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賃金減額の請求事案


 会社が本人の承諾なく一方的に5万円の賃下げを行った時、個人もしくはユニオンが差額の賃金を請求するときにどのような点に注意すべきでしょうか?

 まず労働者側が確認すべきは、この5万円の賃下げがどのような理由で一方的に実行されたかが重要です。考えられる理由は以下の7つの理由です。

(1)降格として行われる賃下げの場合
(2)懲戒処分として行われる賃下げの場合
(3)就業規則の変更による賃下げの場合
(4)賃金制度廃止を口実とする賃下げ場合
(5)労働協約に基づく賃下げの場合
(6)労働者への脅迫による合意による賃下げの場合
(7)「能力が無い」という理由で査定だとして行う賃下げの場合

 この会社側の賃下げの理由で闘い方が違ってきますので、賃下げされた場合はきちんと書面、もしくは録音で理由を確認する必要があります。上記の賃下げの理由によって証拠となる書面が違ってきます。

 最近ブラック企業の賃下げで多く見られるのが(6)と(7)です。こうした企業の社長は権威主義で退職強要に従わない場合、「賃下げを受け入れないと解雇する」と強権的に大幅な賃下げの受け入れを迫ってきます。

 また一方的に賃下げを行ってくる場合も多くみられます。これらはいずれも違法な賃下げです。

 問題は(3)(5)の場合の賃下げですが、就業規則や労働協約では労働者との合意無くして賃下げできないのが原則です。それでも労働者の側にメリットがあり、その結果賃下げになる場合などの場合、合理性・周知性が違法かどうかの判断基準になります。

 労働協約の場合労働者に不利な内容でも規範的効力を有するので注意が必要です。

 (1)と(2)はいずれも懲戒処分として行われる賃下げですが、業務命令で行う降格もあるので、そこを確認しておくことが重要なことです。懲戒処分で行われる賃下げの場合、就業規則の懲戒理由が実際にあったのか?が重要となります。

 業務命令や人事における裁量権が使用者にあるとはいえ、労働契約法が定める「労使の合意の原則」があるので賃下げを一方的に自由に行えるわけではありません。

 労働契約法第3条は「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。」と労働契約の合意の原則を定めています。また同法3条5項は「労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使にあたっては、それを濫用することがあってはならない。」と定めており、経営者の業務命令や査定の権利は、おのずと制限があることを知っておかねばなりません。

 現在、コロナ禍で赤字であっても政府の「雇用調整助成金」を受けながら雇用を維持している企業が多い中で、少数のブラック企業が黒字であるのに退職を強要したり、そのための一方的賃下げを行っていることは残念なことであり、労組としては違法な賃下げを見逃すわけにはいかないのです。

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