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改正労基法の特徴点

 今年4月1日から労働基準法の一部が改正されています。概要をお知らせします。
 厚生労働省のパンフレットによると30代の子育て世代の男性は週60時間以上時間外労働する割合が20%となっており、長時間労働を行う労働者の割合が高く、労働者の健康を保持しながら仕事と生活の調和の取れた社会を実現するために改正されたと目的がうたわれています。
 もっとも「週60時間以上」という基準は労災の過労死を認定する根拠の一つとして「発症前2ヶ月ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働」という基準があり、この一歩手前の水準であり、労働者が過労死にならないようにとりあえず歯止めをかけたにすぎないという状況になっています。
 長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するという制度趣旨を明確にすることで運用を図っていくべきもです。
 重要な改正点は次の4点となっています。
1)限度基準を超える時間外労働については、労使協定(特別条項付き36協定)によって限度時間(1ヶ月45時間、1年360時間など)を超える時間外労働の部分については25%を超える水準の割増率を定めなければならないこととされる努力義務規定が設けられました。また、そもそも延長する時間数を短くするよう努めるよう規定されました。
2)週60時間を超える時間外労働に対しては、使用者は50%以上(これまでは25%以上)の率で計算した割増賃金を支払わなければならなくなりました。
3)前項の割増賃金の引き上げ部分(25%)については、労使協定を結ぶことにより、割増賃金を支払う代わりに有給休暇を与えることができるという代替休暇の制度がつくられました。もともとの25%部分については賃金を支払う義務があります。
 労使協定で代替休暇の時間数の算定方法、代替休暇の取得単位(1日、半日など)、代替休暇の取得日の決定方法などを決めたうえで実施されます。
4)労使協定を結ぶことにより年に5日を限度として年次有給休暇を時間単位で取得できる時間単位年休の制度が導入されました。
 労使協定で対象となる労働者、時間単位で取得することのできる年次有給休暇の日数(年5日以内)、1日あたりの時間数、取得することのできる時間の単位(1時間以外の単位で取得する場合)などを決めたうえで実施されます。
 なお、週60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引き上げと、その割増賃金の引き上げ部分を有給休暇に代える規定は大企業では当初から義務規定となりますが、中小企業では当分の間、適用が猶予されます。
 また、限度時間を超える時間外労働に割増率を定める規定については努力規定となっています。したがって限度時間を超える時間外労働を実施することができる旨だけを決め、割増率を25%のままにするというような労使協定も違法とはならないことになってしまいます。
 労使協定の内容によってはかえって長時間労働を容認することになることも考えられ、労働者にとっては注意を要する改正となっています。
 改正労基法の運用については労働者の不利にならないように監視していく必要があります。
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