化しなければなりません。労働者の雇用を守り、平和を守る闘いを強化するには、団結を強化し、新世紀ユニオンを組合つぶしの攻撃から守り、量的拡大を目指していかねばなりません。ともに闘おう!
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