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生保会社の介護保険は必要か

 私は東京に本社を置く建設会社でサービス残業を通報後、重大災害の多発する現場勤務を命じられた。現場の諸問題を通報し続けた所、今度は内勤の単純作業を命じられた。
 さて、都市部のオフィスでは、生命保険の外交員が頻繁に出入りする。新職場に赴任した私は、早速彼女達からの勧誘を受けることになった。とりわけ勧誘が熱心なのは、S生命である。
S生命の保険は、4つの保障(介護・死亡・医療・積立)をライフサイクルに合わせて準備できるそうだ。私は独身であり、健康な家系で育ち、交通事故リスクの少ない倹約生活を送っているので、一旦断った。けれども、外交員は介護保障の必要性を重ねて説明する。なんでも、「駅の階段で転んで靭帯を切り、要介護状態となる事例が多々ある」そうだ。
さて、具体的な提案プランは、
1) 軽度の要介護状態になれば、30日目から150日まで、13万円×最高5回(小計65万円)
2) 中等度の要介護状態になれば、それ以降は毎年130万円×最高30回(最高3900万円。ただし、年齢を重ねるにつれ総支給額が下がるので、それを勘案して平均すると2133万円。)
の保障を受けられるものであった。
 保険期間は30年、払込期間30年、更新満了65歳である。保険料は、保障部分が約6800円、税金控除対策としての積立部分が約1800円である。
 加入の前に確認すべき情報は、あと1つである。それは、自分が要介護状態となる確率である。私は外交員に、当該プランで補償金の支給を受ける人の割合を質問した。外交員は即答できず、私は後日の回答を待つことになった。
 数日後、外交員が私に提示したデータは、単年度の補償金支給件数(1000件程度)や、65歳未満の在宅の寝たきり・準寝たきり者総数(約38万人)などであった。かなりの数値のように思える。しかし、これらは割合を求めるための分子ばかりである。私は、分母がいくらあるのか再度質問したが、わからないとのことであった。何故わからないのかわからない。契約者の総数データは、保険会社にあるはずである。また、日本の65歳未満人口は、総務省の統計局ホームページを閲覧すれば、約1億人であると、容易に知ることができる。
 以上のデータから、私が当プランに加入すべきか、計算してみよう。
保険料の総支払額は、6800円×12カ月×30年=2,448,000円
要介護状態時の平均受取額は、2133万+65万=21,980,000円
65歳未満の要介護者(在宅の寝たきり・準寝たきり者数)の割合は、38万÷1億=0.0038
従って、受取額の期待値(一人あたりの平均値)は、21,980,000×0.0038=83,524円
 要するに、250万円近く払って、一人平均8万数千円の保障を受けられるプランなのである。もはや加入を迷う余地はないだろう。
 S生命自慢の業績、すなわち安定した収益力と高い健全性は、このような調子で暴利をむさぼった商売ならば当然の“業績”であると言えよう。外交官も、「若いうちに生命保険に入っておくことは、財産です」などと、よくも白々しく言えるものである。
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