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新世紀ユニオン発行のニュース

使用者責任はどのような場合に問えますか?



 私は職場で同僚から些細なことで暴力を振るわれました。しかし会社は暴力を振るった同僚の行為を放置しています。このような場合使用者である会社の責任は問えますか?使用者責任について教えてください。



 社員の行為によって会社が責任を負う法的根拠としては、民法715条で「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。また労働契約法第5条は「労働者の安全への配慮」を定めています。つまり会社は従業員が就業するにあたり安全配慮義務を有しています。

 同僚が職場で同僚である相談者に暴力を振るったことについては会社に管理責任があり、会社は暴力の加害者を就業規則に基づき処分を行い、金銭的償いと同時に再発防止を行う義務があります。従って会社は暴力行為について申告があった場合は、調査し、適切な処置を行う義務があります。これを民法上の使用者責任あるいは、安全配慮義務への管理責任と言います。

 新世紀ユニオンでは関西学院大学での社会学部教授による暴力行為の被害の教授が、加害者との間で和解したにもかかわらず、職場で意趣返しのパワハラを受けていた事案では、関西学院大学に暴力行為の加害者教授に就業規則に基づき処分と意趣返しをやめさせるよう求め団体交渉を申し入れました。

 団体交渉では大学側は調査して適切に対処することを約束しましたが、その後大学側は弁護士3人による調査委員会を組織し、調査の結果、暴力をなかったことにしました。医師の診断書もあり、加害教授の謝罪文があるのに大学側は隠ぺいし、したがって意趣返しも否定しました。

 このように雇用関係を結ぶ法人は使用者責任や安全配慮義務があるにもかかわらず、ユニオンが責任を追及すると、暴力行為そのものを否定することで隠ぺいすることが少なくありません。これは民法715条の使用者責任の放棄であり、安全配慮義務違反の無責任な行為と言うほかありません。

 この事案では、新世紀ユニオンは関西学院大学に損害賠償は求めておらず、再発防止のために暴力の加害者への1週間の出勤停止処分と、意志返しのパワハラをやめさせることを求めただけなのに大学側は全てを隠ぺいする道を選びました。
これは使用者責任の放棄であると共に、管理責任の放棄というべき事でした。法学部を持つ大学がこの体たらくですから、相談者の会社が暴力に知らぬ顔を決めこむのは世間では多くあることです。

 この事案では暴力の被害者が穏便な解決を求めたので、当ユニオンは和解案を提起しましたが、大学はまともに回答もしませんでした。

 相談者はまず会社に暴力行為についての報告と、使用者としての就業規則に基づく加害者への処分などの再発防止の措置と、被害者への謝罪と賠償責任を果たさせるよう書面で求める必要があります。会社の組合がある場合は労組の幹部に相談し、ダメな場合は信頼できるユニオンに加入して団体交渉を行うのがいいでしょう。

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