あいかわらず違法解雇が多い。利益を増やすために競争のように首を切る。正社員を削減して非正規に置き換えれば人件費が半分から3分の1になるからだ。
裁判で、違法解雇で負けたとしても原状回復主義の現状では未払い賃金を払えば済む。ところが労働者の側は裁判をするためには弁護士の着手金等で35万円もいる。
しかも訴訟中は雇用保険の仮受給やアルバイトでしのがねばならない。違法解雇の泣き寝入りが増える理由である。これでは違法解雇のやり得である。
お金が無い人は裁判もやれない。労働審判の場合は25万円ぐらいでやれるが審判が受け入れられるとはかぎらず、結局金銭解決になる。
したがって解雇された人が、お金が無いので裁判も審判もやれないとなると、泣き寝入りするか、それとも暴発して非合法的手段を取るしかない。あとは組合の団体交渉ぐらいだ。
違法解雇を減らすには裁判で懲罰的慰謝料を認めるしかない。原状回復主義は解雇のやり得を生むだけなのである。
最近では、解雇されると後は安い賃金の非正規しかない。こうして若者の多くが前途に人生設計のできにくい状態に置かれている。
日本は違法解雇が野放し状態であるため、賃金は傾向的に低下し、労基法の認めている予告手当すら払われないで解雇する経営者が多くいるのである。
違法解雇であるのに闘わず泣き寝入りが多いということは、法治国家とは言えない。
若者が暴発して無差別殺人に走るということが社会現象として起きている。国家が違法解雇のやり得を容認しているから、このような事件が起きるのである。
経営者にとって違法解雇で負けても未払い賃金だけ払えばいいなら、やり得であり、違法解雇が増えるのは当然と言うべきだ。
経営者にとって違法解雇は高くつく、という状況をつくらないと日本は無法社会と化していくであろう。
安上がり労働力としての外国人労働力の流入や「研修」という名の奴隷労力も禁止すべきだ。非正規雇用を禁止すべきだ。これらの解禁が日本の野蛮な搾取化を推進したのである。
リストラやり得社会を生んだのは自公政権であり、小泉「改革」だった。これによって日本の労働者の無権利状態が進行し、企業の権威主義的労務管理が促され、奴隷労働化が進行した。
民主党の鳩山政権は、違法解雇のやり得を許さないため司法改革で違法解雇に懲罰的慰謝料を導入して、解雇のやり放題の状態に終止符を打つべきだ。
少なくとも未払い賃金と同額の慰謝料を認めないと低賃金の労働者は裁判で法による保護を受けられないのである。
日本が法治国家で民主社会であろうとするなら、違法解雇に懲罰的慰謝料を導入することは、待ったなしの課題となっている。
法律の抜け穴が多いのが日本の特徴だが、とりわけ労働分野の原状回復主義は放棄する時にきている。
違法解雇で裁判に負けても未払い賃金さえ払えばいいのでは、違法解雇がやり得であり、しかも原状回復主義が泣き寝入りを増やしている。司法が無法を許していては話にならないのである。
スポンサーサイト