アメリカがロシアのプーチン政権を崩壊させ、同時にユーロ経済圏が東欧・ロシアへと広がらないために、アメリカが計画的に画策したウクライナ戦争が、世界のエネルギーや資源価格を高騰させたばかりでなく食料価格まで高騰させた。このことが世界情勢を流動化させている。
世界は資本主義の不均等発展の法則で、多極化しつつあり、アメリカの一極支配はもはや限界となった。ウクライナ戦争が世界情勢を流動化させており、世界中で戦乱が起こりつつある。
アメリカはイラク戦争とアフガン侵攻で多数の米兵が心を病み、多額の保障が必要となり、アメリカは現在海外派兵ができない状態にあり、ゆえにウクライナを「捨て駒」にしなければならなかったのである。
アメリカはこの間ウクライナに7兆円もの軍事支援を行ってきたが、アメリカ議会はウクライナへの巨額の支援に反対し、予算案が議会を通過できない事態となっている。
そうした時に、イスラム教のシーア派のイランとスンニ派のサウジなどの対立関係が、中国の仲介で関係が改善し、結果イスラエルの安全保障が危機になった。そこでアメリカはイスラエルとサウジとの外交関係改善を提案した。
これで今度はパレスチナ側が追い詰められてイスラエル攻撃に踏み切った。今回のパレスチナ戦争はこうして始まったのである。
世界情勢は極めて流動化しており、今後台湾への中国の侵攻や、朝鮮半島や、中印の国境紛争が火を噴く可能性が高い。日本は岸田政権がウクライナ支援を決めたため、現在三正面に核保有国を敵にした。つまり有事には、ウクライナのように日本はアメリカの「捨て駒」にされる可能性が高いのである。
新世紀ユニオンは結成以来、対米自立で平和中立の日本を目指して、反戦平和の闘いを進めてきた。「対米自立」のスローガンに対し、多くの労働運動家が「新世紀ユニオンは右翼か左翼かわからない」と批判してきた。
しかし現在のように戦争が世界中に拡大する様相を示している中では、「対米自立」のスローガンの先見性が明らかであり、アメリカの従属国の日本は対米自立以外に、平和で中立の日本を作るすべがないことを指摘しなければならならない。
憲法9条は日本共産党が主張するような「平和憲法」ではない。憲法9条は日本に米軍がいつまでも居座るための対米従属憲法であり、したがって新世紀ユニオンは結成時から「対米自立」を掲げ、それにより平和中立の日本を築くことを目指してきたのである。
世界で戦争が拡大する状況下では、我々の対米自立のスローガンが、いかに重要かが分かるであろう。習近平政権がファシスト政権として凶暴性を発揮する状況の下では、日本の平和を守るためには、アメリカの戦争の「捨て駒」にされないよう、対米自立し、平和中立の日本にしなければならないのである。
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